2019年3月28日 第13号

 ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市で昨年8月、許可なくホテルを営業していたとして市役所から罰金を命じられた民家が、その後も営業を続けていたことがわかった。市は法的手段を取ることとした。

 この『ホテル』は、同市レールウェイ・アベニュー7508番地にある住宅。罰金2千ドルとともに、営業停止命令が出されていた。しかし今年1月、オンライン上のホテル予約サイトに『リッチモンド6または1ベッドルーム』として登録されていることがわかった。実際にかなりの予約が入っていることも確認され、サイトの評価には『リッチモンドで最も人気のある物件のひとつ』とされていた。

 メディアにこのことを知らせた人物によると、この『ホテル』は以前よりも本格的になり、ますます賑わっていると語っている。価格は宿泊人数により270ドルから388ドルとなっているほか、市からの営業許可を得ていないにもかかわらず、25パーセントの税金とサービス料を宿泊料金に加算していた。

 市はメディアからの問い合わせに対し、この件を把握しており継続的に調査を続けるとともに、『ホテル』を運営していた人物を告訴、3月には法廷が開かれることを明らかにした。

 なお、ホテル予約サイトに広告が出ていることだけでは証拠とならないため、市は住民に対し、特に2人以上がこの住宅に泊まった証拠となる情報を提供するよう、呼びかけている。

 こうした違法民宿のほとんどは、市による捜査と罰金で営業を停止すると、市の広報官テッド・タウンゼントさん。その一方で闇マーケットの常として、違法営業を完全に一掃することは不可能だとも指摘したが、市としては条例と捜査によってその数を大きく減らすことが可能と信じていると語っている。

 行政の対応に限界があることに関し、バンクーバーの住宅事情に関する活動家ロハーナ・リーゼルさんらは、民泊の活動拠点となっているエアービーアンドビーなどのウェブサイト運営会社には、法的要件を満たした物件のみを扱うことを義務付けるよう当局に働きかけている。

 

2019年3月28日 第13号

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバーを訪問していたジャスティン・トルドー首相は24日、今秋実施される総選挙にバンクーバー-キングスウェイ選挙区の候補者としてCTV元アナウンサーのタマラ・タガート氏を擁立すると発表した。

 支援者の前でスピーチしたトルドー首相は、すでに選挙戦モードさながらの野党批判を展開。保守党前党首スティーブン・ハーパー前首相とアンドリュー・シェア現党首の政策を批判し、保守党の富裕層優遇政策と異なり、自由党は中間所得層を優遇し、経済、環境、住宅問題などを解決していく政策があると語った。

 トルドー首相は現在SNCラバランスキャンダル問題で野党から批判され、現在支持率でも一部の世論調査で保守党にリードされている。政権維持のためにはBC州での議席獲得増加は必須で今後も力を入れてくる可能性が高い。

 現在同選挙区は2008年に当選した新民主党(NDP)ドン・デイビーズ議員が保持。自由党にとっては厳しい戦いになることが予想される。

 

2019年3月28日 第13号

 ジャスティン・トルドー首相は24日、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州ナナイモ-レディスミス選挙区の補欠選挙を5月6日に実施すると発表した。25日にはBC州を訪問中のトルドー首相自らがナナイモ入りした。

 同選挙区はシーラ・マルコルムソン前新民主党(NDP)議員がBC州の補欠選挙に立候補し当選したため、空席になっていた。

 連邦補欠選挙は今年2月25日に3選挙区で実施したばかり。ナナイモはBC州補欠選挙が1月30日に実施されたため、2月の補欠選挙には含まれなかった。

 現在のところ立候補者が決まっているのは、自由党ミッシェル・コーフィールド氏、保守党ジョン・ハースト氏、グリーン党ポール・マンリー氏、カナダ国民党ジェニファー・クラーク氏。議席保持を狙うNDPはローレン・センプル氏とボブ・チャンバーリン氏がNDP正式候補者の座を争っている。

