2018年12月20日 第51号
ブリティッシュ・コロンビア(BC)州最高裁判所は13日、バンクーバー市内の違法マリファナ店に対して閉店命令を言い渡した。
バンクーバー市は自分たちの主張が認められたと記者会見で語った。違法店の土地は市に権利があると3年前から違法マリファナ店を取り締まってきたと語った。
差し止め命令の対象となった違法マリファナ店53店舗のうちすでに約半数は閉店、残りは28店舗という。ただ裁判所の決定にすぐに従う店舗がどれほどあるかは不明で、市も取り締まりを強化する予定を明確には打ち出していない。
背景には今年10月17日にカナダで合法化された嗜好用マリファナが供給不足という現実と、合法化されても現在BC州では開店している州政府公認の店舗がこれまでのところ1店舗のみと政府の対応が追い付いていない現状がある。
BC州で合法的にマリファナ販売を希望する場合は、州政府と管轄する市の両方の許可証を取得する必要がある。
BC州政府は違法店舗に対して合法化後にすぐに強制撤去を実施することはないが、合法的に販売を希望する場合は自主的に閉店して許可証が下りることを待つことが賢明と自主的な違法店の閉店を促していた。
2018年12月20日 第51号
オンタリオ州トロント市議会は13日、同市でのマリファナ販売について民間での販売を許可することを賛成20、反対4で可決した。同日オタワ市でも市議会が同様の決定をした。これでカナダ最大都市とカナダの首都で民営のマリファナ販売店がオープンすることが決まった。
オンタリオ州では今年6月に政権が交代し進歩保守党政権が誕生。それまでの自由党政権が州政府管轄の店舗のみをオープンするとしていたのに対し、マリファナ販売の民営化を許可することを決定。今年10月17日に嗜好品としてのマリファナがカナダで合法化され、当面は州が管轄するオンラインのみでの販売となっているが、2019年春には民営の販売店を開始することを発表していた。
その後、来年1月22日までに同州各都市にマリファナ販売の不可を決定するよう通達していた。
トロント市ジョン・トーリー市長は今回の決定について、もし市内で販売店をオープンしなければ闇市場での売買を促進することになりかねないと民営店の販売を決定した理由を語っている。
オンタリオ州政府は来年1月に最初に開店する25店舗を抽選制で決定すると発表。オンタリオ州ではアルコール・賭博委員会(AGCO)の管轄となっている。
2018年12月20日 第51号
ブリティッシュ・コロンビア州内陸部のいくつかの事業主に13日、爆破予告の電子メールが送りつけられた。同様の脅迫メールはアメリカ各地にも送られ、双方の当局が捜査を行っている。
BC州内で爆破予告を受け取ったのは、バーノンの彫刻店と車のディーラー。またペンティクトンでも、いくつかの商店が同様の予告を受け取った。そのほかケロウナとカムループスでも、店舗から人が一時避難する騒ぎとなった。
この爆破予告が、時を同じくしてアメリカの学校や役所などに送られた爆破予告と関連性があるのかどうかについては、明らかにされていない。その後、これらの脅迫メールは事業主に金を払わせる詐欺が目的で、実際に爆弾が仕掛けられたものではないと判断された。
送られたメールのいくつかのタイトルは「よく考えろ(Think Twice)」となっていた。そして本文で、事業主の入っているビルに仲間が爆弾を仕掛け、これを起爆させたくなかったらビットコインで2万ドルを支払うよう、脅していた。そのぎこちない文面は、かつて世間を騒がせた、ナイジェリア王子を騙った詐欺メールを彷彿とさせるものだった。
2018年12月20日 第51号
ブリティッシュ・コロンビア州の女性が中心となり、北米各地のホームレスにクリスマスカードをプレゼントする取り組みが続けられている。
この女性は、メトロバンクーバー地区のデルタ市に住むエリン・シュルテさん。彼女が『クリスマスカード共同体』と名付けた取り組みは、昨年から始まった。ホリデーシーズンに路上で暮らすホームレスの人々に、決して忘れられた存在でないことを知らせたいという思いがきっかけだった。シュルテさんはこのアイデアを家族や友人に話し、クリスマスカードを書いてもらうよう依頼した。そして昨年は、800通あまりのカードを書き上げ、ホームレスの人々に配った。
今年はさらに活動の輪を広げ、ソーシャルネットワークを通じ人々に参加を呼びかけた。するとスポーツクラブや学校、シニアホームなどが名乗りを上げた。シュルテさんのもとに次々とカードの束が届き、彼女の家はさながら郵便局の仕分け室のような状態になっている。
ここからシェルターに送られるカードは、クリスマスまでの3日間、ベッドの枕元に配られるという。同州サレー市でホームレス支援を行っている非営利団体サレー・アーバン・ミッションは、今年初めてシュルテさんのグループからカードを受け取るが、普段は世間から忘れられているという思いが強い彼らに対し、心強いメッセージになるに違いないと取材に話していた。
シュルテさんらのカードはBC州のほか、オンタリオ州とアルバータ州、また米シアトルとロサンゼルスにも届けられる。
2018年12月20日 第51号
オンタリオ州南西部、人口約20万人の都市キッチナーのグランドリバー病院に先月30日、患者の子供たちがサンタクロースとの撮影会に集まった。
近くの町ケンブリッジに住むワイアット・ホートンさん(13歳)は、精神障害を患っているほか、先天性両足内反足を矯正するために、これまで9回の手術を受けてきた。それに加え、2カ月ほど前には白血病と診断された。
そんなホートンさんは病院へ行くのが嫌いだが、この日に限っては待ち遠しい様子だったと、母親で3児の母のリサ・ホートンさんは取材に語っている。彼が興奮した様子でサンタクロースに歩み寄っていく姿を見ただけでも、感動したという。 さらに彼女を幸せな気持ちにさせてくれるのは、そのサンタとの写真だ。一般的な、クリスマスのデコレーションに囲まれ、大きな椅子に深々と腰かけたサンタと写る写真とは、全く異なったものとなっている。
その撮影にはクリスマスらしいデコレーションは一切用意されず、背景となる大きな黄緑色のスクリーンが張られただけの病院の一室で行われた。撮影を担当した地元の写真家エリン・ミカルスキーさんは撮影後、それを画像編集ボランティアにインターネットで送付。すると黄緑一色の背景がだった写真は、完璧なクリスマスの風景になって、写った本人のもとに届けられた。
ホートンさんの場合、背景は暖かな火が燃えるレンガ造りの暖炉の部屋で、クリスマスツリーの横に座っているサンタクロースと手を取り合っているホートンさんが写っている。その脇の窓の外では、トナカイが二人に優しいまなざしを送っているという、とても心温まるクリスマスの情景となっている。
実はミカルスキーさんが行った撮影・画像加工のプロセスは、クリスマス・ウィッシュと名付けられた世界的プロジェクトの一環だった。もとはオーストラリアのボランティアグループが始めた、入院中の子供たちにサンタとの写真を送ろうという企画だったが、それがニュージーランド、そしてイギリスへと拡大したものだ。
たまたま、このことを2年ほど前にインターネット上で見つけたミカルスキーさんは、このグループに参加を申し込んだ。そして何人かの写真家仲間とサンタに扮する友人を募り、この撮影会を行った。ミカルスキーさんは、ほとんどの人は撮影後の画像編集については詳しくないので、いい意味でクリスマスの魔法がかかった写真と思われている。これが彼らをつらい日常から、一時でも解放してくれればいいと願っていると、取材に語っている。
今年は世界中で約200の家族が、こうした特別なサンタとの写真を受け取った。