2018年11月1日 第44号

 ノースウェスト準州の州都イエローナイフで昨年、禁止区域でドローンを飛行させ航空機を危険にさらした罪で、このドローンの操縦者に10月25日、罰金刑が下された。また、この男性はドローンの操縦を3年間禁止されることとなった。

 トウフィック・シャマス被告は2017年9月、無人飛行機の危険操縦の容疑で起訴された。イエローナイフ連邦警察(RCMP)は当初、市内や空港近くを飛び回るドローンに関する苦情を受けて捜査を開始、空港に着陸する寸前の旅客機にドローンを接近させるなどの危険操縦をしていたシャマス容疑者を逮捕した。

 ユーコン準州地方裁判所はシャマス被告に対し、同容疑に対する刑としては最大となる、3千ドルの罰金と向こう3年間のドローン操縦禁止の判決を下した。RCMPによると、ドローンの危険操縦に対する有罪判決としては初めてのものとのこと。またRCMPは、ドローンの操縦に際しては安全かつ航空法規を遵守する必要があることを認識するよう、呼びかけていた。

 

2018年11月1日 第44号

 ブリティッシュ・コロンビア州のローワーメインランドとバンクーバー島を結ぶBCフェリーに、近くで漁をしていた漁船の網が絡まり、この漁船が一時フェリーに引きずられる事故が発生した。

 事故が起きたのは10月24日午後5時前のこと。ローワーメインランド側のツワッセンフェリーターミナルを出発、バンクーバー島ナナイモのデュークフェリーターミナルに向かっていたのは、クィーン・オブ・アルバーニ(排水量6422トン)。デュークフェリーターミナルに近いエントランス島に差し掛かったところで、漁をしていた75隻ほどの漁船の間を減速しながら航行していたが、網の存在を知らせる標識がうまく海面に浮かんでいない漁網を見逃し、その上を通過してしまった。

 漁網はフェリーのスクリューに絡まり、事態に気づいたフェリーの乗組員は停船操作を行ったものの、慣性で進みつづけるフェリーに、漁船が引きずられる状態となった。フェリーの乗客が撮影した動画には、漁船の船尾から延びた漁網がピンと張り詰め、この漁船が後ろ向きに引きずられる様子が映されている。その後約10秒で漁網は切れ、漁船は停止した。BCフェリーによると、この事件によるけが人は出ていない模様。また漁業活動の必要性を認めながらも、漁船は設定されているフェリーの航路内では操業しないよう、求めていた。

 

2018年11月1日 第44号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーの病院で白血病と闘っている少女が10月23日、チャリティ団体が企画したサーカスを楽しんだ。

 2年前に急性骨髄性白血病と診断されたのは、今年3歳になったオーブリー・ヒルシェちゃん。オーブリーちゃんはバンクーバーのBC州小児病院に入院、この7カ月間は化学療法を続け骨髄移植も行った。

 そんな彼女の夢は、本物のサーカスを見ること。しかし年齢制限のため、彼女は実際に興行しているサーカスにはまだ入場できない。そこで、難病と闘う子供の夢を叶える活動をしている慈善団体メーク・ア・ウィッシュ財団が、彼女のためのサーカスを用意した。

 場所はノース・バンクーバー市の港にある、古い造船所を改造したイベント施設ザ・パイプ・ショップ。ここにマジシャンやジャグラー、曲芸師、またサーカスゲーム、フェイスペインティングなどが集まったほか、綿菓子、ホットドッグ、ポップコーンスタンドなども営業、1日だけのサーカス会場となった。

 オーブリーちゃんはピンクの妖精コスチュームでサーカス会場に登場。ピンクは彼女の大のお気に入りの色だ。また彼女は自分のためのサーカスではあるものの、それを多くの友達(主に入院後に知り合った友達)と一緒に楽しもうと、彼らも招待した。「みんなと楽しもうとするのは、うちの子のいつものことだ」と、彼女の父親アラン・ヒルシェさんは語っている。

 同財団のスチュワート・チェースさんは、願いは子供に生きる希望と強さ、そして喜びを与え、今回のサーカスはまさにそれを全て具現化したものだと、取材に答えていた。

 

2018年11月1日 第44号

 長距離バス大手のグレイハウンド・カナダが、カナダ西部での運行を10月末で終了すると発表したのは、7月のことだった。

 そしてその終了が近づいた10月末、そのルートのいくつかを引き継ぐバス会社が名乗りをあげた。そのうちのひとつライダー・エクスプレスは、サスカチワン州の州都レジャイナに本社を置く。同社は55人乗りのバス6台を用意し、そのうち2台をブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーとアルバータ州カルガリーのルートに、また1台をカルガリーとマニトバ州ウィニペグ間に投入、グレイハウンド・カナダの運行が終了する間際の10月29日から運行を開始した。

 しかし、その停留所に関してはぎりぎりまで調整が続けられ、経費削減のため都市中心部のバスターミナルではなく、交通の便がよいガスステーション(ハスキー)を停留所代わりに利用している。また運賃については、乗車率15〜20人程度で利益が出るよう設定されているというが、グレイハウンド時代に比べ安くなった路線もある。グレイハウンド・カナダが7月に路線廃止を発表した際、カナダ西部の路線は採算がとれないことが、その理由だとしていた。

 なお、グレイハウンド・カナダがカナダ西部で唯一運行を継続するのは、BC州バンクーバーと米ワシントン州シアトルを結ぶ路線。また同社は、昨年から州政府に撤退の申請をしていたBC州北部ルート(プリンスジョージ=プリンスルパート間)を、今年6月に終了している。

 ライダー・エクスプレスはレジャイナ市で過去1年半、15人乗りのフルサイズ・バンによる乗客運送業を行ってきていた。今回の長距離路線に投入されるバスには、飲料水のほかWiーFiやビデオ・エンターテイメントシステムが装備されている。さらに、以前グレイハウンド・カナダの運転手として同路線を走ってきた運転手何名かが、ライダー・エクスプレスに雇用され、これらの長距離バスを運転することとなった。

 

2018年10月25日 第43号

 オンタリオ州で22日に実施された地方選挙で、カナダ最大都市トロント市の市長には現職のジョン・トーリー氏(64)が再選した。

 得票率63パーセントと圧勝。唯一のライバルとされていたジェニファー・キースマート氏の24パーセントを圧倒しての再選となった。前回の2014年選挙では現在のオンタリオ州ダグ・フォード州首相との接戦を制した。

 今回は市長選では圧勝したが、市議会では反対派が多く、市議会との関係が市政を左右することになりそうだ。

 トロント市議選は、今年6月の進歩保守党(PC)フォード政権誕生で思わぬ事態に直面した。フォード州首相が7月に突然、市議の議席数を半減にすると発表。トロント市は8月に州政府を提訴したが、結局は州議会で半減が決定し、すでに選挙戦に入っていたにもかかわらず47議席だった前回選挙から25議席に削減された。

 トロント市以外で注目を浴びたのはブランプトン市の市長選挙。新人として立候補したのはオンタリオ州PC前党首パトリック・ブラウン氏だった。今年1月に過去の性的不適切行為で党首辞任に追い込まれ、その後PC党首選への立候補を試みたが、結局は出馬を諦めたという経緯がある。

 ところが今回の市長選で政界に復帰した。現職リンダ・ジェフリー前市長を破っての初当選。勝利宣言では、「私の政党はブランプトンの人々」と語り、オンタリオ州がブランプトンを羨ましいと思う時が来るだろうと語った。性的不適切行為についてブラウン氏は事実ではないと否定している。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。