2018年12月20日 第51号

 連邦新民主党(NDP)のベテラン議員が次期選挙に立候補しない意向を10日発表した。不出馬を発表したのはブリティッシュ・コロンビア(BC)州ポートムーディ‐コキットラム選挙区のフィン・ドレネリー議員。「熟考した結果、2019年の選挙に立候補しないことを決心した」と声明を発表した。

 NDPジャグミード・シング党首については「党首としての彼に何の疑問も持っていない」と語り、きっと党をうまく率いてくれるだろうと語った。

 来秋に実施される連邦総選挙に向け、NDPではベテラン議員が続々と不出馬を表明している。それも2017年にシング党首が決定して以降に多く公表したため、党首に不満があるのではないかとの憶測がある。シング党首は、39歳という若さだけでなく、インド系カナダ人でシーク教徒。連邦政党では初の白人以外の党首でカラフルなターバンと長いひげが特徴の異色の党首。それに加え、現在議席を持たないため国会にも出席できず、シング党首で総選挙を戦えるのかという疑問の声もある。

 これまでに来年の総選挙に立候補しないことを発表したベテラン議員は、ケベック州のロメオ・サガナッシュ議員、ヘレン・ラバーディア議員、オンタリオ州のデイビッド・クリストファーソン議員、アイリーン・マシセン議員、アルバータ州リンダ・ダンカン議員と、NDP党首選ではシング党首を支えた議員も多い。さらに、トーマス・マルケア前党首のケベック州、バンクーバー市長に当選したBC州バーナビー・サウスの2選挙区での補欠選挙も控えている。BC州バーナビー・サウス選挙区にはシング党首が立候補すると公式に発表している。

 来年の総選挙まで1年を切ったこの時期にさらなるベテラン議員の引退に、NDPは厳しい選挙対策を強いられそうだ。

 シング党首は引退を表明したドレネリー議員に向け、これまでの功績に感謝する声明を発表している。

 

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