2019年4月25日 第17号
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が、カナダが送ってきたゴミを来週中に引き取らなければ「宣戦布告する」と23日発言した。
フィリピンのメディアによると、2013年、14年にカナダからフィリピンに運ばれた約100個のコンテナに汚れた大人向けおむつや台所のゴミ、新聞、ビニール袋などのゴミが詰め込まれていたという。
本来ならフィリピンで処理されるリサイクル可能なプラスチックゴミが運ばれているはずだった。ゴミを送ったのはカナダの民間業者だったという。
ドゥテルテ大統領は、カナダが引き取らなければ自分で送りつけると語り、「船を用意したいと思っている。これはカナダに対しての警告だ。もしカナダが引き取らないのであれば、おそらく来週にも、私がカナダに送り返し、カナダでゴミをひっくり返すだろう」と、フィリピンで発生した地震関連の記者会見の時に語ったと伝えている。
カナディアンプレスによると、カナダ政府はフィリピンでゴミの処理をしてくれるようこの6年間説得しているという。フィリピンの裁判所は2016年にゴミをカナダに返還するよう判決を言い渡している。
ブリティッシュ・コロンビア州の弁護士によれば、この件についてはカナダが国際法違反をしていると言う。国際法では有害性の強いゴミを先進国が発展途上国に許可なく送るのは禁じられていると指摘している。
トルドー自由党政権もこの問題は認識済みで、環境・気候変動省がフィリピン政府と協力して問題解決に取り組んでいるとの声明をCBCが伝えている。