2018年1月1日 第1号

 カナダ政府は12月19日、北朝鮮危機について関係国の外務大臣が集まる国際会議をカナダとアメリカが共同開催すると発表した。

 首都オタワを訪問中のアメリカのレックス・ティラーソン国務長官と共同記者会見を開いたクリスティア・フリーランド外務相が、2018年1月16日にブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーで開催することを明らかにした。

 詳細は明らかにしなかったものの、参加するのは、日本、韓国と、朝鮮戦争に関わった国々と語り、ティラーソン国務長官は北朝鮮に交渉の場に出てくるよう圧力をかけ続けることが目的と語った。

 フリーランド外務相もバンクーバーでの関係国会議はその目的を達成するために効果があるだろうと語ったが、北朝鮮問題についてのカナダの役割については明らかにしなかった。

 北朝鮮が大陸間弾道ミサイルの実験を実施しアメリカ本土の大部分を射程圏内にすることに成功して以降、カナダではアメリカの弾道ミサイル防衛シールドへの参加についての議論が起こっている。

 しかし連邦政府は2005年以降、積極的な議論をせず、この問題について棚上げしてきた。2005年は自由党ポール・マーティン政権、2006年に保守党が政権を取り、スティーブン・ハーパー首相になっても同様の対応だった。しかし今、保守党はこの議論を再開すべきと訴えている。

 米加では、これ以外にも北米自由貿易協定の見直しについても協議が続行しており、今回のティラーソン国務長官の訪問ではこうした米加間の問題についても話し合われたとしている。

 ティラーソン国務長官は、この日ジャスティン・トルドー首相とも面談している。ティラーソン氏が国務長官としてカナダを訪問するのは今回が初めて。

 

 

2018年1月1日 第1号

 カナダ統計局は2015年にカナダ人が消費したマリファナは50億ドルから62億ドルの価値があるとの試算を12月18日に発表した。

 カナダのワイン市場が約70億ドル。その規模に匹敵するという。ビール市場が92億ドル。マリファナはその約3分の2にあたる。今回の試算は、マリファナ1グラム当たり、7・14ドルから8・84ドルと価格設定して計算されている。

 マリファナの消費量は1960年代から2015年までをみると確実に増加しているという。統計局によると、1960年代、70年代は若者世代が中心だったが、2015年までには約3分の2が25歳以上の大人で、特にベビーブーマーと言われる世代での消費量が大きく、若い世代では5・8パーセントと比較的少ないことも明らかになった。

 カナダ統計局は、来年7月にマリファナ合法化を目指す自由党政権の政策を前に、合法化前後の推移を図るためマリファナの使用に関するデータを収集すると発表していた。今回の報告では15歳以上の2015年マリファナ使用者数は490万人と試算している。この中には、嗜好品として楽しむ人以外に、医療目的で使用している人も含まれている。マリファナ消費量は698トン、10年前の484トンから大きく増加している。

 

 

2018年1月1日 第1号

 カナダの通信大手3社、テラス、ベル、ロジャーズが揃って12月15日から18日まで、データ使用料引き下げキャンペーンを実施した。

 この期間に限り、10ギガバイト60ドルでの契約を可能とした。専門家によると、この金額は国内の通常価格より最大で約50パーセントも安いという。

 きっかけは国内第4の通信会社フリーダム・モバイルが10ギガバイト50ドルで売り出したこと。これに対抗した大手3社が一斉に、同期間、同額でキャンペーンを実施した。

 このキャンペーン価格は、ブリティッシュ・コロンビア州、アルバータ州、オンタリオ州限定。主に電話での申し込み限定との制限がかかっていたため、この期間の同3社への電話がつながらずツイッターなどでは消費者からの不満の声が上がっていた。

 カナダは通信費が世界でも最も高い国の一つとして知られている。理由は競争がほとんどないからで、大手3社が市場をほぼ独占している。さらに、連邦政府が新たな通信会社設立を促す政策をとっても、新規産業事業者を大手3社が買収するか、廉価版ネットワークを新規立ち上げするかして、カナダでの通信業界の競争力はなかなか向上しなかった。

