2018年4月26日 第17号

 連邦自由党フランシス・ドロウイン議員がセクハラの容疑で訴えられ、現在警察が捜査していることが22日分かった。

 事件が起きたのは21日のノバスコシア州ハリファックスのバーだったという。自由党は21日から2日間、ハリファックスで党大会を開催。MeToo運動から発展し、二度とセクハラを許さない仕事環境をどう作っていくかということもテーマの一つとなっていた。ここにはドロウイン議員も参加している。

 自由党は今回の件に関して同議員が調べを受けていることを明らかにした。しかし除名処分にはしていないという。

 同議員は24日、21日の件について声明を発表。女性が他の男性と間違って自分を犯人と指摘したもので、自分がやったのではないと詳細な説明をして釈明した。

 同氏は、オンタリオ州グレンガリー-プレスコット-ラッセル選挙区選出議員。21日のセクハラのセッションではステージでパネルディスカッションにも参加していた。

 自由党では今年1月、アルバータ州のケント・ヘア議員がセクハラで訴えられた。同議員はスポーツ・障害者大臣を辞任したが自由党に止まっている。

 

 

2018年4月26日 第17号

 ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)が、大学構内乗り入れのためのスカイトレイン延長に資金提供する意思があることを19日、発表した。

 メトロバンクーバーでは現在、公共交通機関の充実が急速に進んでいる。なかでも列車の拡張は都市拡大に必須で、メトロバンクーバーの公共交通機関を管轄するトランスリンク社、州政府、メトロバンクーバー各都市が連携して資金確保を進めている。

 現在計画が進行しているのは、サレー市のライトレイルトランジットとバンクーバー市のミレニアムライン延長。

 今回のUBCの提案は、現在バンクーバー・コミュニティ・カレッジ(VCC)で止まっているミレニアムラインをアビュータスまで延長する計画を、そこからUBCキャンパスまで延ばし、その部分についてUBCが資金を提供するというもの。

 スカイトレイン・ミレニアムラインは、当初の計画ではコマーシャルステーションからUBCまで延長する予定になっていた。しかし当時のUBCが資金提供を拒んだことやさまざまな理由から延長区間をアビュータスまでにとどめることに決まった。

 今回のUBCの発表についてトランスリンク社は、UBCの決定には関心があるとしながらも、当面はアビュータスまでの延長計画を実行することに専念すると語り、ただ将来的にはUBCへの延長は検討されるだろうと語った。

 現在の計画ではアビュータスまでの延長は2025年に完成予定で、UBCはそれから3年後の2028年にはUBCまでの延長を完成させたいとしている。

 

 

2018年4月26日 第17号

 イギリス連邦首脳会議のため18日からイギリスを訪問していたジャスティン・トルドー首相に環境保護活動団体グリーンピースが抗議デモを行った。

 トルドー首相がトランスマウンテン・パイプライン拡張工事を承認したことに対する抗議デモで、ロンドンのカナダ大使館前に大きなパイプラインのレプリカが設置された。

 また大使館の建物外観の柱2本に大きく「クルドーオイル」と書いた垂れ幕を設置。「クルードオイル」と呼ばれるオイルサンドの名称をトルドー首相の名前ともじったものだ。

 グリーンピース・イギリス代表は、タールサンドは地球上で最も汚れた化石燃料で石炭よりも悪い。パイプライン建設を承認しておいて、トルドーが世界の環境対策リーダーと自身を呼ぶなんてお笑い草でしかないと語った。パリ協定を軽視しているとしか思えないとも非難した。

 

 

2018年4月26日 第17号

 G7外相会議が22日から24日まで開かれていたオンタリオ州トロント市の北部で23日、ワゴン車が歩道を暴走、歩行者らを次々とはねる事件が発生した。トロント市警察によると10人が死亡、15人がけがを負ったという。

