2018年12月6日 第49号

 議員辞職の意思を公表した元連邦自由党ラジ・グレワル議員が12月1日、自身のフェイスブックで辞職を撤回する意思があることを発表した。

 ギャンブル中毒であることを公表し、リハビリに専念し家族との時間を大切にするために辞職するとしていたグレワル議員だが、実際にはまだ辞職をしていないことが分かり、さらに今回は議員辞職についてはいったん白紙に戻し、しばらくは休職し、来年の議会再開までに自身の身の振り方を考えたいと語っている。自由党は、同議員はすでに離党していると発表している。

 同議員が辞職を公表した11月19日以降、各紙で同氏の借金額や連邦警察が捜査している事実が明らかになっている。

 グローブ&メール紙によれば借金額は1千万ドルを超えているという。また今年5月には、ジャスティン・トルドー首相の2月のインド訪問時に、グレワル議員の選挙区にある自身が関係している企業の社長を政府関係イベントに招待していたことを、利益相反違反で連邦倫理委員会が調査し、連邦警察も調査していることが明らかになっている。しかも同議員にはマネーロンダリングの疑いもあるという。

 フェイスブックでの告白では、ギャンブルにはまったのは2016年頃からでケベック州ガティノー市にあるカジノでやっていたこと、借金はすでに完済したことなどを告白している。

 しかし野党は、国会議員の給与で1千万ドル以上の借金がそう簡単に完済できるとは思えないと語っている。またトルドー首相事務所が同議員に対する警察の調査を知らなかったというのは信じられないと自由党の対応も批判している。

 

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