2018年3月29日 第13号

 2歳未満の子供が旅客機に乗る場合、座席へのチャイルドシート装着を義務づけるべきかどうかについて、カナダ交通省が一般からの意見を求めている。

 交通省によると、旅客機の座席のシートベルトは、一定の体重や身長以下の子供を安全に保持することができないという。

 現在2歳未満の子供は、飛行中に親のひざの上に抱えていれば、航空運賃は無料となる。しかしこれでも子供の安全性が確保できるとは限らない。ヌナブト準州ハドソン湾南東部に浮かぶ島の先住民コミュニティ、サニキルーアクで2012年12月に起きた飛行機事故では、着陸に失敗した機体は大破したものの、乗っていた8人の大人はけがだけで済んだが、母親の膝の上に抱かれていた6カ月の乳児は死亡。もしチャイルドシートに乗せていれば助かっていたと言われている。

 交通省は以前から、車に乗せるときと同じように飛行機に乗る時も、乳幼児は体のサイズに合ったチャイルドシートを使用することが安全性の上で重要だと指摘してきた。一方、これを義務づけると、現在は無料(座席なし)で搭乗できる2歳以下の子供にも座席を購入せざるを得なくなり、親の負担が増える。

 また事故調査委員会も、チャイルドシートで死亡を防げることは調査からも明らかであり、子供と大人で安全性に差があってはならないとして、義務化するべきとの勧告を2015年に出している。

 交通省は、この問題についての一般からの意見を参考にするため、オンライン上に特別サイトを設け意見を募っている。受け付けは4月30日まで。特別サイトは『consultation』、『car seats』、『on planes』で検索。

 

 

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