2019年5月2日 第18号
京都・宇治で江戸時代末期より茶の栽培を続けている老舗、播磨園製茶の最高級抹茶を使用したソフトクリームを提供することで人気を集めたハワイの抹茶スイーツ専門店『プレミアム抹茶カフェ舞妓』が、カナダ初上陸を果たした。
2016年に米ハワイ・ワイキキで第1号店を立ち上げて以来、アイスを乗せるワッフルコーンまでを自家製にするなど、その良質な味が人気を博し、米西海岸を中心に店舗を増やしてきた。また昨年4月には東京有楽町に日本第1号店をオープンさせている。
カナダでの記念すべき第一号店は、ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市の中心部、サバ・ロード沿いのマンションの一階にオープンした。上品な抹茶味のソフトクリームが同店の売りだが、中でもソフトクリームを金箔で覆った『将軍(Golden Shogun)』は、ほかでは見ることのできない注目の一品だ。
2019年5月2日 第18号
ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市の日本食レストランが、そのメニューに餅ドーナツを追加した。ドーナツ自身は日本の大手ドーナツ・チェーンでも人気のドーナツ、ポン・デ・リングのスタイルだが、素材が餅となっている。またカラフルなトッピングが施されており、インスタ映えする商品となっている。
この自家製餅ドーナツを提供しているアサカ・ラーメンのオーナー、キャシー・タンさんは取材に対し、昔、台湾や日本で食べた餅ドーナツが忘れられなく、ラーメン店をオープンさせたのをきっかけに、餅ドーナツづくりに挑戦したと話している。
特にフードブロガーがこの餅ドーナツを取り上げて以来、多くの人が買い求めるようになったという。ただ手作りのため、平日は午後3時以降、週末は午後1時以降の販売開始となる。
2019年4月25日 第17号
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が、カナダが送ってきたゴミを来週中に引き取らなければ「宣戦布告する」と23日発言した。
フィリピンのメディアによると、2013年、14年にカナダからフィリピンに運ばれた約100個のコンテナに汚れた大人向けおむつや台所のゴミ、新聞、ビニール袋などのゴミが詰め込まれていたという。
本来ならフィリピンで処理されるリサイクル可能なプラスチックゴミが運ばれているはずだった。ゴミを送ったのはカナダの民間業者だったという。
ドゥテルテ大統領は、カナダが引き取らなければ自分で送りつけると語り、「船を用意したいと思っている。これはカナダに対しての警告だ。もしカナダが引き取らないのであれば、おそらく来週にも、私がカナダに送り返し、カナダでゴミをひっくり返すだろう」と、フィリピンで発生した地震関連の記者会見の時に語ったと伝えている。
カナディアンプレスによると、カナダ政府はフィリピンでゴミの処理をしてくれるようこの6年間説得しているという。フィリピンの裁判所は2016年にゴミをカナダに返還するよう判決を言い渡している。
ブリティッシュ・コロンビア州の弁護士によれば、この件についてはカナダが国際法違反をしていると言う。国際法では有害性の強いゴミを先進国が発展途上国に許可なく送るのは禁じられていると指摘している。
トルドー自由党政権もこの問題は認識済みで、環境・気候変動省がフィリピン政府と協力して問題解決に取り組んでいるとの声明をCBCが伝えている。
2019年4月25日 第17号
自由党政権アマルジート・ソーヒ天然資源相は18日、トランスマウンテン・パイプライン拡張工事計画についての決定を6月18日まで延期すると発表した。当初の予定では5月22日に計画を続行するか中止するかの決定を発表する予定だった。
トランスマウンテン・パイプライン拡張工事計画についてはこれまで複雑な経緯をたどっている。アルバータ州エドモントン近郊からブリティッシュ・コロンビア(BC)州バーナビー市までの既存パイプラインに並列してパイプラインを建設し、アルバータ州のオイルサンド輸送量を増加し、アジアへと市場を拡大することが目的の工事。
