2019年4月25日 第17号

 プリンスエドワード島(PEI)州選挙は23日に投開票が行われ、過半数には届かなかったものの進歩保守党(PC)が最多議席数を獲得し政権交代を実現する。野党第一党は大躍進したグリーン党で、政権4期目を目指した自由党は野党第二党に沈んだ。新民主党(NDP)は議席を獲得できなかった。

 今回のPEI選挙は、投票前の世論調査ではグリーン党が支持率でリードし、カナダ初のグリーン党政権誕生かと注目されていた。

 党首討論では4党の党首がお互いの意見を尊重し合うなど、クリーンな選挙でも注目。先週行われたアルバータ州選挙が連合進歩保守党(UCP)と新民主党(NDP)の泥沼選挙だっただけに、対照的な選挙戦も話題となった。

 選挙結果は、27議席中PCが12、グリーンが8、自由党6。グリーンが前回の2議席から躍進し、自由党はウェイド・マクラークラン党首自身も落選、多数派政権となった前回の16議席から大幅に減らした。

 PCデニス・キング党首は勝利宣言で「新しいPEIにようこそ」と述べ、州民は我々に協力して政治に臨むことを求めたと野党と協力しながら新しいPEIをつくっていくと約束した。キング党首は2カ月前に党首に就任したばかり。「興奮していると同時に怖さも感じている」と本音を語り「ここまで長かった」と述べた。

 グリーン党ピーター・ビーヴァンベイカー党首は、「島民は私たちに史上最高の議席を与えてくれた。グリーン党としてカナダで最高議席数を獲得した」と興奮を隠しきれずに語った。しかしスピーチの冒頭では先週カヤック事故で死亡したグリーン党候補者ジョシュ・アンダーヘイ氏に思いを馳せ、「私はこれまでこれほど喜びと悲しみが同時に胸に押し寄せてくる経験をしたことがない」と声を詰まらせる場面もあった。

 PEI選挙管理委員会は、死亡事故を受け、アンダーヘイ氏が立候補していた選挙区での投票を急きょ中止すると発表。今回の選挙では27選挙区中26選挙区で投票が実施され、3カ月以内に残り1選挙区での補欠選挙を実施する予定となっている。

 今回の選挙では同時に選挙制度変更の是非を問う住民投票も実施された。現在の小選挙区から比例代表を取り入れた選挙へと移行するかを問うもので、現時点では僅差ながら移行しないがリードしている。

 

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