2018年4月12日 第15号

 オンタリオ州進歩保守党(PC)は9日、同党キッチナー-コネストガ選挙区マイケル・ハリス議員を除名処分としたことを明らかにした。

 党議長リサ・トンプソン氏の声明によると、同党は6日にハリス議員によるインターンへのセクハラ行為の証拠を受け取ったため、6月の選挙にPCとしての立候補を許可しないこと、党を除名処分とすることを決定したという。

 党に提示された証拠には、2013年に女性が提出した被害届と、同時期に女性が同議員から受け取っていた不適切なテキストメッセージが含まれていたと説明。トンプソン氏はその日のうちに同議員にこの件について話を聞き、本人から正式な被害届は出されなかったとの説明を受けたとも説明している。

 ダグ・フォード党首はこの件について金曜日の夜に知らされ、土曜日の早朝に選挙対策委員会がハリス議員の立候補資格を取り消す処分を下したと声明文で説明した。「職場での不適切な行為に対して党は一切を許さない」と党の立場を改めて強調した。

 PC党は、1月に女性2人が全国ネット放送局CTVでパトリック・ブラウン前党首からの性的不適切行為を告白し、党首辞任に追い込まれたばかり。そのため、党首選を実施しフォード新党首が誕生したという経緯がある。

 オンタリオ州自由党、新民主党(NDP)は、党がいつからこの事実を把握していたのか、今回の処分でフォード党首がどのような役割を果たしたのか時間経過と共に説明する義務があると批判している。

 ハリス議員は、この件が明らかにされる数日前には目の病気の治療ために次期選挙への出馬は見送ることを明かしていた。今回の件で、6年前の出来事だが、「あれは間違った行為だった」として女性に対して謝罪する声明文を発表。党や支援者にも迷惑をかけたことを謝罪した。ハリス議員は2011年に当選。野党では運輸問題を担当していた。

 これを受けて、妻のセーラ・ハリス氏が6月の選挙でハリス議員の選挙区に立候補の意思があることを地元紙のインタビューで語っている。

 

 

2018年4月12日 第15号

 トランスマウンテン・パイプライン拡張工事を手掛けているキンダーモーガン社が8日、工事の一時停止を発表した。事業の撤退も視野に入れ、今後の事業展開を再検討するという。

 同社は声明を発表し、「工事を始めたプロジェクトだが、不安定な状況が事業の完成を不確かにしている現状で、このまま工事を進め、自分たちでコントロールできない状況に多額の資金をつぎ込むという危険を冒すと、同社の価値を損なうとの判断に達した」と説明した。

 現在は初期工事段階で本格的な工事は始まっていない。キンダーモーガン社は関係者と話し合い5月31日までに結論を出すと通告した。今後も工事を続行するとの結論に達するには、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州での工事が支障なく進められること、キンダーモーガン社の株主が適正に保護されることを条件とすると発表している。

 トランスマウンテン・パイプライン拡張工事についてはBC州でのターミナルとなるバーナビー市の工事現場やバンクーバーで大規模な反対デモが行われるなど、メトロバンクーバーで反対派の抗議活動が続いている。

 ジャスティン・トルドー首相は5日に訪問した同州ビクトリアで「パイプライン建設は国の事業であり、必ず完成する」と、記者会見でこれまで通りの発言を繰り返した。また6日にはアルバータ州フォートマクマレーのオイルサンド工場を訪問し、改めてパイプラインの建設を約束した。

 しかし8日のキンダーモーガン社の発表を受け、10日に閣僚緊急会議を設置。会議後に何らかの発表があるとの見方が広がったが、会見に臨んだジム・カー天然資源相とキャサリン・マッケナ環境相は、「パイプラインは国の事業であり確実に完成する」とこれまでの発言を繰り返すにとどまり、2分ほどで記者会見を切り上げた。

 反対派は今回の発表をパイプライン建設の終わりの始まりと歓迎しているが、今後も反対運動に手を緩める気はないと最後まで戦う姿勢を見せている。

 

 

