2018年4月19日 第16号

 バンクーバーで毎年恒例となったマリファナイベント。今年も20日に予定通り行われることが17日分かった。

 このマリファナイベントは、元々はバンクーバー市ダウンタウンにあるバンクーバー・アート・ギャラリーの広場で開催されていた。しかし、この場所が改築工事に入ったため、2016年からダウンタウン南西のサンセットビーチで開催されている。

 ビーチを管轄するバンクーバー市公園庁は、市の禁煙法に違反し、利用者に悪影響を与え、費用も掛かるとして、この場所での開催を歓迎していない。昨年のイベントで市が負担した額は24万5379ドル。昨年は、サンセットビーチとアート・ギャラリーの2カ所で開催され、ビーチで17万5ドル、ギャラリー前で7万5374ドル。主な内訳は、市警・消防員の動員、公園の整備清掃、交通規制など。昨年は参加者が過去最高の約3万5千人となったと警察が発表している。

 イベント主催者によると、市の許可を得ずに開催するが許可を得るために努力している、その方が公式イベントとして認識されるので、主催する側としても好ましいと説明している。来年以降のイベントでは、市と合意できる場所を探したいとも語っている。

 

 

2018年4月19日 第16号

 カナダ銀行は18日、金利を現行の1・25パーセントのまま据え置くと発表した。

 スティーブン・ポロズ総裁は、最低時給の引き上げやガソリン価格の上昇などによって短期的にインフレ率が上昇しているが、中期的には2パーセントにとどまると予測されると理由を語った。また住宅価格の適正化がみられることや貿易の不透明さが残ることも据え置きとした理由にあげている。

 ただ今後、カナダ経済は好調さを維持することが予想されることから、金利を引き上げる可能性が高いことを示唆した。その場合も、緩やかな引き上げになるだろうと語っている。

 

 

2018年4月19日 第16号

 コンカカフ(北中米カリブ海サッカー連盟)主催チャンピオンズ・リーグ2018の決勝第1戦が17日、オンタリオ州トロント市のBMOフィールドで行われた。

 決勝で対戦したのはカナダ代表のトロントFCとメキシコ代表のチーバス・グアダラハラ。ホーム&アウェーで優勝したチームが、FIFAクラブワールドカップへの出場権を手にする。これまでカナダチームがチャンピオンズ・リーグに優勝したことはなく、2005年以降のクラブワールドカップにMLSチームが出場したこともない。そういう意味では、今回のトロントにはカナダ代表としてではなく、MLS代表としての期待もかかっている。

 前評判ではトロント有利といわれていた。しかし、試合開始早々にチーバスに先取点を許した。それでもトロントもすぐにMFオソリオがゴールを決め同点に。第2戦で有利に戦うためにホームでどうしても負けられないトロントは、後半に入り積極的な攻撃をするものの、72分に追加点を許し1ー2とされた。

 結局、試合はそのまま終了。トロントは痛い星を落とした。第2戦は4月25日にメキシコで行われる。

 

 

2018年4月19日 第16号

 サスカチワン州内で起きた自動車事故で、事故車を査定し廃車処分を決定した保険会社が、その後決定を覆し修理可能とした。しかしこのピックアップトラックの所有者である同州サスカツーン市に住むカップルは、本人の許可なく修理が行われたうえ、修理後も安全性に問題があるとして、サスカチワン州政府傘下の保険会社(Saskatchewan Government Insurance, SGI)の対応を非難している。

 クリス・スクリーブンさんのピックアップトラックは、SGIの査定で3万6千ドル以上の修理費がかかるとされ、廃車処分とされた。しかし車はその後、SGI指定の修理工場に持ち込まれ再査定を受けた。そこで修理可能と判断され実際に修理が行われたが、スクリーブンさんがメディアに語ったところによると、このいきさつは彼には伝えられていなかった。

 「SGIから最初の廃車決定の知らせを受けてから約2カ月して、突然会社から『車の修理が完了した』という連絡が入った」と話すスクリーブンさん。車の修理は所有者の承諾なしでは行えない規則になっており、彼は何かがおかしいとすぐに感じたという。

 車を引き取ったスクリーブンさんは、これをSGIなどとは関係ない整備士のところへ持ち込み、検査を依頼した。その結果、フレームのゆがみなどから9千ドル相当の修理がさらに必要ということが明らかになった。さらに構造的に不安定で、長距離ドライブには用いないようコメントされた。

 スクリーブンさんとパートナーは、不完全な修理を行った修理工場とSGIに、この問題を解決するよう求めてきたが進展はなく、弁護士を雇うなど法的手段の準備を進めている。

 メディアの取材に対しSGIは、個別の件についてのコメントは差し控えながらも、修理工場での修理作業は『業界標準にのっとったもの』だったと説明している。その上で、こうしたことはまれだが、会社としてスクリーブンさんとのコミュニケーションをうまく取れなかったと話している。またSGIが廃車処分としたスクリーブンさんの車が持ち込まれた修理工場で、SGIの査定より6千ドル安く修理できると見積もられたことを明らかにしている。

 この一件がメディアで取り上げられた後、SGIはスクリーブンさんのケースを再査定することに合意、廃車処分にするか、追加修理や今までにかかった法的費用のために2万1500ドルを支払う用意があると、スクリーブンさんらに申し出た。

 

 

2018年4月19日 第16号

 第二次世界大戦でイギリス空軍の主力爆撃機だったアブロ・ランカスター。戦中戦後を通じカナダでも製造され、カナダ空軍も1963年まで運用してきた。そのうちの一機が1964年、トロント市に寄贈され、中心部海岸沿いのコロネーション公園に野外展示されていた。

 しかし風雨にさらされたことから機体の腐食や傷みが進み、また雨水・下水処理の一環となる沈殿トンネル(ウェスタン・ビーチ・ストレージ・トンネル)建設のため、1999年には当時ダウンズビュー公園に新設されたトロント航空博物館に移管され、復元作業が始まった。

 しかしその後の作業は順調とは言えなかった。同航空博物館は資金繰りの問題から2012年、アブロ・ランカスターをはじめとするコレクションを収蔵していたハンガーを明け渡さなければならなくなる。この事態を受けトロント市は再び同機の所有者となり、その復元作業を続けてきた。

 現在、多くのボランティアによって作業が行われているのは、トロント市から北に100キロメートルほどにある町、ステイナー。しかし作業は遅々として進まず、ついにはこの機体をブリティッシュ・コロンビア州ビクトリア空港内にある、BC州航空博物館に譲渡する計画が進められてきた。

 これに対し、これまで復元に関わってきた空軍の元パイロットや整備士、また歴史家らが「このアブロ・ランカスターはトロント市の歴史と文化遺産であり、金銭で語られるような問題ではない」と、トロント市に機体を手放さないよう求める陳情を行ってきた。そして同市経済開発委員会は13日、復元を担当する部署に対し、復元費用捻出方法の調査と、少なくとも次の委員会で論議される7月までの間、譲渡計画を保留する動議を可決した。

 一方、同委員会に出席していたBC州航空博物館のジョン・ルイス館長は、同館はアブロ・ランカスターをステイナーからビクトリアまで搬送する費用も賄えると発言。さらに同機復元に必要な技術も有しているが、復元を専門に行う企業ビクトリア・エア・メンテナンス社と共同で作業を行い、飛行可能な状態に仕上げる自信があると語っていた。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。