2017年6月8日 第23号

 バンクーバーの住宅価格が急上昇を始めた。グレーターバンクーバー不動産協会は2日、5月のメトロバンクーバーの住宅価格が前月比で2・8パーセント、前年同月比で8・8パーセント上昇したと発表。ベンチマーク価格は96万7500ドルだった。

 販売数は前月比では22・8パーセント上昇、ただ前年同月比では8・5パーセント減少した。2016年春の不動産は今年とは全く状況が違っていた。販売も価格も記録的なペースで上昇。特に一軒家の需要が高かった。

 しかし昨年8月2日、ブリティッシュ・コロンビア州自由党政権は、海外購入者税15パーセントを導入。カナダ市民権、永住権を持たない人が住宅を購入する場合に適用された。海外から投資目的のために購入し、価格がつり上がっているとの懸念から導入された。これ以降、住宅販売数は減少していた。特に一軒家に顕著で、現在需要はタウンハウスやコンドミニアムに移っている。

 しかし、5月になって再び不動産が活発になり始めた。きっかけは、先月の選挙結果ではないかと全国紙グローブ&メールは伝えている。5月9日の選挙では、クリスティ・クラーク自由党が少数派で政権を維持したものの、新民主党(NDP)とグリーン党が協力に合意したことを発表。この2党の重要な選挙公約には住宅価格の適正化が含まれている。グリーン党の支持を受けたNDP政権が誕生する可能性が高くなっている現時点で、住宅価格の適正化対策が導入される前に売買しようという動きではないか、との専門家の意見を同紙では伝えている。

 

 

2017年6月8日 第23号

 ブリティッシュ・コロンビア州選挙管理委員会は1日、5月9日に実施されたBC州議会議員選挙の投票率が登録有権者の61・5パーセントだったと発表した。

 この数字は最近では2005年の62・36パーセント以来の高い数字。前回2013年選挙では57・1パーセントだった。

 この選挙では、1953年以来の少数派政権誕生という歴史的な結果となった。議席数では自由党が43議席と最も多かったが、新民主党(NDP)が41議席、グリーン党が3議席を獲得。最も議席数が少ないグリーン党がカギを握る構図となった。

 選挙の最終結果が出た5月24日から1週間後には、NDPとグリーン党が協力することで合意。5月9日の選挙の結果は、いまだBC州の政治がどうなるか予測できない状況が続いている。

 

 

2017年6月8日 第23号

 ケベック州モントリオールのホームレス支援団体が、職業訓練として養蜂を取り入れている。

 場所は、この団体アキュエイユ・ボヌー(Accueil Bonneau)のオフィスがあるビルの屋上。養蜂プログラムが始まったのは2014年のことで、ほんのいくつかの巣箱からの出発だった。それが今では約5万匹のハチを飼育、同じような養蜂場が市内7カ所に開設されるまでになった。

 また季節に応じ、異なったトレーニングが提供されている。春には地元養蜂企業の指導のもと、巣箱の清掃とハチの健康状態のチェックを行う。夏の終わりには蜂蜜を採取、小売りも行う。このプログラムのウェブサイトによると、地元で採取され低温殺菌を行っていない、この蜂蜜は、微かなミントと花の香りがするという。

 売上はすべて、団体のシェルター運営資金に回される。しかし、こうした直接的な利益のほかにも、このプログラムは環境的に多くの利点をもたらす。市内を飛び回るハチは、住宅の庭など緑地の植物の受粉を助けるほか、多くの都市部で顕著になってきているハチの減少を補うことにもなる。

 また、養蜂はハチに対して非常にデリケートな取扱いが要求される上に、決まった手順にしっかり従う必要があり、トレーニング受講者に対して手順と責任感を教える機会にもなると、同団体では説明している。

 

 

2017年6月8日 第23号

 メジャーリーグサッカー(MLS)バンクーバー・ホワイトキャップスFCは3日、BCプレースでアトランタ・ユナイテッドFCと対戦し、3ー1で快勝した。

 今季からMLSに参加したアトランタ相手に、試合開始早々に先取点を奪われたが、31分、44分には、この日もキャプテン腕章を付けたDFワストン(#4)がゴールを決めて逆転。後半にはFWモンテロ(#12)がダメ押しゴールで突き放した。ワストンは今季初ゴール。

 これでホワイトキャップスは、6勝6敗1分、勝ち点19で西カンファレンス5位に浮上。次は6月19日、ホームでFCダラスを迎える。

 

 

2017年6月8日 第23号

 ブリティッシュ・コロンビア州の山あい、アルバータ州との州境に近いクートネイ国立公園を走る高速道路で、クマにエサを与えていたとしてドライバーが公園管理局に検挙された。

 場所は、ラジウム・ホット・スプリングの東、高速93号線(バンフ=ウィンダミア・ハイウェイ)のマッケイ・オペレーション・センターからコッブ・レイク・トレイルヘッドまでの約11キロメートルの区間に設けられた『ノンストップ・ゾーン(no-stopping zone)』内。この規制は、クマなどの野生動物と人間の不必要な接触を避ける目的で、公園管理局が季節に応じて設定している。今年は5月29日に設定されたが、その直後の検挙だった。

 また、オリーブ湖のデイ・ユース・サイトと、高速道路の南に向かう下り車線に併設されたブレーキ点検エリアも閉鎖され、商用車以外の停車が禁止されている。

 今回のドライバーは、道路脇に現れたクマにフライドポテトを与えていたと、公園管理局のタニア・ピーターズさんは取材に答えている。野生動物の行動パターンを変えるのは容易でないため、公園や高速道路の利用客をいかに教育するかが私たちの役目だとピーターズさん。ほとんどの人はノンストップ・ゾーンの規制に従っているが、局の係官が注意しなければならないケースも度々起こっているという。もしも注意に従わない、または、危険が伴うような極端なケースでは、係官が当事者を検挙することができる。

 この地域のノンストップ・ゾーンは2014年に初めて導入された。オリーブ湖のそばにグリズリーの親子が出現し、それを見ようと一時停止するドライバーらのために、あたりの道路状況が極端に混雑したことが、その理由だった。以降、野生動物の出現状況に応じて、この規制が設定されるようになった。

 昨年は文書による警告4件と、2件の罰金刑が言い渡されている。今回のフライドポテトの件では、法廷で有罪判決が出された場合、最高で2万5千ドルの罰金となる。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。