2018年12月20日 第51号

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州メトロバンクーバーの公共交通機関を管轄運営するトランスリンク社はスカイトレインの延長工事について、早ければ2025年には完成するとの見通しを9日に発表した。

 トランスリンクは現在バンクーバー市ウォーターフロント駅からサレー市キングジョージ駅まで走っているエキスポラインを、フレーザーハイウェイを通ってラングレー市まで延長する工事の計画を発表。計画では、全長16キロメートル、設置する駅は8駅(1駅増加可)、車両55台、ウィローブロックスとラングレーセンターにバス・エクスチェンジを設置するとしている。

 この計画についてメトロバンクーバーの市長で構成される市長協議会は13日、賛成多数で承認した。

 今回のスカイトレインの提案は、今年10月に実施されたBC州地方選挙で当選したサレー市のダグ・マッカラム新市長が選挙戦で、それまで新トランジットシステムとして決定していたLRTに代わりスカイトレインを建設すると公約し当選。その後、この公約を守るとして市議会でLRTからスカイトレイン建設変更を決定し、今回協議会で承認された。

 しかし問題もある。トランスリンクはLRT建設の予算を160万ドルと試算。これがスカイトレインに変更すると10億ドル増加するという。マッカラム市長は160万ドルのままで建設可能と主張している。

 今回の協議会ではリッチモンド市マルコム・ブロディ市長の提案によりサレー市がLRT建設の準備のためにトランスリンクが費やした5700万ドルを返却することでも合意した。

 トランスリンクの公共交通機関建設の費用については、連邦政府、BC州政府、メトロバンクーバー各都市が捻出しているが、今回のスカイトレインへの変更に伴う追加費用についてBC州ジョン・ホーガン州首相は、追加支援をする予定がないことを示唆したとバンクーバー・サン紙は伝えている。

 

2018年12月20日 第51号

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー市で2019年の固定資産税の引き上げ幅について、4・9パーセントを検討するよう市議会に提案したことが10日明らかになった。

 過去10年間のバンクーバー市の平均固定資産税引き上げ幅は3パーセント未満でメトロバンクーバーの他の都市と比較すると低いほうだという。

 しかし今回はBC州政府がMSP(BC州健康保険)の代わりに導入する保険制度に必要な課税EHT(労働者健康税)を決定したことや新たなインフラ整備に必要な費用などを考慮すると4・9パーセントの引き上げが必要という試算になると説明している。

 内訳は、インフレ率による引き上げが2・2パーセント、BC州政府によるEHTの固定資産税への影響分1・7パーセント、2019〜2022年までのインフレ計画への投資に1パーセントとなっている。

 仮に4・9パーセントが承認されると、一軒家の平均不動産価格183万2千ドルでは2018年と比較して年間108ドル増、商業利用地の場合は平均価格85万5300ドルで193ドル増となる。

 市の担当者は引き上げに向けバンクーバー市議会に予算の説明をしている。

 

2018年12月20日 第51号

 カナダポスト労働組合が5週間に及び実施したストライキの影響で、いまだに郵便物配達の遅延が続く中、ホリデーシーズンの小包や手紙だけでなく、計画していた旅行にも影響が出ているとグローバルニュースが伝えている。

 ストライキの影響で申請していたパスポートの配達も遅れているせいだという。グローバルニュースは、ストライキの影響を受けないとされていた特急便によるパスポートの配達にも影響をもたらしているのが原因と体験者らが語っていると紹介している。

 カナダポストはストライキが連邦政府による強制終了となった直後に、すでに配達の遅延を予告。手紙類はクリスマス頃までに通常の配達になるが、小包は1月までずれ込み、国際郵便の受け取りはそれ以上に時間がかかると発表している。

 現在は、約4000人の追加従業員と1400台の追加トラックを導入して遅延分を取り戻しているとも発表している。

 しかし5週間のストライキとブラックフライデーやサイバーマンデーによる配達小包の増加、1年で最も忙しいクリスマスシーズンと重なることなどから、当分は配達の遅延を考慮して郵便を使用するよう注意を呼びかけている。

 またグローバルニュースではパスポートの配達遅延については、カナダポストがカスターマーサービスへ連絡するよう呼びかけるほか、移民省では遅延した場合に備えた計画を立てるか、早めの申請を促すほか、すでに申請している人には移民省へ連絡するよう伝えている。

 

2018年12月20日 第51号

 連邦新民主党(NDP)のベテラン議員が次期選挙に立候補しない意向を10日発表した。不出馬を発表したのはブリティッシュ・コロンビア(BC)州ポートムーディ‐コキットラム選挙区のフィン・ドレネリー議員。「熟考した結果、2019年の選挙に立候補しないことを決心した」と声明を発表した。

 NDPジャグミード・シング党首については「党首としての彼に何の疑問も持っていない」と語り、きっと党をうまく率いてくれるだろうと語った。

 来秋に実施される連邦総選挙に向け、NDPではベテラン議員が続々と不出馬を表明している。それも2017年にシング党首が決定して以降に多く公表したため、党首に不満があるのではないかとの憶測がある。シング党首は、39歳という若さだけでなく、インド系カナダ人でシーク教徒。連邦政党では初の白人以外の党首でカラフルなターバンと長いひげが特徴の異色の党首。それに加え、現在議席を持たないため国会にも出席できず、シング党首で総選挙を戦えるのかという疑問の声もある。

 これまでに来年の総選挙に立候補しないことを発表したベテラン議員は、ケベック州のロメオ・サガナッシュ議員、ヘレン・ラバーディア議員、オンタリオ州のデイビッド・クリストファーソン議員、アイリーン・マシセン議員、アルバータ州リンダ・ダンカン議員と、NDP党首選ではシング党首を支えた議員も多い。さらに、トーマス・マルケア前党首のケベック州、バンクーバー市長に当選したBC州バーナビー・サウスの2選挙区での補欠選挙も控えている。BC州バーナビー・サウス選挙区にはシング党首が立候補すると公式に発表している。

 来年の総選挙まで1年を切ったこの時期にさらなるベテラン議員の引退に、NDPは厳しい選挙対策を強いられそうだ。

 シング党首は引退を表明したドレネリー議員に向け、これまでの功績に感謝する声明を発表している。

 

2018年12月20日 第51号

 ブリティッシュ・コロンビア州で使用されるガスを供給しているフォーティスBCは、ガス料金を値上げすると10日に発表した。

 フォーティスBCはBCユーティリティ委員会から暫定的な料金値上げの承認を得たと説明している。今回の値上げが暫定的なのは、今年10月に同州プリンス・ジョージにあるエンブリッジ・パイプラインが爆発を起こしたことが要因。「(爆発による)費用の影響が大きく天然ガスの供給を安定させるために必要な措置」と説明している。

 ガスを使用しているバンクーバー島、ローワーメインランド、州内陸部の家庭では、年間平均で約9パーセント、金額にして約68ドルの値上げとなる。

 値上げは2019年1月1日より実施される。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。