2019年4月25日 第17号
ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーで、かつては大麻合法化を求める抗議活動として行われていた、野外マリファナパーティー。その開催日が4月20日であることから、420パーティーと呼ばれてきた同活動はしかし、昨年10月に娯楽用大麻が合法化されたにもかかわらず、今年もバンクーバー市中心街そばのサンセット・ビーチ公園で、何千人もの大麻愛好者が参加した大規模なマリファナパーティーを開催した。
翌日に同公園を散歩していた住民はメディアの取材に対し、芝のダメージは昨年ほどひどくはないようだと語っていたが、同公園を管理するバンクーバー公園委員会のスチュワート・マキノンさんは清掃と養生のために、少なくとも7月1日までは閉鎖する必要があると説明している。
今年はパーティー企画団体が、プラスチック製パネルを芝の上に敷くなどして、ダメージを抑えようとしたが、マキノンさんによるとその効果は限定的で、芝へのエアレーションや水やり、追加の種まきが必要だという。ここ数年、同公園が繰り返しマリファナパーティーの会場として使われ酷使されてきたため、芝生はこれ以上の負荷に耐えられないと訴える。
市による清掃は、パーティーが終わったその夜、日付が変わった午前1時から始まった。パーティーのボランティアが拾い集めたものの、その場に置き去りにされたままの大量のごみ袋の回収が市職員によって行われたが、マキノンさんは市民の税金がこんなことには使われるべきでないと指摘、清掃会社を頼まなかったパーティー運営団体を非難している。
これに対し運営団体は、市や公園委員会が払った費用については、支払う用意があると取材に答えている。またパーティー終了後の清掃にも多大な努力を払ったと主張していた。しかし現地を取材したレポーターは、芝生の上に大麻入りグミが落ちているのを発見している。見た目は子供用グミと全く変わらないため、見つけた子供が何の疑いもなく口に入れる危険性もある。
バンクーバー市警察によると、パーティー中に救急隊員が処置した件数は23件で、10件が過剰摂取によるものだった。8人が病院に搬送されたものの、目立った事件は発生しなかった。
合法化後、このパーティーはメッセージを伝える集会ではなく、単なるトレードショーになってきているように見え、来年も開催されるのであれば、公園ではなく然るべき場所に移るべきだと、マキノンさんは語っていた。