2017年9月28日 第39号

 カナディアン・フットボール・リーグ(CFL)BCライオンズは22日、ホームBCプレースでハミルトン・タイガーキャッツと対戦した。東地区の下位チーム相手にホームで勝利し、最下位脱出を狙ったが、試合終了14秒前に逆転され、勝利をつかみ損ねた。

 試合は両チーム互角で、先制のタッチダウンはタイキャッツだったものの第1クオーターにはすぐにライオンズが逆転。その後も一進一退が続いた。そして第4クオーター。23−21ライオンズのリードで迎えた残り14秒で、タイキャッツがフィールドゴールのチャンス。しかし距離は50ヤード。この難しい距離を決めたタイキャッツが土壇場で逆転した。

 ライオンズは勝利目前で勝ち点2を逃し2連敗。最下位脱出もならなかった。次のホームゲームは10月7日(土)、オタワ・レッドブラックスと対戦する。

 

 

2017年9月28日 第39号

 ブリティッシュ・コロンビア州の、バンクーバーとウィスラーの中間にある人口1万7千人あまりの町スコーミッシュ。この町で自閉症やPTSD(心的外傷後ストレス障害)の人にリハビリを行っている、ケイナイン・バレー・リハビリテーション・センターのセラピードッグが、これを狼と間違えたハンターに射殺された。

 センター創立者のバレリア・カルデロニさんによると、事故が起こったのは18日朝のこと。いつもの月曜日と同じように、彼女は職員とともに10匹の犬を連れて市北部の森に散歩に出かけていたが、そのうちの一匹、カオルが至近距離から撃たれた。ちょうどカルデロニさんたちが犬に綱をつけている最中だったが、銃声のあまりの大きさに反射的に地面にしゃがみ込んだという。カルデロニさんと、撃たれた犬の距離はわずか3メートルだった。

 大量の血が流れ出すカオルに対し、静かに逝かせてやることしかできなかったと彼女は語っている。4歳になるカオルは、フィンランド原産のタマスカン種。そり引き用のこの犬は、シベリアン・ハスキーとアラスカン・マルミュート、さらにジャーマン・シェパードの掛け合わせ、狼によく似た犬種として開発された。

 鹿狩りの最中だったハンターはカオルを狼と勘違いし、そばにいた人が襲われる可能性があると思い発砲したと話しており、BC州自然保護局が捜査を開始した。事故が起こった場所は鹿狩りは許可されている国有地内だったが、その場所での狼猟は禁止されている。カルデロニさんは、このあたりには子供たちと一緒にハイキングによく来ると、取材に話している。彼女は以前から、子供たちが鹿狩りの現場に遭遇したり、誤って撃たれたりすることを危惧していた。

 カオルは感情セラピードッグとして、特に自閉症の子供たちを落ち着かせることに長けていた。興奮した子供たちがカオルに乱暴に接しても、彼女はトレーニングのとおりに床に寝そべり、子供たちが落ち着くのを待っていた。しばらくして落ち着きを取り戻した子供たちは、カオルにしっかりと抱きついていたという。

 自然保護局によると、この地域は鹿狩りが盛んな一方、犬の散歩やマウンテンバイク、ハイキングなどで人の往来も多いという。今回のカオルの事故は、猟のシーズンには目立つ恰好をすることが大事だということを、あらためて人々に知らしめたと語っている。またハンターに対しては、引き金を引く前に必ず、獲物が100パーセント間違いないか確認するよう念を押している。

 カオルの死を悼むだけではなく、その死に報いるためにも、カルデロニさんはこの地域での猟の禁止を訴えるキャンペーンを、オンライン上で展開するつもりだと取材に語っている。

 

 

2017年9月28日 第39号

 オンタリオ州トロントでは先週も日中の気温が25度を超える夏日が続いたが、市内のいくつかのマンションでは集中暖房が始まり、入居者があまりの暑さに苦情を訴えるほどになった。

 メディアが取材したのは、同市北部のヤング通りとセント・クレア・アベニューの交差点近くにあるマンションで、住人によると室内の温度は28度になったという。

 トロント市の条例は賃貸住宅のオーナーに対し、9月15日から6月21日までの期間は室内温度を21度以上に保つことを義務づけている。この条例に違反して罰金を科せられることを危惧したオーナーが、15日になったと同時に冷房を停止したことと、季節外れの陽気が重なり今回の事態を引き起こした。

 21日にはジョン・トーリー市長がこの件に関連し、特に冬場の入居者の快適性を考慮した条例の趣旨は維持しながらも、冷暖房の切り替え時期については、変化する気象条件に対応するべきだとの考えを表明。賃貸住宅のオーナーに対して、常識と適切な判断で冷暖房の切り替えを行うよう呼びかけ、可能ならば冷房を再開するよう求めていた。

