2018年4月19日 第16号

 ブリティッシュ・コロンビア州の情報およびプライバシー監督委員会は、同州の家主の多くが申込者に対し、不必要に詳細な個人情報の提供を求めている実態を明らかにした。

 これは同委員会が先月公開した、8件の一般賃貸物件と、非営利団体や物件管理会社5社で用いている賃貸申込書についての調査報告書によるもの。中には人権保護法に違反するものまであったという。

 この中で同委員会は、売り手市場の中、借り手は理不尽と思いつつも物件を借りるため、仕方なく情報を提供している実状を指摘している。調査された申込書の中には、子供の通知表の写しや移民のステータス、過去3カ月間の銀行の詳細記録の提出を求めるものもあり、委員会の注意を引いていた。

 その他にも、却下された申込書の情報を、どのようにどれだけの期間保存するかについて明記されていないものや、今後1年の間に予定される家族構成の変化(妊娠、結婚、子供の成長など)を報告させるもの、また婚姻状態や年齢性別、生年月日に社会保障番号(SIN)の提出を求めるものなどもあった。

 中には、これら情報提供要求の根拠が、存在しない条例『個人情報報告条例』に基づいていると、その正当性を主張するものもあった。またほとんどの家主が、申込者の情報をどんな機関からでも収集できるよう、家主に許可を与えるよう要求していた。

 これに対し家主で作られる団体BC州家主協会は、賃貸契約に関する規則や条例についての啓蒙が必要だと、取材に答えている。同協会に加盟している家主は約3300人ほどだが、州内には未加盟の、特に一軒家のベースメントを貸すぐらいの小規模家主が約7万人いるといわれ、これらの家主への啓蒙が課題だと述べている。ただ、委員会などに報告されるトラブルの多くは情報の欠如によるものであって悪意によるものはごく一部で、家主が要求する申込者の個人情報を制限すべきだという勧告には反対していた。

 

 

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