 今回の件で、市場はやや値下がりするのではとの期待の声もあがっている。ただ、専門家はカナダが世界基準ほどの値下がりを実現するのはまだ先と予想している。

 

 

2018年1月1日 第1号

 カナダ国内でも温暖な気候で知られるブリティッシュ・コロンビア州各地で12月19日、大雪に見舞われた。

 同州最大都市バンクーバーでも同様で、今季一番の大雪に、町では道路で自動車がスリップしたり、立ち往生したりと事故が相次いだ。

 またメトロバンクーバーの公共交通機関であるトランスリンク社は、バスの運行について大幅な遅れが出ることを利用者に発表した。

 温暖な気候のバンクーバーでは、1シーズンで大雪に見舞われることはほとんどなく、そのため、市民の雪に対する意識の低さや準備不足などで交通機関の麻痺や事故などを引き起こす場合が多い。

 昨季も予想よりも早く大雪に見舞われ、市も対応できず非難を浴びた。その教訓を生かし、この日は予報より早い大雪にも迅速に対応できる体制を取っていた、と市の担当者は語っている。

 予報より早めに降り始めた大雪に、バンクーバー国際空港でも対応に追われ、この日は一日中ダイヤが大幅に乱れた。

 BC州の電力会社BCハイドロは、雪の影響で停電が発生している地区があり、急ピッチで復旧作業に当たっていると発表した。

 

 

2018年1月1日 第1号

 ブリティッシュ・コロンビア州ビクトリアに住む6歳の子供が考えた造語が、辞書に載るかもしれない。

 その造語は『levidrome』で、意味は『逆から読んだ時、別の意味になる単語』。例えば『rats』を反対から読むと『star』になり、『wolf』ならば『flow』といった具合。

 この言葉を思いついたのはレビ・バッド(Levi Budd)君。このアイデアがネット上で注目を集め始めたのは、父親が2カ月ほど前に動画サイトでレビ君のことを紹介してからだった。それによると、レビ君は最初『stop』が『pots』になることを発見してから夢中になり、その技のことを自分の名を冠した造語『levidrome』で表現することを思い立ったという。

 この動画を見たカナダ人俳優のウィリアム・シャトナーさんが、このことをツイッターで大手辞書出版社のオックスフォード・ディクショナリーズに紹介。同社の編集長は、レビ君に対して次のようなビデオメッセージを送っている。

 「レビ君、世界では毎年、多くの役に立つ言葉やいい発想の言葉が生まれている。しかしそれらを全部辞書に掲載しようとしたら、私たちは寝る暇もなくなってしまう。新しい言葉が辞書に採用されるのは、多くの人がそれを、長い間使い続けてからになります」

 しかし編集者は動画のなかで、かなりの人が『levidrome』を使っているのに感心させられたと感想を述べている。そしてこの単語が、同社が今後その使用状況を追跡する注目リストに載せられたことを明らかにしている。そして今後1年ほどの間に多くの人が引き続きこの単語を使用していることが確認できれば、『levidrome』が辞書に載る可能性があるとしている。

 レビ君の父親によれば、辞書出版社から直接ビデオメッセージを送られたことをレビ君はとても喜んでいるという。辞書が好きな彼は3歳の時から読書を始め、定期的に地元の図書館を利用している。

 元オリンピック・トライアスロン金メダル選手でビクトリア在住のサイモン・ウィズフィールドさんも『levidrome』愛好家の一人だ。彼は、映画俳優で『デッドプール』で主人公を演じたライアン・レイノルズさんに、ツイッターで「Loopを逆さに読むとpoolになる。これが『levidrome』さ」と語り、仲間に加わるよう誘っている。

 ウィリアム・シャトナーさんは、さらに別のツイートで18個の『levidrome』を紹介、単語に挑むこの若き天才を世界に紹介することができて幸せだと語っている。そして彼の努力が実を結ぶよう、彼のフォロワーに協力を求めていた。

 『levidrome』はすでに、メリアム=ウェブスターのユーザーが登録できるオープンソース辞書と、オンライン辞書のアーバン・ディクショナリーに追加されている。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。