2018年3月29日 第13号

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府が22日、液化天然ガス(LNG)事業者LNGカナダに減税を行う用意があることを発表した。

 対象は、BC州北西部沿岸のキティマット市に建設予定の輸出ターミナル建設費用に関連する州税と、炭素税としている。

 LNGはBC州政府が自由党政権時代から開発を進めている事業で、2013年BC州選挙では当時のクリスティ・クラーク州首相がLNGでBC州経済を強固なものにすると公約した。

 しかし選挙に大勝したにもかかわらず自由党政権によるLNG事業計画は遅々として進まず、2014年の原油価格急落により天然ガス価格も下落。その後自由党政権がLNG事業への法整備を行ったが、時すでに遅くBC州への投資を計画していた事業社が続々と手を引き、昨年夏には最大規模の計画を提示していたマレーシアのペトロナスがBC州での事業から撤退した。

 それでもアジアでのLNG需要は高く、昨年の選挙で政権交代した新民主党(NDP)政権もLNG事業開発には明確に反対はしていなかった。

 ただ与党協力関係にあるグリーン党はLNG事業には反対で、今回の発表に不満を示している。

 BC州のLNG事業は北東部の内陸部で開発が進められ、それを北西部沿岸キティマットまでパイプラインで運んでアジア市場へと輸出する計画になっている。

 BC州南西部のメトロバンクーバーではアルバータ州からのオイルサンドを運ぶトランスマウンテンパイプライン拡張計画に反対しているNDP政権が、LNGパイプラインに積極的なことはパイプライン政策に一貫性がないと環境活動家らからは批判されている。

 連邦自由党政権は、アルバータ州からBC州北西部沿岸までのオイルサンドを運ぶノーザンゲートウェイ・パイプライン建設計画を白紙撤回した。さらに北西部沿岸一帯の地域でのタンカーによるオイルサンド輸送も禁止したが、LNGについては明確に規制していない。

 

 

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