2019年5月30日 第22号

 サスカチワン州レジャイナ市の王立サスカチワン博物館で、世界最大のティラノサウルスの化石標本が一般公開された。

 25年以上前に化石が発見された時、関係者がスコッチウイスキーで世紀の偉業を乾杯したことから、『スコッティ』の愛称で呼ばれているこのティラノサウルスの化石は、全長13メートル、重さは8・8トンになるという。

 公開に当たりスコット・ムー・サスカチワン州知事は、この化石はワールドクラスの展示物でありレジャイナ市のみならずサスカチワン州、そしてカナダにとって素晴らしい財産になると確信しているとのコメントを発表している。

 化石が発見されたのは1990年代初頭だが、古生物学者らが砂岩の中に閉じ込められていた化石を全て発掘し、調査を終えるのに四半世紀の長さを要した。非常に硬い岩盤から発掘するために使われた削岩機やエアーハンマーは次々と壊れていき、屈強な男性がつるはしを打ちつけたところ、そのつるはしが曲がってしまったこともあったと、脊椎動物古生物学のキュレーターであり、レジャイナ大学で地質学を教えるティム・トカレク教授は、その苦労について語っていた。

 『スコッティ』の寿命は約30年だったと推定され、約6700万年前に地球上に生存していたティラノサウルスとしては、例外的に長寿だったと考えられている。そのため骨格に残った傷ー噛まれたあとや折れたあばら骨、あごに残った感染症の跡などーから、同じティラノサウルス間で繰り広げられた壮絶な戦いの様子もうかがえると、トカレク教授。また『スコッティ』の展示により、サスカチワン州は化石が埋もれていることで有名なだけではなく、古生物学界からも注目されるようになったと付け加えている。

 

2019年5月30日 第22号

 MLS(メジャーリーグサッカー)バンクーバー・ホワイトキャップスFCは25日、バンクーバーでFCダラスと対戦、2ー1と辛勝した。

 LGBTQコミュニティをサポートするプライドナイトとして開催されたこの日の試合、ホワイトキャップスは30分にDFアドナンが先制のゴールを決めると、40分にはMFヴェントが決め、前半で2ー0とリードした。後半に入り1点を返されたもののリードを守りきり、今季ホームでの3勝目を挙げた。

 これで15試合を終え、4勝6敗5分、勝ち点17。8位と勝ち点で並び9位となった。7位のFCダラスは勝ち点18。ようやくプレーオフ圏内の7位が見えてきた。

 5月は7試合と多く、ここまで6試合は3勝1敗2分けと勝ち越している。ようやくエンジンがかかってきたようだ。5月最終戦の次試合は、31日にホームでトロントFCをバンクーバーに迎える。

 

2019年5月30日 第22号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市の観光スポットのグランビル・アイランドで、これまで時間制限付きで無料だった駐車スペースが、ピーク時間帯には時間制の有料スペースとなる。

 同観光地を運営するカナダ・モーゲージ・アンド・ハウジング公社(CMHC)は、昨年10月にこの変更を発表、今年の夏より施行するとしていたが、このたび6月1日より実施すると発表した。

 グランビル・アイランドにはおよそ1200台分の駐車スペースがあり、現在はその6割が無料。また残りの4割の駐車スペースの料金は、午前7時から午後7時までの間が1時間あたり3・50ドルとなっている。これが6月1日以降は、全ての駐車スペースが同一料金で統一され、午前11時から午後6時までは1時間あたり3ドルとなる。なお、これは夏季料金(5月から9月)で、冬季料金(10月から4月)は1時間あたり2ドルとなる。また午後6時以降午前11時までは、無料となる。

 CMHCは、この変更により無料スペースを待ったり探したりする車による、不必要な渋滞の減少が期待できるとしている。

 

2019年5月30日 第22号

 大規模森林火災が町の近くに接近、避難命令も出されたアルバータ州北部にある人口3000人あまりの町ハイレベルで、危険と隣り合わせになりながらも、消火活動に従事している関係者のために営業を続けている店がある。

 今週初めの段階で1000平方キロメートル以上に成長した森林火災は、ハイレベルのわずか3キロメートルの地点まで接近していた。町と周辺地域の住民約5000人に対し20日に出された避難命令は、解除までにはまだ1週間以上かかるとみられている。

 そんな中、この町のコーヒーチェーン、ティムホートンズを両親とともに経営するジャレド・スナイダーさんは取材に対し、店を続けてほしいという関係者からの要望に、二つ返事で引き受けたと話している。従業員の数は10人に減らしたものの、多くのボランティアとともにメニューを一部制限しながらも通常どおり、年中無休24時間営業を続けている。

 また家庭の事情で退去命令に従い、店を休むようにスナイダーさんが申し渡した従業員たちも、できれば居残って店を手伝いたがっていたという。こうした地元愛と仕事に誇りを持った従業員たちを目の当たりにして、スナイダーさんはとても心を打たれたと語っている。

 また、地元のために踏みとどまっているのはティムホートンズだけではなかった。町役場森林課からの要請を受けた大型ホームセンター、ホームデポも消火活動を支援するため、営業を続けている。そのほか町中にある5つのホテルも、消火活動関係者のために宿泊施設を提供している。その中のひとつ、フラミンゴ・インはレストランも引き続きオープンしている。スタッフの1人ジャマイカ・マルツァロさんは、こうして消火活動を支援できるのはうれしいことだとして、営業停止の命令が出される最後の日まで営業を続けるつもりだと語っている。

 ガソリンスタンドのいくつかも、緊急車両のために営業を続けている。町の南端にあるコープのガソリンスタンドは、2週間前に導入したディーゼル発電機のおかげで、先週の初めに起こった停電でもガソリンを販売できた唯一のガソリンスタンドだった。経営者のウェイン・ノーズワージーさんもやはり、避難するよう直接命令されるその日まで、営業を続けると語っていた。

 またティムホートンズを営業し続けているスナイダーさんは、消火活動を支援するためにカナダ西部の各地から、消防だけではなく重機オペレーターやトラック運転手、水タンクローリー運転手など様々な人が集まってくるのを見て、ありがたく素晴らしいことだと感想を述べている。

 泥まみれになり、憔悴しきった表情で店を訪れる人たちにコーヒーやアイスカプチーノなどを、笑顔とちょっとした世間話で提供することで、少しでも元気づけてよい日を送ってもらえればと願っていると、スナイダーさんは話していた。

 

2019年5月30日 第22号

 鶏肉のブランド「リリデール」などで知られる、オンタリオ州マーカム市に本社を置く食品製造メーカーのソフィーナが24日、「コンプリメンツ(Compliments)」ブランドの冷凍食品をリコールした。

 対象となる商品は、907グラム入りの冷凍チキン・ストリップで、賞味期限が2019年11月24日のもの。サルモネラ菌に汚染されている可能性があり、食中毒の危険性があるという。全国で今月1日まで販売されていた。

 最近起きた食中毒の集団発生を調査していたカナダ公衆衛生局が、この商品が発生源だったことを突き止めたことから、今回のリコールとなった。対象商品をすでに購入している消費者は速やかに処分するか、購入した店舗に返品するよう、同衛生局では呼び掛けている。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。