2018年4月26日 第17号

 2017年1月、アルバータ州エドモントン市で起きたアパート火災で、逃げ遅れた住民の救出に活躍したレストラン経営者が、今度は自分自身が窮地に立たされている。

 リザ・カスクチョグルさんが経営していたピザとトルコ料理の店は、火災が起こったアパートの道向かいにある。あの日、燃えているアパートに飛び込んだカスクチョグルさんは、7階に取り残されていた体の不自由な女性を担ぎ出した後、再び中に戻り3人を連れ出し、その命を救った。

 ところがその後、カスクチョグルさんは背中に激しい痛みを感じるようになり医師の診察を受けたところ、脳に腫瘍ができていることがわかった。昨年12月に手術を行い、その切除には成功したものの運動神経とバランス感覚に障害が残り、認識能力にも影響が出た。

 手術後1カ月は療養のため店を閉めたものの、これが彼の唯一の収入源であるため、1月には店を再開せざるを得なかった。同市のトルコ人コミュニティがそのための資金集めにも協力してくれたものの、長時間立ちっぱなしの作業はカスクチョグルさんには負担が大きすぎた。

 結局彼は店の売却を決定。友人らはコミュニティに、彼に適した仕事がないか協力を求めている。

 

 

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