2019年4月25日 第17号
アルバータ州バンフ国立公園で21日、行方が分からなくなっていた登山家3人ーアメリカのジェス・ロスケリーさん(36歳)、オーストリアのデビッド・ラマさん(28歳)とハンスユルグ・アウアーさん(35歳)ーが、遺体で発見された。
3人は世界的に知られた登山家で、同公園の標高3295メートルのハウズ・ピーク東壁を登はん中だったが、予定を過ぎても帰還しなかったため、17日に捜索願が出されていた。
捜索に当たったカナダ公園局の山岳安全隊が上空から捜索したところ、付近にいくつもの雪崩の跡と、散乱した登山用品などを発見した。また雪崩の規模は、小さな建造物を押しつぶすぐらいの勢いがある、サイズ3だったとみられている。
遺体が見つかったのは21日のことで、同隊は3人の遺族や友人など関係者に哀悼の意を捧げるとともに、3人の死が国際登山コミュニティに与えるインパクトの大きさに言及するコメントを発表した。
またオーストリアのセバスチャン・クルツ首相は、ラマさんとアウアーさんは、いくつもの偉業で近年の国際登山界を形作ってきたとコメントしている。
ラマさんは2012年、南米アンデス山脈の中でも最も難易度が高いといわれている山セロトーレのコンプレッサー・ルート岸壁のフリークライミングに初めて成功したことで知られている。この快挙はドキュメンタリー映画『Cerro Torre ー A Snowball's Chance in Hell. (邦題『クライマー パタゴニアの彼方へ』)』として2013年に公開された。
アウアーさんは2007年、イタリアのマルモラーダ山登頂を、南壁からの単独フリークライミングで挑戦、成功した最初の登山家。またロスケリーさんは2003年に世界最高峰エベレスト登頂に成功、アメリカ人としては最年少の快挙となった。