2019年3月28日 第13号
日本発祥のカプセルホテルが、ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市に来月オープンする。
パンダ・ポッド・ホテルと名付けられたこのカプセルホテルは、全部で64ユニットを備え、男性用と女性用フロアに分かれる。同ホテルのジェネラルマネージャー、シャロン・チェンさんは、カプセルホテルはニューヨークやロンドン、シドニーといったアジア以外の国々でも支持を集めていると取材に説明、このパンダ・ポッドはグレーターバンクーバー地区で初めてのカプセルホテルとなると語っていた。
またアジアでの標準的なサイズに比べ、同ホテルのユニットは幅、奥行きとも約30パーセント広くなっていると、チェンさん。この10年間、ホテル料金は上がり続け、空室率は下がり続けていることから、経済的な選択肢としてこのホテルを旅行者に提供していきたいと、彼女は話していた。
宿泊料は、5月末までのオープニング記念価格が49ドルとなっている。その後は60ドル前後となり、夏のピークシーズンには75ドル程度となることが、オンライン予約サイトからうかがえる。
なおカナダ初のカプセルホテルは、昨年同州のスキーリゾート、ウィスラーにオープンしたパンゲア・ポッドとなる。
2019年3月28日 第13号
ノルウェー沖を航行していたクルーズ船が悪天候に遭い、エンジンが停止し漂流する事件が起きた。
故障したのは、同国のクルーズ船バイキング・スカイで、乗客と乗員合わせて1373人が乗船していた。同国北部のトロムセーから南部の都市スタバンゲルに向けて航行していた同船が大荒れの海に遭遇したのは、23日の午後のことだった。当時の波の高さは8メートルに及んだという。エンジンにトラブルが発生し停止、船は漂流を始めた。波で大揺れの船内には、窓や扉を押し開いて波が侵入、家具や乗客がホール内を流されるなどして、けが人も発生した。カナダ外務省によると、同船には15人のカナダ人が乗船していたが、そのうちの1人も負傷したとのこと。また現地領事館がカナダ人乗客と連絡を取っている。
その後同船が錨を下ろし漂流を止めることに成功したのは、港町ベルゲンから北に350キロメートルほど北のフシュタッドビカ沖で、座礁の恐れがある岩礁からは、わずか100メートルしか離れていなかった。
船長は緊急事態を宣言、救助要請を受けたノルウェー合同救助調整センターは5機のヘリコプターを派遣、空からの救助を開始した。夜を徹して行われた救出は翌日まで続き、479人の乗客が救出された。その後、船の4基あるエンジンのうち3基の再始動に成功したため、同船はタグボートの支援を受けながら近くの港町モルデに自力でたどり着き、残った乗客436人と乗務員458人が無事下船した。
同船はベルゲンを出港後、ナルビク、アルタ、トロムセー、およびボーデなどに寄港、最後は英国テムズ川河口のティルベリーに向かう、12日間のクルーズ予定だった。
2019年3月28日 第13号
オンタリオ州トロント市にある高層マンションの地下駐車場で、中国人留学生が男らに拉致された。警察では犯人の動機を調査するとともに、さらわれた留学生を追っている。
場所はトロント市の北、人口33万人弱のマーカム市の高層マンションで、23日午後6時ごろのことだった。誘拐されたワンツェン・ルーさん(22歳)は、高級SUVのレンジローバーから女性と降りて、エレベーターに向かっていた。その2人の後ろに黒いミニバンが停車し、中から出て来た3人の男がルーさんをミニバン内に引きずり込もうとした。ルーさんは必死に抵抗したものの、犯人の一人がスタンガンを用いて電気ショックを与え、ルーさんを車に押し込み現場から逃走した。
同地区を管轄するヨーク地区警察によると、ルーさんはトロント市内の学校に通う留学生だが、どの学校に通っているかは明らかにされていない。警察は中国総領事館と協力し捜査を進めている。
駐車場の防犯カメラからは、犯人グループはドライバーを含む4人組であることが分かっている。また犯行に使われたミニバンは、車いすの乗り入れを容易にする改造がなされた車で、車の側面に身障者マークのステッカーも貼られていた。ただ車に付けられていたナンバープレートは、盗難届が出ていたものに換えられていた。
