2017年9月21日 第38号

 連邦新民主党(NDP)党首選は17日、候補者による選挙活動を終え、18日から投票に入った。

 NDPは2015年10月の総選挙で議席を大きく減らし、それまでの野党第一党から転落。2016年4月の党大会でトム・マルケア党首交代を投票により決定し、今年に入りようやく本格的に党首選が開始した。

 同じく総選挙で大敗し、野党となった保守党もスティーブン・ハーパー前首相が党首を辞任し党首選を行っていたため、重なるのを避けるように遅れて党首選に入った。保守党は今年5月アンドリュー・シェア新党首が誕生した。

 NDP党首選に立候補しているのは4人。国会議員のオンタリオ州チャーリー・アンガス議員、マニトバ州ニッキー・アニストン議員、ケベック州ガイ・キャロン議員、それにオンタリオ州議会議員のジャグミート・シン議員。

 17日にはオンタリオ州ハミルトン市で最後の党首討論会を開催し、各候補は自分の主張を改めて主張した。

 アンガス議員は2004年に当選したベテランNDP国会議員。NDPの強みである草の根活動の結束を強調し、国会で自由党ジャスティン・トルドー党首と渡り合えるリーダーが必要と訴えた。

 唯一の女性候補アシュトン議員は、35歳という若さを武器に、これからはこの世代が最も選挙権を持つ世代であり、この世代に訴えかけていく政策が必要とチャイルドケア、高等教育無償化、環境問題への取り組みなどを重要視した。

 キャロン議員はケベック州で大敗したNDPに必要なのはケベック州での票を取り戻せるリーダーで、ケベック出身の自分ならできるとケベック州の重要性を主張した。

 唯一国会議員でないシン候補は、自身がシーク信者であるためにNDP内からも党首として不適切との声が特にケベック州で上がっているが、こういう時こそ進歩的な社会民主党として広く多様性を認める価値を共有すべきと語り、党首に選ばれたらまずはすぐに国会議員とはならずに全国を回って国民の声を聴きたいと語った。

 党員は郵送かオンラインで投票し、51パーセント以上を獲得した候補が党首に決定する。第1回投票の結果は10月1日トロントで発表される。過半数を超える候補がいない場合は、第2回投票へと続いていく。

 

 

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