2018年1月18日 第3号

 今年2月に韓国の平昌で開催される冬季オリンピックでフィギュアスケートのアイスダンスに出場するテッサ・バーチュー、スコット・モイヤー両選手が旗手を務めることが16日に発表された。

 同日に行われた国会内での記者会見でバーチュー選手は「これは私たちの選手人生で間違いなく最高の瞬間」と笑顔を見せ、他のカナダ代表選手と共に開会式に旗手として入場できる光栄な機会に、「責任感と名誉とそして大きな誇りを感じます」と語った。

 モイヤー選手は旗手としての役割にプレッシャーも感じるが、それをモチベーションにしたいと語った。

 五輪開会式での2人の旗手は今回が初めて。これまで閉会式では3回2人が旗手を務めている。フィギュアスケート選手が開会式の旗手を務めるのは、1994年ノルウェーのリリハンメル大会で男子のカート・ブラウニング選手が務めて以来。前回2014年ロシアのソチ大会では、アイスホッケー女子ヘイリー・ウィッケンハイザー選手が旗手を務めた。

 バーチュー・モイヤーペアは、これまで出場したほとんどの世界大会で優勝している。オリンピック初出場は2010年バンクーバー大会で、金メダルに輝いた。ソチ大会では個人では金メダルを期待されたが、アメリカのペアに負け惜しくも銀、団体でも銀を獲得した。その後、2年間競技から遠ざかっていたが、平昌出場のために復帰。今回も大きな期待を背負っている。おそらく今回が最後の五輪参加となる。

 そしてこの日、旗手の発表という大役を担ったのは、ジャスティン・トルドー首相。「平昌オリンピックスタジアムにカナダ代表の旗手が入場する時、彼らはカナダ国旗を持っているだけでなく、いつかオリンピックに出場するという情熱を持つ若い世代の希望も一緒に持って入場してくれる」と激励した。

 平昌オリンピック開会式は2月9日に行われる。

 

 

2018年1月18日 第3号

 オーストラリア政府がカナダ国内でのオーストラリア産ワインの扱いが世界貿易機構(WTO)の規則に違反すると提訴していることが16日分かった。

 オーストラリア政府は、カナダ政府といくつかの州が、輸入ワインに対して流通、ライセンス、利幅、市場アクセス、リスティングポリシー、さらには関税や課税でも差別をしている可能性があると主張している。

 両政府はこの件について二国間で話し合いの場を持ったが、結局物別れに終わり、オーストラリアが提訴に踏み切った。今回オーストラリア政府が名指した州は、ブリティッシュ・コロンビア州やオンタリオ州といったワイン産地のほかに、ケベック州やノバスコシア州も含まれている。

 BC州は昨年10月にはアメリカからもワイン販売について不公平との批判を受けている。

 

 

2018年1月18日 第3号

 ケベック州モントリオール市では1日より、スーパーなどで買い物の際に使われるポリ袋の配布を禁止する条例が施行された。

 対象となるのは、厚さが50ミクロン以下のポリ袋で、光や熱で分解するよう添加物が混入された生分解性ポリ袋も含まれる。カナダの大都市でこうした規制が施行されたのは、モントリオール市が初めてとなる。

 一方、スーパー内で提供されている、野菜や果物を入れるポリ袋や、肉を入れるビニール袋などは対象外となる。

 同市では年間約200億枚のポリ袋が消費されるが、14パーセントほどしかリサイクルされていないと説明するジャン=フランソワ・パレントー市議会議員はまた、街中に散らばるポリ袋はその景観を損なうとともに、生態系に大きな害を及ぼしていると取材に語っている。

 ポリ袋禁止を最初に表明したのはデニス・コデール前市長で、2016年のことだった。そして昨年8月には決議案が市議会で可決された。この条例で影響を受ける事業主などには、この決定に対応するのに十分な時間があったと、パレントー議員。

 施行は1日からだが、事業主には6カ月間の猶予期間が設けられる。6月以降は違反した個人事業主には最高1000ドルの、また企業には最高2000ドルの罰金が科せられる。

 同様の規制はブリティッシュ・コロンビア州ビクトリア市が7月から導入する意向を表明しているが、同州バンクーバー市は導入には慎重な姿勢をとっている。またオンタリオ州トロント市は2012年に施行を試みたものの、実現しなかった。小売業界やプラスチック業界は、こうした規制は不要である上、事業や利用者に不便を強いるとして反対している。

 

 

2018年1月18日 第3号

 アメリカのバラク・オバマ前大統領夫人ミッシェル・オバマ氏のバンクーバーでの追加講演が決まった。主催者バンクーバー商工会議所が16日に発表した。

 同会議所が主催するオバマ夫人の講演は今年の2月15日夜にクイーン・エリザベス・シアターで行われることが今年1月3日に発表された。その後チケットはすぐに完売。そして今回の追加講演が決まった。追加講演は2月15日の午後に行われる。チケットは同会議所会員に先行販売された後、一般に販売するという。

 同会議所は2014年にはアメリカの元国務長官ヒラリー・クリントン氏の講演も主催している。その時には約2800人が詰めかけた。

 

 

2018年1月18日 第3号

 オンタリオ州トロント東部のスカボロー地区で12日、児童が通学途中に、頭に巻いていたイスラム教のスカーフ(ヒジャブ)を不審者に切り裂かれたと訴え大騒ぎとなったが、実は作り話だったことが15日、わかった。

 ことの発端は、ポウリン・ジョンソン公立学校の6年生児童が、登校中にサングラスをかけた男が背後から近づき、ハサミで彼女のヒジャブを切り裂いたと学校で発言したことだった。彼女は、不審者が2度も彼女を襲おうとしたとも話していた。

 警察はヘイトクライムの線で捜査を開始、知らせを受けた児童の母親は、涙を浮かべながらも「それでもカナダが平和なところであると信じているし、自分がカナダ人であることを誇りに思っている」と取材に答えるなど、事態は全国ニュースのレベルになっていった。

 さらにトルドー首相も、こうした事件を激しく非難するコメントをツイート、さらにキャサリン・ウィンオンタリオ州首相とジョン・トーリートロント市市長も、信ずるものや身につけているもので危険にさらされるようなことは断じて許されないと、強い口調で非難。

 ところが15日になりトロント市警察は、そもそも児童が襲われた事実はなかったとする捜査結果を発表した。

 同市警察では、こうした作り話から大騒動になることは極めてまれであり、逆にこうしたことで今後、実際に起こった事件の被害者が名乗り出ることをためらうことがないよう、求めていた。また同地域の教育委員会は、少女の襲撃は実際には起こっていなかったことに安堵しているとの短いコメントを発表している。なお、騒ぎの元となった少女に法的処分が下されることはないという。

 一方、同州オタワ市の人権活動家アミラ・エルガワビーさんは、この少女はどれほど大きな社会的インパクトが起こるか、多分わかっていなかったのだろうと取材に答えている。しかしこれが作り話だったことを残念に思うとともに、こうしたことはイスラム教を敵視する人々を勢いづけるだけだとコメントしている。

 

 

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これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。