警察は24日、誘拐時の服装のルーさんの写真と、防犯カメラに映っていた犯人らの画像を公開して市民からの情報提供を呼び掛けていた。警察では、何故ルーさんが誘拐されたのか、その理由を含め捜査を続けている。また一緒にいた女性は精神的に大きなショックを受けたものの、身体的危害は加えられなかったという。
ルーさんが住んでいる高層マンションの住人の一人は、入り口のゲートを開けるリモコンがなければ入れないはずの駐車場に、どうやって犯人が忍び込んだのか不可解だと取材に語っていた。
ヨーク地区警察からの連絡を受けて、中国にいるルーさんの家族はトロントに向かった。なおルーさんはレンジローバーのほかに、超高級車のランボルギーニやロールスロイスも運転していた。
2019年3月21日 第12号
ブリティッシュ・コロンビア州と米ワシントン州の間で微小な揺れが群発していると、地震学者が12日にソーシャルネットワーク上で明らかにした。
カナダ自然資源省の学者ジョン・キャシディさんによると、BC州バンクーバー島のビクトリアから、ワシントン州のシアトルまでの間で、その日の過去24時間に数百回の微小な揺れが観測されたという。この現象は、断層のずれが極めて遅いスピードで進行するスロー地震(Episodic Tremor and Slip - ETS)の可能性もあるという。単なる揺れの群発なのか、スロー地震なのかを確認するには何日かの観測の結果を待たなければならないと、キャシディさん。
スロー地震は体で感じられることはなく、従来の地震とは別物だとキャシディさんは説明する。この地域では大体14カ月から15カ月の周期でスロー地震が発生している。これはバンクーバー島から米カリフォルニア州北部まで続いている断層、カスケーディア沈み込み帯で緩やかな断層のすべりが発生することで誘発される。また、いったんスロー地震が発生すると、数週間活動が続くという。
2019年3月21日 第12号
予算庁長官兼デジタル政府大臣にジョイス・マレー議員が18日、就任した。ジャスティン・トルドー政権では初入閣。
マレー長官は、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー-クワドラ選挙区選出。BC州での議席獲得を狙うトルドー自由党にとって、バンクーバー選出のジョディ・ウィルソンレイボールド前司法長官の代わりとなる、今秋の選挙を控えたBC州に配慮した人事となった。
予算庁長官が空席となった背景には、現在トルドー政権を揺るがしているSNCラバランスキャンダルがある。SNCラバランを司法取引で不起訴にするようウィルソンレイボールド前司法長官にトルドー首相事務所が執拗な圧力をかけていることが明らかになり、ジェーン・フィルポット前予算庁長官がこの件に関する政権の対応に不信感が拭えないとして今月、辞任を表明。1月に就任して約2カ月で辞任した。フィルポット前予算庁長官の辞任は驚きをもって受け止められた。トルドー政権が2015年に発足して以降、重要閣僚を歴任し、首相や他の議員からの信頼も厚い。さらにウィルソンレイボールド前市長法官が辞任したばかりで、女性閣僚の相次ぐ辞任に国民のトルドー政権への信頼も揺らぎかねない。
マレー長官は、BC州議員から2008年に補欠選挙で連邦議員に当選。2011年に自由党が大敗した時でも、バンクーバーで議席を守った。2013年には党首選に立候補。この時、党首に就いたのがトルドー首相。2015年の自由党政権発足で閣僚入りすると思われていた。
マレー長官は、トルドー政権に比較的批判的な意見を公言している。自由党が公約していた選挙改革からの撤退や、政府のトランスマウンテン・パイプライン承認・買収を批判したことで知られている。
就任式後の記者会見でマレー長官は、自由党にとって「この数週間は厳しいものだった」との認識を示したが、党は一丸となっているし、自分がSNCスキャンダルで政権に不信感を持っていることはないと語った。