2018年4月26日 第17号
G7外相会議が22日から24日まで開かれていたオンタリオ州トロント市の北部で23日、ワゴン車が歩道を暴走、歩行者らを次々とはねる事件が発生した。トロント市警察によると10人が死亡、15人がけがを負ったという。
事件が発生したのは午後1時30分ごろ、トロント市北部のノースヨーク地区。南北に走るヤング通りとフィンチ・アベニューの交差点の南側から、レンタカー会社の白いワゴン車が歩道に乗り上げ、ヤング通りを南向きに約1・6キロメートルにわたり暴走、通報を受け現場に急行した警察が停止させるまで通行人を次々とはねていった。
事件発生時、ヤング通りを車で南下していたヘンリー・ヤンさんは、大きな衝撃音とともにワゴン車が歩道に乗り上げ、新聞ボックスや消火栓をなぎ倒しながら暴走しているのを目撃した。ワゴン車と同方向だったヤンさんは、そのままワゴン車の後を追いかけるように車道を走っていった。そのスピードは50キロメートル以上、おそらく70キロ近かったのではないかと、彼は取材に話している。
歩道を歩いている人の多くは南向きでワゴン車の接近に気付かなかったため、ヤンさんはクラクションを鳴らすとともに、窓から通行人に向かって逃げるよう叫び続けたという。その間にも、歩道の上を蛇行するワゴン車にはねられた人が何人も空中を舞うのを、助手席の妻と目の当たりにすることになったヤンさん、「全く信じられない光景だった」と取材に語っている。
このワゴン車を運転していたアレク・ミナシアン容疑者(25歳)は、警察に身柄を拘束された。犯行の動機については警察が調査中だが、ラルフ・グッデイル公安・非常時対応準備大臣は、国家の安全保障に関わるような情報は得られていないと説明していた。