2018年4月12日 第15号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーに住むB・J・マクヒューさんは90歳になったが、今でもフルマラソンに参加する現役だ。

 それどころかこれまでに、数々の世界記録も樹立している。最近では昨年12月、第45回ホノルルマラソンを、90歳以上部門のそれまでの記録を2時間も短縮する、6時間47分31秒で完走した。

 90歳ともなるとタイムも伸びないし、大会に参加するのはもういいと語るマクヒューさんが、マラソンを始めたのは50代後半からだった。かつて、娘のジェニファーさんを、水泳トレーニングのためバンクーバー中心部のプールまで送り迎えしていた頃、待っている間の時間つぶしに、とスタンレーパークのシーウォール遊歩道を散歩していたのがきっかけだった。やがて散歩がランニングになり、その気分爽快さから、あっというまにやみつきになってしまった。

 そしてマラソン大会に出場するようになったマクヒューさんに、世界各地の大会から招待がかかるようになった。2009年のローマ大会では、世界トップクラスの招待選手に混じって、先頭集団でスタートを切った。以来ロンドン、ボストン、ニューヨーク、シカゴのほか、カリフォルニア州のビッグ・シューア大会など20以上のフルマラソン大会に出場、そのうちのいくつかでは女性85歳ー89歳部門や総合82歳ー88歳部門などで新記録を樹立している。

 そんなマクヒューさんには4人の子供と4人の孫がいるが、彼らの多くもマクヒューさんと一緒にマラソンを楽しんでいる。そして、かつてプールに送り迎えをしていた娘のジェニファーさんは、カナダの水泳選手として、ミュンヘンオリンピックに出場している。

 昨年90歳という大台を迎えたマクヒューさんだが、「結局、90という数字に過ぎない。走っていると世界がバラ色になる」と語り、これまで通りだと取材に語っている。もちろん、この歳で走りつづけることは容易ではないが、マクヒューさんはいつも「これが最後のマラソンになる、あとはもうない」と自分に言い聞かせているという。こうして目標を定めた後は、それを固く心に保ち完走することを目指していると、取材に話していた。

 

 

2018年4月12日 第15号

 オンタリオ州トロントのガーディナー美術館で開催されているオノ・ヨーコさんの展覧会から、彼女の直筆の言葉が書かれた石が盗まれた。

 オノ・ヨーコさんはイギリスのロックバンド、ザ・ビートルズで主にボーカルとギターを担当していたジョン・レノンさんの妻で、アーティスト。同美術館での展覧会でオノさんは、作品と観覧者がインタラクティブな関係を持てるような作品を展示していた。

 盗まれた石には『自身を愛せ(love yourself)』と書かれた、手のひら程度の大きさの扁平でなめらかな石で、芸術的価値は1万7500米ドルとされている。展示会場の床に、河原を模して敷き詰められた石のひとつだった。入場者は自由に石を拾い上げ、一つ一つに書かれているオノさんからのメッセージを読めるようになっていた。

 通常、美術館ではこういう展示方式をとらないが、オノさんは入場者の良識を信じていたのだろうと、警察では話している。防犯カメラに映った容疑者の女性は、年齢55歳〜60歳ぐらいで身長162センチ(5フィート4インチ)程度。黒いコートを着用し、黒のストライプが入った赤いスカーフに黒いスラックス、黒い靴を履き黒い帽子をかぶっている。

 警察では、この女性に心当たりのある人からの情報を呼びかけている。

 

 

2018年4月12日 第15号

 カナダ保健省は3月26日、電気ショックや発火の恐れがあるとして、USB充電器27種類をリコールした。

 対象となる製品は、カナダの電気用品安全法に準拠していなかったり、適切に認可されていなかった。これらの製品は1ドルショップや様々な小売店で全国で販売されており、同省が行っているサンプル調査で発見された。

 また同省は消費者に対し、安全法に準拠していることを示すロゴが付いている製品のみを使用するよう呼び掛けている。

 対象となる製品のリストについては、『Health』、『Canada』、『uncertified』、『USB』、『chargers』で検索。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。