 NDPジャグミード・シング党首にとっては、2月のBC州バーナビー・サウス選挙区補欠選挙で連邦議員に初当選して初めて臨む補欠選挙となる。

 

2019年3月28日 第13号

 SNCラバラン社をめぐるスキャンダルはまだまだ収まる気配を見せない。2月7日に全国紙グローブ&メールが、ジャスティン・トルドー首相と首相事務所スタッフがジョディ・ウィルソンレイボールド前司法長官に贈賄罪に問われているSNCラバラン社を司法取引で不起訴にするよう圧力をかけたと掲載してから1カ月半が過ぎた。

 すでに、ウィルソンレイボールド前司法長官は下院司法委員会で約4時間にわたって証言し、トルドー首相事務所ジェラルド・バッツ前第一個人秘書官や枢密院書記長官も証言するなど、収束するかにみえたが、ますます混乱の様相を呈している。

 野党は19日、ウィルソンレイボールド前司法長官を再び司法委員会に招致するよう提案したが、自由党が過半数を占める委員会で却下され、これ以上の招致は必要なしとの結論が出された。しかし21日になってジェーン・フィルポット前予算庁長官がカナダの雑誌マックリーンズのインタビューに応え、この件に関してまだ国民に語らなくてはならない真実があると語った。22日には、ウィルソンレイボールド前司法長官が司法委員会で証言した時の内容を裏付けるテキストメッセージや電子メールなどの証拠を同委員会委員長に提出する用意があると伝えている。

 しかし23日になって、自由党内から前閣僚2人に対して非難の声が上がった。ジュディ・スグロ議員は、「話したいことがあるなら話してしまうか、そうでなければ黙るかのどちらかにした方がいい」とCBCラジオで主張。24日にはメラニー・ジョリー公用語相がCTVの政治番組に出演し、2人には国会の場を使って自分たちの意見を言える機会があると語り、政治とはチームスポーツで彼女たちがチームとしてプレーしたいと思うかどうかは彼女たち次第、遅かれ早かれ彼女たちが結論を出さなくてはならないと語った。

 トルドー首相は、ウィルソンレイボールド前司法長官に2回目の発言機会が必要とは思わないと25日に改めて強調。国民は前回の証言で必要なことは得たはずと語った。

 閣僚には守秘義務があり、司法委員会のような場で証言する場合には首相の許可が必要となる。前回の証言機会ではウィルソンレイボールド前司法長官に司法長官としての職務期間内に起こったことに対する発言許可は与えられたが、それ以外は許可されなかった。両前閣僚とも、前司法長官が復員軍人大臣へと降格人事を受けた後にも国民に知らせるべき重要なことが起こっていると主張している。

 

2019年3月28日 第13号

 中国が新たにカナダ産キャノーラ(菜種)製品の輸入禁止を26日に発表した。今回輸入禁止となったのはサスカチワン州リジャイナに本社のあるビテラ社。今月1日のリチャードソン・インターナショナル社に次いで2社目となる。中国税関は大連と南寧の港で同社による積荷から採集したサンプルに害虫が見つかったためと理由を説明している。

 カナダのキャノーラ産業にとって中国は最大の輸出先。キャノーラ製品輸出量全体の約40パーセントを占め、アメリカ、メキシコ、日本への輸出量を合わせた量よりも多い。

 マニトバ州ウィニペグにあるカナダキャノーラ協議会はカナダ産キャノーラ製品の品質については自信を持っている、他の輸出先からは同様のクレームは出ていないと説明。カナダ政府の対応に期待すると語った。

 この日ウィニペグを訪問していたジャスティン・トルドー首相は、今回の件について真剣に受け止めていると記者会見で懸念を示し、中国に特使を派遣する可能性も示唆した。

 昨年12月に中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長兼最高財務責任者(CFO)がブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー空港でカナダ当局に拘束されて以降、カナダと中国との関係はこう着状態が続いている。トルドー首相はこの日、「政治的問題で、中国との関係が厳しくなっていることは間違いない」との認識を示した。

 

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