2019年3月28日 第13号
中国が新たにカナダ産キャノーラ(菜種)製品の輸入禁止を26日に発表した。今回輸入禁止となったのはサスカチワン州リジャイナに本社のあるビテラ社。今月1日のリチャードソン・インターナショナル社に次いで2社目となる。中国税関は大連と南寧の港で同社による積荷から採集したサンプルに害虫が見つかったためと理由を説明している。
カナダのキャノーラ産業にとって中国は最大の輸出先。キャノーラ製品輸出量全体の約40パーセントを占め、アメリカ、メキシコ、日本への輸出量を合わせた量よりも多い。
マニトバ州ウィニペグにあるカナダキャノーラ協議会はカナダ産キャノーラ製品の品質については自信を持っている、他の輸出先からは同様のクレームは出ていないと説明。カナダ政府の対応に期待すると語った。
この日ウィニペグを訪問していたジャスティン・トルドー首相は、今回の件について真剣に受け止めていると記者会見で懸念を示し、中国に特使を派遣する可能性も示唆した。
昨年12月に中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長兼最高財務責任者(CFO)がブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー空港でカナダ当局に拘束されて以降、カナダと中国との関係はこう着状態が続いている。トルドー首相はこの日、「政治的問題で、中国との関係が厳しくなっていることは間違いない」との認識を示した。