2018年4月5日 第14号
主にカナダ東部で販売された冷凍チキンナゲットが食中毒の原因であるとして、カナダ公衆衛生局がリコールを発表した。
対象となるのは、ハーベスト・クリーク・チキンナゲットで、賞味期限が2018年10月11日になっているもの。販売されていたのは、ニューブランズウィック、ノバスコシア、ニューファンドランド・ラブラドール、オンタリオ、およびケベックの各州だが、同局によると他の地域でも販売されていた可能性があるという。
この冷凍チキンナゲットが原因と見られる食中毒が最初に発生したのは、2017年9月だった。4つの州で合計13人が発症、そのうちの4人が入院して治療を受けた。また現時点ではアルバータ州で2人、オンタリオ州で17人、ケベック州で7人のほか、ニューブランズウィック州で4人の患者が確認されており、何人かの人がこの冷凍チキンナゲットを食べた後に食中毒を起こしたと報告している。
2018年3月29日 第13号
国会議員グリーン党エリザベス・メイ党首が23日、バーナビー市でパイプライン拡張工事反対デモに参加し逮捕された。
現在進行中のバーナビー市にあるキンダーモーガン社トランスマウンテンパイプライン拡張工事の現場では、反対派がデモを続けている。しかしBC州最高裁判所から5メートル以内に近づかないことという裁判所命令が出されており、これに違反した場合は周辺を警備している連邦警察(RCMP)に逮捕される。
ほとんどは後日裁判所に出廷することを条件にすぐに釈放されるが、反対デモに参加する反対派はあとを絶たない。
逮捕され一連の手続きを終えた後に記者団に囲まれたメイ党首は、法を犯すことを承知でデモに参加したと語った。メイ党首は環境保護活動家として知られるが弁護士の経験を持つ。これまで、何年も前にスピード違反で捕まった以外に法を犯したことはないが、「今回は、これからの世代のことを思うと行動せずにはいられなかった」と語った。
メイ党首と共に新民主党(NDP)バーナビー・サウス選挙区の国会議員ケネディ・ステュワート議員もデモに参加し逮捕された。
24日夕方までの逮捕者は173人となった。キンターモーガン社は、3月26日までにバーナビー市の工事現場となる場所で工事初期段階の木の伐採を終えてしまわなければ、春以降この地に巣を作るためにやって来る渡り鳥に影響を与えるという理由から、8月まで工事を延期しなければならないとされていた。そのため、今回の反対派が繰り返しているデモは、工事を少しでも遅らせる目的があった。
ただキンターモーガン社は24日には初期工事を終えたと発表した。その後も反対派のデモは続いている。
2018年3月29日 第13号
ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府は26日、住宅に新たに課税する﹁投機税﹂についての変更を発表した。
今年2月にBC州NDP政府が発表した予算案に組み込まれていた新課税について、対象となる地域からさまざまな意見や批判が出ていた。
投機税は、基本的には住宅を所有する人が自身が生活する住居用として使用していない住宅を対象に課税される。住宅の高騰化が激しい地域が対象で、メトロバンクーバーをはじめ、ケローナやアボツフォード、ナナイモなども含まれていた。
しかし、新課税制度を発表後、郊外に夏だけ過ごすために所有しているキャビンや休暇用住宅も対象になっていたのでは、州の旅行業などに影響するなどの苦情が上がったことからキャロル・ジェイムズ財務相が見直すことを示唆していた。
今回発表された改定版では、ガルフアイランドやフアンデ・フカなどの島が対象から外れた。また市長がテレビ出演までして反対を訴えていたケローナについては、カナダで住宅事情が厳しい都市のひとつとして対象地区のまま残った。
さらに課税率も変更された。市民権、永住権を持つBC州外在住者については、住宅価値の2パーセントから1パーセントに引き下げられた。しかし海外からの投資家については2パーセントのままとした。
ジェームズ財相は、投機税はBC州の住宅事情改善のための新課税で、BC州で生活し、働く人が暮らすための住宅を手に入れることができるよう支援するための政策と語り、BC州で需要の高い地域に投資目的で住宅を持つ人に対して課税することが目的と語った。
2018年3月29日 第13号
ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府が22日、液化天然ガス(LNG)事業者LNGカナダに減税を行う用意があることを発表した。
対象は、BC州北西部沿岸のキティマット市に建設予定の輸出ターミナル建設費用に関連する州税と、炭素税としている。
LNGはBC州政府が自由党政権時代から開発を進めている事業で、2013年BC州選挙では当時のクリスティ・クラーク州首相がLNGでBC州経済を強固なものにすると公約した。
しかし選挙に大勝したにもかかわらず自由党政権によるLNG事業計画は遅々として進まず、2014年の原油価格急落により天然ガス価格も下落。その後自由党政権がLNG事業への法整備を行ったが、時すでに遅くBC州への投資を計画していた事業社が続々と手を引き、昨年夏には最大規模の計画を提示していたマレーシアのペトロナスがBC州での事業から撤退した。
それでもアジアでのLNG需要は高く、昨年の選挙で政権交代した新民主党(NDP)政権もLNG事業開発には明確に反対はしていなかった。
ただ与党協力関係にあるグリーン党はLNG事業には反対で、今回の発表に不満を示している。
BC州のLNG事業は北東部の内陸部で開発が進められ、それを北西部沿岸キティマットまでパイプラインで運んでアジア市場へと輸出する計画になっている。
BC州南西部のメトロバンクーバーではアルバータ州からのオイルサンドを運ぶトランスマウンテンパイプライン拡張計画に反対しているNDP政権が、LNGパイプラインに積極的なことはパイプライン政策に一貫性がないと環境活動家らからは批判されている。
連邦自由党政権は、アルバータ州からBC州北西部沿岸までのオイルサンドを運ぶノーザンゲートウェイ・パイプライン建設計画を白紙撤回した。さらに北西部沿岸一帯の地域でのタンカーによるオイルサンド輸送も禁止したが、LNGについては明確に規制していない。
2018年3月29日 第13号
ブリティッシュ・コロンビア州デイビッド・イービー司法長官は26日記者会見を開き、BC州で問題となっているマネーロンダリングを解決するために連邦政府の協力が必要と語った。27日には国会の財政委員会で訴えた。
同州リッチモンド市にあるリバーロック・カジノが1カ月内に1350万ドルを20ドル札で受け取ったとされる件について、警察が犯罪の疑いがあるとした件がきっかけで州政府が調査を進めていた。
昨年9月にはBC州のギャンブル産業でのマネーロンダリングに関する調査をドイツの会社が行っている。BC州のカジノを管轄するBC宝くじ公社でも対策を講じている。
イービー司法長官は、この違法なマネーロンダリングがメトロバンクーバーの不動産の異常な高騰にもつながっていると委員会で訴えた。これについてはバンクーバー・サン紙などが記事を掲載している。