2018年1月25日 第4号
バンクーバー市ケリー・ジャン市議が今年実施されるブリティッシュ・コロンビア州市町議会選挙に立候補しない意向を23日、発表した。
ジャン市議は2008年に初当選。今回の決断に、バンクーバーには新しい風が必要と新旧交代の時機が来たと理由を語った。
これで現在バンクーバー市議会の過半数を占めているビジョン党は、今月政界引退を発表したグレゴール・ロバートソン市長をはじめ、アンドレア・レイマー市議、ティム・スティーブンソン市議に続き4人目。
今年の選挙に向け、ビジョンは立候補者の選出を急ぐことになる。16日にはビジョンの年次総会が行われ、次期選挙に向けて立候補を促した。
2018年1月25日 第4号
オンタリオ州トロント市ジョン・トーリー市長は、トロント市が2026年FIFAワールドカップの開催都市として積極的に招致することに前向きな姿勢を22日に示した。
カナダサッカー協会は、アメリカ、メキシコの3カ国で2026年FIFAワールドカップの共同開催を目指している。実現すれば、カナダとメキシコで各10試合、アメリカで60試合が行われる。
市の担当者が作成した招致に関する報告書では、トロント開催での費用を約3千万から4500万と試算、市、オンタリオ州、連邦政府で負担するという。会場は座席数を増設する必要があるとしながらもBMOフィールドを提案している。
トーリー市長は、ワールドカップ開催はトロントを世界に示す千載一遇の機会になるとの声明を発表した。トロントは2015年にはパン・アメリカン、パラパン・アメリカン大会、2017年にはインビクタス大会(戦争で負傷し障害を負った元兵士のスポーツ国際大会)を成功させている、と世界大会開催都市としての自信も見せた。
トロント以外には、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー、アルバータ州エドモントン、ケベック州モントリオールが候補にあがっている。
2015年にカナダで開催されたFIFA女子ワールドカップでは、トロントはパン・アメリカンと開催時期が重なったため、W杯は招致しなかった。
FIFAによる開催国の発表は2018年6月。北米3カ国の他にはモロッコが立候補している。北米3カ国に決定すればカナダは自動的に開催国枠での出場が決定する。
2018年1月25日 第4号
アメリカのネット通販大手アマゾンは18日、第2本社建設候補地を20都市に絞り込んだと発表。その中にオンタリオ州トロントが残った。
アマゾンの第2本社建設の発表に北米の238都市が立候補。米ワシントン州シアトルにある本社と同規模の第2本社は、建設費50億米ドル、約5万人の雇用と高い経済効果が期待されている。カナダからも、トロント以外に、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー、アルバータ州カルガリー、ケベック州モントリオールなどが名乗りを上げていた。
今回トロントが20都市に残ったことについて、トロント市ジョン・トーリー市長は、周辺市町と協力しながら、トロントにレベルの高い雇用が生まれる機会を獲得するために最大限に努力すると語った。
候補に残ったアメリカの都市では、資金援助や税対策などの優遇措置を提案して売り込んでいる。これについてトーリー市長は、20都市に残ったからといって突然アマゾンのために資金がわいてくることはないとも語った。
オンタリオ州キャサリーン・ウィン州首相もアマゾンの決定を歓迎。トロントは才能ある人材と住民をサポートする制度が整っていると売り込んだ。
カナダでトロントが唯一残った理由については、カナダの移民制度が海外からの人材を確保しやすいことやテクノロジー関連校が多いこと、健康保険などの制度が整っていることなどが上げられている。
一方で、第2本社をアメリカ以外の国に持ってくることには、「アメリカ第一主義」を掲げるドナルド・トランプ大統領の政策に真っ向から反対することになるとの見方もある。そのためトロントに決まる可能性は低いとみられている。
有力視されているのはマサチューセッツ州ボストンやコロラド州デンバーなど。アマゾンは今年中に決定するとしている。
2018年1月25日 第4号
スイスのダボスで開催されている世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席しているジャスティン・トルドー首相は23日、11カ国での環太平洋経済連携協定(CPTPP)に署名する意向を表明した。「今日東京で合意に達した協定は正しいものだ」と語り、カナダは国民の利益のために立ち上がり、次の世代のための安定した経済成長と質の高い雇用という我々の目的を達成する合意にこぎつけたと語った。
オンタリオ州トロントではフランソワフィリップ・シャンパーニュ国際貿易相が記者会見し、CPTPPに合意することで、カナダが世界最大の貿易圏の一部になると参加への重要性を強調した。
CPTPPには、カナダ、日本、オーストラリア、ブルネイ、チリ、メキシコ、マレーシア、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナムが参加している。当初はアメリカ主導で進められたが、昨年1月にドナルド・トランプ大統領が就任後、CPTPP撤退を表明。協定自体が立ち消えになるとの予想もあったが、日本の主導で継続。今回の11カ国合意にこぎつけた。
しかし国内では、北米自由貿易協定(NAFTA)に影響するのではないかと危惧する声が上がっている。同日ケベック州モントリオールでは、カナダ、アメリカ、メキシコの3カ国による6回目のNAFTA交渉が始まった。
シャンパーニュ国際貿易相は、アメリカがカナダにとって最大貿易相手国であることに変わりはないと、アメリカも重要視するとの考えを強調したうえで、アメリカ一国に集中している輸出先を多角化し、南だけでなく、西も東も見ていくことがカナダにとって最適な方法と語った。
これでカナダは昨年の欧州連合(EU)との自由貿易CETAに続いて、アジア・太平洋地域とも自由貿易協定を結ぶことになる。
しかし一部の産業からは強い不満の声が噴出している。特に、自動車産業からはNAFTA交渉が始まったその日のCPTPP合意発表に「これ以上ばかげたタイミングはない」、「これまでで最悪の合意だ」との声が労働組合から上がっている。中国製部品を使った日本車が国内の自動車産業を衰退させるとも主張している。
また、危機感を募らせている酪農業も保守党政権が約束した補償制度を実行するよう自由党政権に求めている。
一方で、農業や林業はアジア市場に向け関税引き下げは産業の活性化につながると歓迎している。
11カ国によるCPTPPは、人口約5億人、世界の国内総生産(GDP)約14パーセント、貿易額の約15パーセントを占める巨大自由貿易圏となる。
2018年1月25日 第4号
ニューファンドランド・ラブラドール州で昨年末から販売されていた、ひげ面で上半身裸の男性陣が、人魚を模した『尻尾』をはいてポーズをとったカレンダーの売り上げが大好評だった。
同州のセントジョン市で昨年1月に設立された、ヒゲ愛好家団体ニューファンドランド・ラブラドール・ベアード・アンド・マスタッシュ・クラブが作製したこのカレンダー、地元で乗馬や馬の世話を通して子供や大人のセラピーなどを行っている、スピリット・ホースNLへの寄付金集めとして販売されていた。そして同愛好会は13日、このセラピー団体に30万ドルの小切手を手渡した。
ひげを愛でるとともに、地元の慈善事業にも積極的に参加することを目的としている同愛好会のオーガナイザー、ハサン・ハイさんは当日のイベントで、『男らしさ』のより広い解釈と敷居を下げることが、このカレンダーの目的だったと語っている。「上半身裸になり、人魚の格好をするというのは、自分たちにとって冒険だった。自分たちを物理的にも精神的にも無防備な格好でさらけ出しつつ、それでも問題はないんだということを、世界に発信することができた」とハイさん。
ちなみにハイさん自身、これはおバカな企画だったと認めているが、アイデアから出版まで2カ月弱という手際の良さで、最終的には世界的な評価を得る作品となった。