2018年11月29日 第48号

 カナダ国内の通信会社への苦情件数が激増していることが27日分かった。通信テレビサービス苦情処理委員会(CCTS)の報告によると、苦情件数は2017年8月1日から2018年7月31日までの1年間で前年比57パーセント増の14、272件だったという。

 ハワード・マーカー委員長は、2017年9月からテレビサービスに関する苦情も含まれることになったため、件数が増加することは見込んでいたが、ここまで増加するとは予想していなかったと語った。テレビに関する苦情は全体の5パーセント以下と低かった。

 苦情内容で多かったのは、例年と同様で、サービス移行時のトラブル、料金に関する不満、契約時の説明と実際のサービスが違うなど。サービス別では携帯サービスが最も多く、苦情件数の増加幅が最も大きかったのはインターネットサービスだった。

 苦情が最も多かった会社は国内最大会社ベルで全体の33・2パーセントを占めた。次いでロジャーズ10・2パーセント、テラス6・6パーセントだった。しかし、テラスは他の2社よりも伸び率が高く前年比で49・6パーセント増加している。この大手3社で苦情件数の約50パーセントを占めた。

 苦情が急増した要因についてマーカー委員長は、消費者の意識の変化があると指摘。CCTSの存在が通信会社やメディアによって知らされたり、カナダラジオテレビ電気通信委員会(CRTC)の公聴会がメディアで紹介されたりして、声を上げることが重要ということを消費者が認識し始めたことが大きいと語った。

 

2018年11月29日 第48号

 サッカーカナダは26日、男子カナダ代表チームの公式戦をブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市で開催することを発表した。2019年3月24日BCプレースで開催される。

 同市で行われた記者会見にはジョン・ハードマン監督と、カナダ代表ラッセル・テイバート選手(所属:バンクーバー・ホワイトキャップスFC)が出席。バンクーバーでの開催について語った。

 今回の公式戦は北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)主催のネイションズ・リーグで、カナダはグループAで出場。ここまで3試合を戦い3連勝と勝ち点9を獲得している。3月のフレンチ・ギアナ戦で勝利すればグループ首位が確定する。

 ハードマン監督はバンクーバーで開催する理由をカナダ全国のファンの前で試合をしたいこと、3月のカナダの天候、そしてバンクーバーサッカーファンの情熱を挙げた。昨年まで女子代表監督を務め、バンクーバーのサッカーファンは承知の監督。「非常に重要な試合なのでBCプレースでのファンの声援が必要。女子の時のような声援を期待している」と語った。また今季までバンクーバー・ホワイトキャップスでプレーしていたアルフォンソ・デイビーズ選手のバンクーバー凱旋については「それがかなうとバンクーバーのファンにとってはすごくいいと思う。期待しているだろう」と語った。デイビーズ選手はドイツへの移籍が決まっている。

 また、テイバート選手は「ワールドカップへの道をハーデマン監督と一緒に行けると思うと、またカナダ代表としてプレーできることをうれしく思う」と語り、慣れ親しんだバンクーバーで代表としてファンの前でプレーできることはうれしいと語った。

 チケットは、27日からチケットマスターで販売が開始している。

 

カナダ国旗デザインのBCプレースを背景に、ハーデマン監督(左)とテイバート選手。(Photo by D. Laird Allan/Sportswave)

 

2018年11月29日 第48号

 第106回グレイカップはカルガリー・スタンピーダーズが制した。11月25日アルバータ州エドモントン市コモンウェルス・スタジアムで開催されたカナディアン・フットボール・リーグ(CFL)最高峰を決定するグレイカップ決勝戦。この日は55、819人のCFLファンが詰めかけた。

 対戦は、西地区優勝を果たしたスタンピーダーズと東のオタワ・レッドブラックス。2年前と同じカードとなった。スタンピーダーズは3年連続のスタンレーカップ決勝。しかし、レギュラーシーズンで圧倒的な強さを見せるスタンピーダーズは、過去2度はいずれも東のチームにグレイカップ決勝で敗れている。2年前はレッドブラックスに敗れた。

 この日の試合は、常にスタンピーダーズがリードする展開となった。そして第2クオーター終盤にRBウィリアムズが達成したグレイカップ新記録92ヤードのパントリターンでのタッチダウンで、ほぼ試合を決定づけた。結果は27-16。スタンピーダーズが3年目にしてようやくグレイカップを掲げた。

 最優秀選手賞はスタンピーダーズのクオーターバック(QB)ボレビー・ミッチェル選手、最優秀カナダ人選手賞はスタンピーダーズのレマー・デュラント選手が受賞した。

 

