2018年11月15日 第46号

 ブリティッシュ・コロンビア州ローワーメインランドでは、注文から1時間以内で酒類を宅配するサービスが開始された。

 この宅配サービスは、同地域のリカーデポとリカーバーンが、酒類宅配専門業者ドリズリー(Drizly)とタイアップして行う。店頭価格と同じ金額の酒類を、ドリズリーのウェブサイトから20ドル以上注文すれば、一律4ドル99セントで自宅へ宅配してくれる。

 

2018年11月8日 第45号

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバーで日本人留学生古川夏好さん(30)が殺害された事件で、11月2日、BC州最高裁判所はウィリアム・ビクター・シュナイダー被告(51)に第2級殺人について、14年間仮釈放なしの終身刑を言い渡した。10月19日に陪審員が有罪を評決し終身刑は決定した。この日、検察側は17年仮釈放なしを求めていたが弁護側は10年が妥当と争っていた。10月15日に本人が認めた死体遺棄については、3・5年が言い渡された。

 シュナイダー被告はこの日、古川さんの母親に対して「苦しみを与えて申し訳ない」と謝罪の言葉を述べたとCBCが報道した。しかし、殺人に対しての謝罪はなかったと伝えている。

 2016年9月8日に行方不明になった語学留学のためにバンクーバーに滞在していた古川さんは同月28日に、バンクーバー・ダウンタウンの空き家で遺体で発見された。30日にはシュナイダー被告が同州バーノン市で逮捕された。

 今年9月24日から裁判が開始、10月19日に陪審員が評決し、この日、刑が確定した。

 

遺体発見場所であるGabiolaマンションに供えられた花(写真提供 古川惠美子さん)

 

2018年11月8日 第45号

 ニューブランズウィック(NB)州自由党ブライアン・ガラント州首相が2日、辞任を発表した。

 10月23日に議会開会の式辞を行った自由党政権だったが、9月24日に実施された選挙では議席数で進歩保守党(PC)より2議席少ない少数派政権となっていた。選挙結果では、最多議席数を獲得したのがPCで22議席、次いで自由党20、グリーン党3、人民同盟(PA)3となり、過半数を超えた党はなかった。

 そのため、前政権だった自由党が副総督に報告する際に、他党との協力を視野に入れながら次期政権を担う用意をするということで議席数が少ないにもかかわらず引き続き政権を担当。しかしこの日、PAがPCとの協力に回ったため、25対23で不信任が決定し、辞任を発表した。同日に副総督に報告し、PCによる少数派政権を推薦した。

 ガラント州首相は記者会見で、この4年間で州をまとめることができなかったと悔やんだ。自由党が今年の選挙で勝利できなかった理由の一つに、フランス語圏と英語圏、北と南と、州が分断したことが挙げられている。NBは英仏両語を公用語とする州。どちらか片方だけの支持では選挙に勝てない。

 一方で、次期州首相となるPCブレイン・ヒグス党首はフランス語が得意ではない。この日早速PC政権発足に向け記者会見したヒグス党首が、フランス語について聞かれると「特に問題ない」との認識を示した。

 PCだけでは過半数に届かないため、政権運営については今回PCとともに不信任に回ったPAが連立は組まずに非公式に協力する。クリス・オースティン党首は政策ごとの判断になると語っている。

 これでようやく9月の選挙に一応の決着がついた。ガラント州首相は今後、野党党首として議員を続けるかについては明言を避けた。

 

2018年11月8日 第45号

 ブリティッシュ・コロンビア州メトロバンクーバーで11月5日、続々と新市長が就任した。バンクーバーの顔がガラリと代わった先月の地方選挙。この日バンクーバー市ではケネディ・ステュワート市長が正式に誕生した。

 同日には早速記者会見し、バンクーバーの抱える問題について取り組み、バンクーバーがこうした問題に革新的なアプローチで解決していけるところを世界へアピールするチャンスにしたいと抱負を語った。

 選挙争点だった住宅問題以外にも、生活費の上昇、貧富の差、薬物中毒死亡者の増加など抱える問題は多い。

 1日にはバンクーバーを訪問中だったジャスティン・トルドー首相と会談。バンクーバーの置かれた状況と問題を話し合い、連邦政府からの支援が必要と訴えたと語った。特に、不動産の高騰や薬物中毒の問題、さらにすでに連邦政府が支援を表明している公共交通機関の充実などを話し合ったとステュワート市長は語った。

 また注目のサレー市でも5日、ダグ・マッカラム市長が誕生。6日には選挙公約としていたサレー市警設立とLRTに代わるスカイトレインの建設に向け動議を可決した。

 マッカラム市長は選挙戦で、現在サレー市の治安を担っている連邦警察(RCMP)に代わり、市独自の警察を設立することを公約に掲げていた。サレー市では治安維持が常に選挙での争点で、今回も例外ではない。近年特に発砲事件などが相次いでいる。

 また公共交通機関では、連邦政府の支援がすでに決まっているLRTではなく、スカイトレインの延長を目指すと公約。費用が約10億ドルさらに必要になるが問題ないだろうと楽観的な見方を示している。

 トルドー首相は1日にマッカラム市長とも会談。連邦自由党は公共交通機関の重要性を理解していると一定の理解を示している。

 

2018年11月8日 第45号

 アメリカのノースカロライナに本社を置くホームセンターチェーン店ロウズ・カンパニーが11月5日、アメリカ、カナダを合わせて51の店舗や倉庫を閉鎖すると発表した。

 カナダでは27店舗、倉庫2カ所、事務所2カ所の31カ所が閉鎖する。ロウズは2016年にケベック州に本社を置くホームセンターチェーンのロナを買収。今回閉鎖される店舗のほとんどがロナ系列となっている。

 閉鎖されるのはオンタリオ州9カ所、ケベック州9カ所、ニューファンドランド・ラブラドール州が6カ所。ブリティッシュ・コロンビア州では、ニューウェストミンスター市のロナと、カムループ市にある倉庫の2カ所、アルバータ州でカルガリー市のレノ-ディーポとロナのコールセンターの2カ所が閉鎖する。来年1月末までに実施される。

 ロウズは現在、カナダにロウズ系列68店、ロナ系列430店を展開。その他にもレノ-ディーポ、ディクス・ランバーなどを展開している。カナダの拠点はケベック州。

 今回の閉鎖について事業の見直しを迫られているための対策と説明。ライバル企業のホーム・ディーポやカナディアン・タイヤ、総合小売店のコストコ、ウォールマートなどとの競争の激化が背景にあると専門家は分析している。

 今回の閉鎖でどれくらいの従業員に影響があるのかについては、現在のところは発表されていない。ロウズのカナダでの従業員数は約2万8千人と発表されている。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。