 

 

2017年9月28日 第39号

 ノバスコシア州西端に近い町ウィモウス郊外の森で、大量のロブスターが廃棄されているのが見つかり、漁業海洋省が調査を進めている。

 ウィモウスがある第34ロブスター漁区域の漁期は11月の最後の月曜日から、翌年の5月末までと決められている。今は脱皮と繁殖の時期のため、ロブスター漁は控えなければならないと、地元漁師のジョディー・スミスさんは取材に説明している。

 廃棄されていた場所は地元で不法投棄が繰り返されている場所で、ロブスターの爪にはゴムバンドがかけられていた。また中には大きさが規定に満たない未熟なものや、メスが大量に混じっていたという。しかしロブスターの闇マーケットでは、違法なロブスターも取引されているという。ポンドあたり4ドルや5ドルでも、1日で500〜600匹を獲って取引に応じる密漁者はいたるところにいると、スミスさん。

 こうした密漁をなくすためには、当局がより効果的な取り締まりを行う必要があるとして、漁師らは海洋漁業省のビルの前でデモを繰り返すなどアピールを繰り返している。メディアの取材に対し同省は、森の中に投棄されたロブスターについて、どこで獲られたのかなど詳細を調査中だと答えている。

 

 

2017年9月21日 第38号

 ブリティッシュ・コロンビア州新民主党(NDP)政権は18日、政党献金を制限する法案を提出した。

 これまで無制限だった企業、組合、BC州外からの献金を禁止とし、個人献金も年間1200ドルを上限とすること、献金パーティーでは出席者一人当たり100ドルを上限とすることが盛り込まれた。

 さらに、第三者機関が政党や政治家の選挙広告のために集める献金についても上限を設け、広告は政策のみとするとしている。選挙活動費も約25パーセント削減する。

 政党献金改革については、NDPとグリーン党が今年5月に行われた選挙の公約として掲げていた。BC州前自由党政権時代は、企業、組合だけではなく、州内外を問わず海外からも献金を受け取っていた。あまりの無制限ぶりに、ニューヨーク・タイムズが今年1月に「ワイルド・ウエスト」として記事を紹介し、話題となった。

 BC自由党クリスティ・クラーク前州首相は、1人1万ドルの献金パーティーを開いたり、BC州以外でも献金パーティーを開催したりするなど、批判が高まっていた。

 その自由党は今年5月9日の選挙で過半数を獲得できず少数派政権となった。そして選挙後に少数派政権として再開した議会での開会の式辞に、自由党も、企業・組合からの献金を禁止し、個人献金上限5千ドルを盛り込んだ。

 しかし自由党政権はすぐに不信任決議され、7月NDP新政権が誕生。今回のNDPの政党献金改革は公約を実現したということになる。

 ビクトリア市で記者会見したデイビッド・イービー司法長官は、「この法案がNDP政権の政治から大金を排除するという公約を実現することになる」と述べ、BC州の選挙法に大きな変化をもたらすと語った。

 ジョン・ホーガン州首相は、「今回の法案で、今年の選挙が党の献金額が影響する最後の選挙となる」と語った。

 今回の法案では、今年5月の選挙までに集めた政党献金を次の選挙のために使用することも禁止している。これらの献金は他の目的には使用できる。

 政党献金については、すでに全国的に厳しい規制をする動きが活発になっている。今回のBC州の一人当たり年間1200ドルは最も厳しい規制の一つだが、ケベック州では年間一人100ドルとしている。また企業や組合からの献金禁止は、連邦政府、アルバータ州、マニトバ州、ノバスコシア州、オンタリオ州、ケベック州ですでに決定している。

 今回の改革で企業・組合献金禁止の公約は果たせるものの、一方で、献金として集められない分を税金で補うことも法案に盛り込まれている。2018年は有権者一人当たり2・5ドルと設定し、徐々に減額し2021年には1・75ドルとなる。獲得票数に応じて政党に支給される。今年5月の選挙を基に計算すると、NDP、自由党がともに、4年間で約680万ドル、グリーン党が280万ドルを受け取ることになる。

 今回の法案では、基本的には献金に関する劇的な変化への対応期間として税金を投入するとし、次の選挙以降も税金を投入するかどうかについては次の政権が検討するとしている。

 グリーン党も今回の法案を歓迎し、アンドリュー・ウィーバー党首はBC州の政治を変える歴史的一歩となると評価している。

 今後は議会で議論され決定する。現在のところ、少数派政権NDPがグリーン党の協力を得て、このまま可決するとみられている。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。