2018年4月19日 第16号
サスカチワン州内で起きた自動車事故で、事故車を査定し廃車処分を決定した保険会社が、その後決定を覆し修理可能とした。しかしこのピックアップトラックの所有者である同州サスカツーン市に住むカップルは、本人の許可なく修理が行われたうえ、修理後も安全性に問題があるとして、サスカチワン州政府傘下の保険会社(Saskatchewan Government Insurance, SGI)の対応を非難している。
クリス・スクリーブンさんのピックアップトラックは、SGIの査定で3万6千ドル以上の修理費がかかるとされ、廃車処分とされた。しかし車はその後、SGI指定の修理工場に持ち込まれ再査定を受けた。そこで修理可能と判断され実際に修理が行われたが、スクリーブンさんがメディアに語ったところによると、このいきさつは彼には伝えられていなかった。
「SGIから最初の廃車決定の知らせを受けてから約2カ月して、突然会社から『車の修理が完了した』という連絡が入った」と話すスクリーブンさん。車の修理は所有者の承諾なしでは行えない規則になっており、彼は何かがおかしいとすぐに感じたという。
車を引き取ったスクリーブンさんは、これをSGIなどとは関係ない整備士のところへ持ち込み、検査を依頼した。その結果、フレームのゆがみなどから9千ドル相当の修理がさらに必要ということが明らかになった。さらに構造的に不安定で、長距離ドライブには用いないようコメントされた。
スクリーブンさんとパートナーは、不完全な修理を行った修理工場とSGIに、この問題を解決するよう求めてきたが進展はなく、弁護士を雇うなど法的手段の準備を進めている。
メディアの取材に対しSGIは、個別の件についてのコメントは差し控えながらも、修理工場での修理作業は『業界標準にのっとったもの』だったと説明している。その上で、こうしたことはまれだが、会社としてスクリーブンさんとのコミュニケーションをうまく取れなかったと話している。またSGIが廃車処分としたスクリーブンさんの車が持ち込まれた修理工場で、SGIの査定より6千ドル安く修理できると見積もられたことを明らかにしている。
この一件がメディアで取り上げられた後、SGIはスクリーブンさんのケースを再査定することに合意、廃車処分にするか、追加修理や今までにかかった法的費用のために2万1500ドルを支払う用意があると、スクリーブンさんらに申し出た。