しかし輸送量が一日89万バレルと現在の3倍となることから、バンクーバー近郊を航行するタンカー数が月5本から30本に増加する。
ジャスティン・トルドー首相が同計画を承認したのは2016年秋。その後2017年にBC州でパイプライン建設反対を訴えるグリーン党との協力体制を取る新民主党(NDP)政権が誕生した。タンカー増加に伴う事故でのオイル漏れの危険性やバンクーバー近郊に生息する海洋生物特にオルカへの影響が大きくなるとして、同計画に反対していた環境活動家や先住民族、バンクーバー市、バーナビー市に加え、BC州政府が反対に回り、2018年1月に連邦政府の計画取り消しを模索する政策を発表した。
これによりすでに始まっていた工事が滞ることになり、パイプラインを所有するキンダーモーガン社からの圧力で連邦政府が45億ドルでパイプライン買収を発表。一時はパイプライン計画が進むかに見えたが、同年8月に裁判所が環境問題対策と先住民族への説明が不足と工事の停止を言い渡した。
そのため連邦政府は、同計画を承認したカナダエネルギー委員会(NEB)に再調査を命じ、今年2月22日に同委員会が環境への危険性を指摘しながらも経済的効果が高いことから新たな条件を提示して承認した。
カナダ政府はそれから90日以内に同計画を続行するか中止するかを発表することになっていた。その期限が5月22日だった。
ソーヒ天然資源相は関係する先住民族と話し合いが続いているため、「政府はこれまで発表してきたとおり、計画に対する決定は先住民族との話し合いが満足いくものとなって以降に行う」と声明で発表した。
これに対し、先週の選挙で大勝し次期アルバータ州首相に就任することが決まった連合進歩保守党ジェイソン・ケニー党首は、トルドー首相とこの件で話したとテレビインタビューで語り、3度ふりだしに戻るよりは、話し合いで解決して全国的にトランスマウンテンや他のパイプライン建設への同意を得ることが必要と政府の決定延期に理解を示した。
2019年4月25日 第17号
プリンスエドワード島(PEI)州選挙は23日に投開票が行われ、過半数には届かなかったものの進歩保守党(PC)が最多議席数を獲得し政権交代を実現する。野党第一党は大躍進したグリーン党で、政権4期目を目指した自由党は野党第二党に沈んだ。新民主党(NDP)は議席を獲得できなかった。
今回のPEI選挙は、投票前の世論調査ではグリーン党が支持率でリードし、カナダ初のグリーン党政権誕生かと注目されていた。
党首討論では4党の党首がお互いの意見を尊重し合うなど、クリーンな選挙でも注目。先週行われたアルバータ州選挙が連合進歩保守党(UCP)と新民主党(NDP)の泥沼選挙だっただけに、対照的な選挙戦も話題となった。
選挙結果は、27議席中PCが12、グリーンが8、自由党6。グリーンが前回の2議席から躍進し、自由党はウェイド・マクラークラン党首自身も落選、多数派政権となった前回の16議席から大幅に減らした。
PCデニス・キング党首は勝利宣言で「新しいPEIにようこそ」と述べ、州民は我々に協力して政治に臨むことを求めたと野党と協力しながら新しいPEIをつくっていくと約束した。キング党首は2カ月前に党首に就任したばかり。「興奮していると同時に怖さも感じている」と本音を語り「ここまで長かった」と述べた。
グリーン党ピーター・ビーヴァンベイカー党首は、「島民は私たちに史上最高の議席を与えてくれた。グリーン党としてカナダで最高議席数を獲得した」と興奮を隠しきれずに語った。しかしスピーチの冒頭では先週カヤック事故で死亡したグリーン党候補者ジョシュ・アンダーヘイ氏に思いを馳せ、「私はこれまでこれほど喜びと悲しみが同時に胸に押し寄せてくる経験をしたことがない」と声を詰まらせる場面もあった。
PEI選挙管理委員会は、死亡事故を受け、アンダーヘイ氏が立候補していた選挙区での投票を急きょ中止すると発表。今回の選挙では27選挙区中26選挙区で投票が実施され、3カ月以内に残り1選挙区での補欠選挙を実施する予定となっている。
今回の選挙では同時に選挙制度変更の是非を問う住民投票も実施された。現在の小選挙区から比例代表を取り入れた選挙へと移行するかを問うもので、現時点では僅差ながら移行しないがリードしている。