2019年4月25日 第17号

 バンクーバー・ホワイトキャップスFCは17日、BCプレースでMLS西カンファレンス首位ロサンゼルス・フットボールクラブと対戦した。

 3月の開幕からホワイトキャップスはまだ1勝もしていない。ここまで引き分け2試合がやっとだった。この日もボール支配率では圧倒的に押されていたものの、27分、ホワイトキャップスFWジロ(#94)が放ったシュートが右ポールに当たって跳ね返ってきたところをMFインボム(#4)が左足ボレーシュートを決めて先取点。これを最後まで守りきり、1-0で今季初勝利をあげた。

 マーク・ドスサントス監督にとっては昨年アシスタントコーチをしていた古巣相手にホワイトキャップス初勝利。うれしい白星となった。

 ところが、この日の試合で決勝点となるゴールを見逃したグループがいる。チーム創設当初から応援する応援団サウスサイダーズたちだ。応援団はこの日前半の観戦をボイコットすると発表。理由は今年4月に発覚したホワイトキャップス兼U20カナダ代表元コーチによる女子チーム選手への性的嫌がらせに対するチームの対応に納得がいかないというものだった。

 嫌がらせ行為は2007年、08年にあったと元選手12人が告発。メディア報道によると2008年にホワイトキャップスとカナダサッカー協会は、このコーチとひそかに契約を解除したという。その後、この人物はメトロバンクーバーのサッカークラブでコーチを続け、告発を受け停職となったと伝えている。サウスサイダーズの代表は告発を聞いた時は驚いたと語り、起こった出来事もそうだが対処の仕方にも疑問が残ると説明した。サウスサイダーズのメンバーは、現在の選手たちに責任はないとして後半は席に戻って応援している。

 告発者たちは、改めてこれらの年に起こった出来事についての調査とホワイトキャップスと協会にはハラスメント防止策の徹底を要求している。ホワイトキャップスは声明でバンクーバー市警に相談していると説明した。

 

試合後、今季初勝利にガッツポーズを見せるこの日のMan of the Matchアドナン(#53)(Photo by Preston Yip)

 

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