2018年11月8日 第45号

 アルバータ州エドモントン市の北西にある、人口6万5千人ほどの都市セント・アルバートのコンドミニアムで、住人の母子家庭に人種差別的な文面の脅迫状が届いた。その内容から身の危険を感じた親子は、このコンドミニアムから引っ越すことを決めた。

 脅迫文を受け取ったのは、カトリーナ・アンダーソンさんと、その3人の子供たち。学校から帰ってきた12歳になる娘が、郵便受けに投函されていた脅迫状を発見、すぐさまカトリーナさんに「血の気が引いた。こんなことを書く人がいるなんて信じられない」とメッセージを送った。

 手紙は『最も望まれない、憎まれている隣人へ』という書き出しで始まっている。そしてアンダーソン一家が、その子供たちがいつもドライブウェイでローラーブレードやスクーターを乗り回しているために、コンドミニアムの住人全体から憎まれていると指摘。さらにフットボールやバスケットボールをやっている時は、アンダーソンさんの子供らの大きな叫び声がどこからでも聞こえるとも。また、アンダーソンさん一家が引っ越してくる前はかけなかった鍵を今では寝る前にするようになったと、まるでアンダーソンさん一家が治安の悪化を招いたような書き方をしていた。

 その上で、この苦情はコンドミニアムの組合会合で取り上げられ、アンダーソンさんが借りている部屋のオーナーに伝えられることになると警告、ここは先住民居留区ではない、自分たちの居留区に戻るか、さもなければ身の危険が差し迫るだろうと、脅すような文句で結ばれていた。

 この手紙が届いて以来、アンダーソンさん一家は外へ出歩かず、学校の送り迎えはすべて車ですることにした。彼女はこの件を警察に通報、警察も捜査に乗り出した。またコンドミニアムの住民もこのニュースを知って以来、アンダーソンさんの支援を申し出ているほか、エドモントン市市長も、これは尋常ではないとして、市としての対応を考えていると表明している。

 

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