2018年11月8日 第45号

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府は11月6日、州内のハイウェイ15カ所で最高制限速度を10キロ減速すると発表した。

 BC州運輸省が実施した調査で、4年前に自由党政権が制限速度を引き上げた時から事故発生率が上昇した個所について今回、減速を決めたという。

 BCクレア・トレヴェナ運輸相は「自由党政権が2014年に制限速度を引き上げて以降、重大事故の発生率が上がっている。制限速度を引き下げることで事故を減らし、BC州民の生命を守ることと道路を安全に走行できることを両立させる」と語った。

 今回の措置で約660キロメートルで制限速度が減速する。

 対象となっている中でも、120キロから110キロに減速するのは、ハイウェイ19パークスビル・キャンベルリバー間とハイウェイ97Cのアスペングローブ・ピーチランド間。

 メトロバンクーバー付近では、ハイウェイ99のホーシューベイ・スコーミッシュ間、ウィスラー・ペンバートン間が90キロから80キロに、スコーミッシュ・ウィスラー間が100キロから90キロに減速される。

 減速措置は即日に実行され、今週末までには339カ所の最高速度表示板の変更が終了する予定と発表している。

 

2018年11月8日 第45号

 カナダポストと労働組合(CUPW)の労使交渉が続く中、10月22日から始まったCUPWによるストライキは3週目に突入した。

 24時間交代制ストライキを継続しているCUPWは、5日にはアルバータ州のカルガリー、エドモントンなどの主要都市でストライキを実行、6日にはオンタリオ州、ケベック州でも実施、トロントでも再びストライキに入った。10月23日から2日間続いたストライキに続いて2回目となる。

 ストライキは労使交渉が合意に至るまで継続されるとみられ、CUPWはストライキの期間中は郵便の集配が通常より遅れると発表している。

 ストライキについては、カナダポストのウェブサイトに最新情報が随時掲載されている。

 

2018年11月8日 第45号

 カナディアン・フットボール・リーグ(CFL)のレギュラーシーズンが今季最終戦を迎えた。ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーをホームとするBCライオンズは、11月3日BCプレースでカルガリー・スタンピーダーズとの最終戦となった。

 すでにプレーオフ進出を決めている両チームだが、スタンピーダーズは西地区首位がかかった試合。一方、ライオンズはブオノ監督の監督して最後のホーム試合と、どちらにとっても負けられない一戦となった。

 しかし試合はスタンピーダーズの一方的な展開で、ライオンズは後半に1タッチダウンを決めるのがやっと。結局9‐26でスタンピーダーズが勝利した。

 今季限りで引退することを発表していたブオノ監督にとってバンクーバーでの最終戦となったこの日の試合は、監督への感謝を示す演出が多く用意されていた。ハーフタイムには、家族や元チームメートなどが監督を囲んで、CFLへの貢献に感謝の気持ちを示すセレモニーが行われた。

 試合後、ブオノ監督はホーム最終戦を白星で飾れなかったことについて、「試合以外のところで選手の気が散ることが行われていたから」と苦笑い。選手たちを責めることはなかった。

 チームは11日、ハミルトンでタイガーキャッツと東地区準決勝を戦う。まだまだシーズンが終わったわけではない。有終の美を飾れるチャンスは残っている。

 

後半から出場しライオンズにホーム今季最後のタッチダウンをもたらしたQBジェニングス(左)(Photo by Preston Yip)

 

2018年11月8日 第45号

 第一次大戦で、カナダ軍4個師団が1万人を超える死傷者を出しながらも勝利を収めた、カナダ史上最も重要な出来事の一つである、1917年のビミー・リッジの戦い。

 この北フランスの丘での戦闘で生き残ったレスリー・ミラー中尉は、その記念として、戦場に落ちていた樫の木の実(どんぐり)を持ち帰り、故郷のオンタリオ州スカボロー市の農場に植えた。

 新世界に根を下ろした樫の木は、今でも10本が同じ場所で成長している。そして今度は、この樫の木を故郷であるビミー・リッジに送り返すプロジェクトが実現しようとしている。ビミー・リッジは、その時の砲撃の激しさから全面焼け野原となり、現在では樫の木は生息していない。

 カナダでこの『ビミー樫』を見守ってきた非営利団体ビミー・オークス・レガシーが、2000年台半ばからこの企画を進めてきていた。2015年に『ビミー樫』の若芽が、別の樫の木に接ぎ木され、同州南部の町ダンダスの種苗園で育成されている。そして、この樫の木はビミー・リッジ頂上に建つ記念碑カナディアン・ナショナル・ビミー・メモリアルに隣接する、新しい公園に移植される。

 この広さ1・6ヘクタールの公園は、ビミー財団によって造られ、終戦記念日であるリメンバランス・デーを目前に控えた9日、開園式が行われる予定。公園は、戦闘に参加した4つのカナダ師団を象徴するように、4重の同心円の植樹がなされるほか、丘の頂上にそびえるモニュメントに向かって一直線に延びる遊歩道がデザインされている。

 

2018年11月8日 第45号

 アルバータ州エドモントン市の北西にある、人口6万5千人ほどの都市セント・アルバートのコンドミニアムで、住人の母子家庭に人種差別的な文面の脅迫状が届いた。その内容から身の危険を感じた親子は、このコンドミニアムから引っ越すことを決めた。

 脅迫文を受け取ったのは、カトリーナ・アンダーソンさんと、その3人の子供たち。学校から帰ってきた12歳になる娘が、郵便受けに投函されていた脅迫状を発見、すぐさまカトリーナさんに「血の気が引いた。こんなことを書く人がいるなんて信じられない」とメッセージを送った。

 手紙は『最も望まれない、憎まれている隣人へ』という書き出しで始まっている。そしてアンダーソン一家が、その子供たちがいつもドライブウェイでローラーブレードやスクーターを乗り回しているために、コンドミニアムの住人全体から憎まれていると指摘。さらにフットボールやバスケットボールをやっている時は、アンダーソンさんの子供らの大きな叫び声がどこからでも聞こえるとも。また、アンダーソンさん一家が引っ越してくる前はかけなかった鍵を今では寝る前にするようになったと、まるでアンダーソンさん一家が治安の悪化を招いたような書き方をしていた。

 その上で、この苦情はコンドミニアムの組合会合で取り上げられ、アンダーソンさんが借りている部屋のオーナーに伝えられることになると警告、ここは先住民居留区ではない、自分たちの居留区に戻るか、さもなければ身の危険が差し迫るだろうと、脅すような文句で結ばれていた。

 この手紙が届いて以来、アンダーソンさん一家は外へ出歩かず、学校の送り迎えはすべて車ですることにした。彼女はこの件を警察に通報、警察も捜査に乗り出した。またコンドミニアムの住民もこのニュースを知って以来、アンダーソンさんの支援を申し出ているほか、エドモントン市市長も、これは尋常ではないとして、市としての対応を考えていると表明している。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。