2019年3月28日 第13号

 ノルウェー沖を航行していたクルーズ船が悪天候に遭い、エンジンが停止し漂流する事件が起きた。

 故障したのは、同国のクルーズ船バイキング・スカイで、乗客と乗員合わせて1373人が乗船していた。同国北部のトロムセーから南部の都市スタバンゲルに向けて航行していた同船が大荒れの海に遭遇したのは、23日の午後のことだった。当時の波の高さは8メートルに及んだという。エンジンにトラブルが発生し停止、船は漂流を始めた。波で大揺れの船内には、窓や扉を押し開いて波が侵入、家具や乗客がホール内を流されるなどして、けが人も発生した。カナダ外務省によると、同船には15人のカナダ人が乗船していたが、そのうちの1人も負傷したとのこと。また現地領事館がカナダ人乗客と連絡を取っている。

 その後同船が錨を下ろし漂流を止めることに成功したのは、港町ベルゲンから北に350キロメートルほど北のフシュタッドビカ沖で、座礁の恐れがある岩礁からは、わずか100メートルしか離れていなかった。

 船長は緊急事態を宣言、救助要請を受けたノルウェー合同救助調整センターは5機のヘリコプターを派遣、空からの救助を開始した。夜を徹して行われた救出は翌日まで続き、479人の乗客が救出された。その後、船の4基あるエンジンのうち3基の再始動に成功したため、同船はタグボートの支援を受けながら近くの港町モルデに自力でたどり着き、残った乗客436人と乗務員458人が無事下船した。

 同船はベルゲンを出港後、ナルビク、アルタ、トロムセー、およびボーデなどに寄港、最後は英国テムズ川河口のティルベリーに向かう、12日間のクルーズ予定だった。

 

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