 事件が発生したのは午後1時30分ごろ、トロント市北部のノースヨーク地区。南北に走るヤング通りとフィンチ・アベニューの交差点の南側から、レンタカー会社の白いワゴン車が歩道に乗り上げ、ヤング通りを南向きに約1・6キロメートルにわたり暴走、通報を受け現場に急行した警察が停止させるまで通行人を次々とはねていった。

 事件発生時、ヤング通りを車で南下していたヘンリー・ヤンさんは、大きな衝撃音とともにワゴン車が歩道に乗り上げ、新聞ボックスや消火栓をなぎ倒しながら暴走しているのを目撃した。ワゴン車と同方向だったヤンさんは、そのままワゴン車の後を追いかけるように車道を走っていった。そのスピードは50キロメートル以上、おそらく70キロ近かったのではないかと、彼は取材に話している。

 歩道を歩いている人の多くは南向きでワゴン車の接近に気付かなかったため、ヤンさんはクラクションを鳴らすとともに、窓から通行人に向かって逃げるよう叫び続けたという。その間にも、歩道の上を蛇行するワゴン車にはねられた人が何人も空中を舞うのを、助手席の妻と目の当たりにすることになったヤンさん、「全く信じられない光景だった」と取材に語っている。

 このワゴン車を運転していたアレク・ミナシアン容疑者(25歳)は、警察に身柄を拘束された。犯行の動機については警察が調査中だが、ラルフ・グッデイル公安・非常時対応準備大臣は、国家の安全保障に関わるような情報は得られていないと説明していた。

 

 

2018年4月26日 第17号

 アルバータ州カルガリーの保育園で3年前、乳児が死亡した事件について、この保育園の経営者が、乳児をチャイルドシートにくくりつけたまま5時間放置していたことを、公判で告白した。

 2015年11月にエルマリー・シモンズ容疑者(59歳)が経営していた保育園で死亡したのは、生後18カ月になるシーラ・マクグラスちゃん。事故当時シモンズ容疑者は、その日のシーラちゃんはぐずってばかりで昼寝をしなかったため、チャイルドシートにくくりつけておいたと証言していた。

 そしてシーラちゃんは意識を失い、二度と目を覚まさなかったと、その時の様子を語っていた。また彼女は、チャイルドシートに乳児をくくりつけることをやめるよう、カナダ小児科学会がアドバイスしていたことは当時知らなかったと述べている。なお彼女の保育園は無認可保育園だった。

 事故後、シーラちゃんの両親は、健康だった彼女が寝ている間にどうして突然死亡したのか、多くの疑問が解決されずにいるとメディアに訴えていた。また、事故当日いっしょに保育園にいたシーラちゃんの双子の弟コルビー君は、シーラちゃんが突然いなくなったことをいまだに受け入れられいでいると語っている。

 そして16日、業務上過失致死容疑に対する公判が10日間の予定で開始された直後、シモンズ容疑者は当時の様子を告白、容疑を認めた。

 シモンズ容疑者の告白によるとその日、シーラちゃんを保育園に残したまま外出して用事を済ませるため、シーラちゃんをチャイルドシートにくくりつけようとした。しかしチャイルドシートは彼女には小さすぎ、足を固定するベルトは届かなかったため、胸のベルトだけを締め、チャイルドシートごとクローゼットの中に隠した。その後外出してウォルマートやマクドナルドに立ち寄っていたシモンズ容疑者は、約5時間後に帰宅。ところが帰宅後にシーラちゃんの様子を確認したのは、さらに何時間か経ってからだった。シモンズ容疑者がようやくシーラちゃんに気づいた時には、彼女の意識はなかった。死因は胸の圧迫による窒息死だった。

 公判後、法廷から出てきた父親のライアン・マクグラスさんはメディアに向かって「自分たちが信用していた人物なのに、どうして人としてこんなことができたのか」と、この証言にショックを隠しきれないでいた。一方、証言からは弟のコルビー君はシーラちゃんの死を目撃していなかったことになり、その点は胸を撫で下ろしていると語る一方、ではその日コルビー君は一体どこにいたのかと、新たな疑問を呈していた。

 

 

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これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。