2018年11月29日 第48号

 ブリティッシュ・コロンビア州の公立校で19日、授業の教材として教室に掲げられていた旭日旗が、同校の韓国人生徒が始めた抗議によって目立たない場所へ移動させられた。しかし学校側は、旗はあくまでも20世紀の歴史の授業の教材であることを強調している。

 この学校は、メトロバンクーバーのラングレー地区にある公立校、ウォールナット・グローブ・セカンダリースクール。同州の12年間の義務教育(7・5制)の後半を受け持つのがセカンダリースクールで、8年生から最高学年の12年生までが通う。

 同校の歴史教室の壁に旭日旗が掲げられていたことに抗議を行ったのは、同校9年生の韓国人生徒B・J・ムン(B. J. Moon)さん。インターネット上で抗議の参加者を募ったところ、週末だけで1万人を超える賛同者が集まったと、ムンさんは抗議サイトに書き込んでいる。

 この抗議を受けて、同校が旭日旗を移動したことについてムンさんは「学校は迅速かつ適切な対応を取った」と称賛、自分たちの勝利だと高らかに宣言している。ムンさんや抗議に賛同した韓国系生徒らは、旭日旗は戦前・戦中の大日本帝国の黒歴史を象徴していると主張している。

 さらに自分たちの祖父母の世代が舐めた辛酸のことを思うと、旭日旗に非人道性と非倫理性を見出さないで(教室に掲げるような)人間(教師)がいることが信じられないと続けている。また、旭日旗が掲げられることは、大戦中に命を落とした兵士によって守られた、基本的人権の神聖さを信じるすべての人々にとっても重大な問題になっていると述べている。

 しかし、このムンさんらの抗議に対し、旭日旗を教室に掲げた社会科の教師を代弁したラングレー教育委員会のケン・ホフさんは、この社会科教師はベテランで多くの人の尊敬を集めてきていると、弁護するコメントを発表している。

 「この旗は、他の多くの教材と同じように、20世紀に起きた出来事を学び討論するための教材である」と説明、さらに「この旗は戦争や騒乱の中で作られ利用されてきた物のひとつであり、ある特定のグループや生徒に怒りや不快な思いをさせるために掲げられたのではない」と断言。あくまでも会話の端緒として扱うべきものとの意見を述べている。

 またホフさんは、ムンさんやその仲間が、歴史を学ぶという高い次元から旭日旗を捉えることができなかったことは不幸だったと語っている。こうした旗などのシンボルが、世界の中の異なる立場の人には違った意味合いを持つということを学ぶためにも、必要なものだと指摘している。

 歴史授業は11年生と12年生の科目だが、同校でこの授業を受けた多くの生徒は、そうした教材を用いた討論が学習に有効だったと、取材に答えている。11年生のブロックさんとラージェンさんは、授業で旭日旗が取り上げられて初めて、その旗の持つ意味を知ったと語っている。ブロックさんは「この旗は教材だと思う。確かにあるグループの人に対しては許しがたいものなので、撤去した方がいいのかも知れないが、歴史を学ぶという観点からはそれが必要だ」と取材に答えている。なお、抗議を始めたムンさんは歴史授業を受けていたわけではなく、たまたま廊下から教室内の旭日旗を見かけたことがきっかけで、抗議活動を始めている。

 ホフさんはさらに、ムンさんや他の生徒たちが旭日旗を見つけるや否や、学校側には何も相談せずいきなりインターネット上で騒ぎ始めたことも残念だと述べている。また旭日旗の教材としての役割を強調、史実を検閲したり修正したりすることはできないと指摘している。「真実は時に不快なこともあるが、授業の中ではそうしたことについての討論が重要な意味を持つ」と教育上の観点から、一方を排除するような行為を暗に批判していた。

 

2018年11月29日 第48号

 ブリティッシュ・コロンビア州の女性が、アルバータ州の高速道路を運転中スピード違反で捕まったが、その罰金が2300ドルとなった。

 場所は、同州エドモントン市の北約160キロにある、人口800人ほどの町ボイルの近くの高速63号線で、8月14日の午後9時頃のことだった。北向き車線を走行していた30歳の女性は、制限速度110キロのところを、105キロのスピード違反になる215キロで走行していた。

 また警察には、同じ車がボイルの北にある町グラスランドの学校のそばの道路を猛スピードで走り、追い越し禁止車線を越えて他の車を追い抜いているという苦情も寄せられていた。

 時速50キロを超えるスピード違反については裁判所への出頭が義務付けられているが、この女性は指定された日時にボイル裁判所に現れず、最近罰金が確定した。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。