2018年2月1日 第5号

 自由党政権スポーツ・障がい者大臣ケント・ヘア氏が、女性がツイッターでヘア氏にセクハラ発言を受けたと主張したことを受け、大臣を辞任した。

 女性はヘア氏がアルバータ州議会議員時代に、性的な発言を受け、身の危険を感じることもあったと語っている。

 ヘア氏は2008年から2015年までアルバータ州議会議員として活動。2015年の連邦選挙で自由党から立候補して当選した。昨年8月の内閣改造でスポーツ・障がい者大臣に就任したばかりだった。

 ヘア氏は今回の件について声明を発表し、今回の女性の主張に対する調査がすでに始まっていることに対してその調査過程を尊重したいと語っている。

 今回の件についてトルドー首相は、スイスで開かれていたダボス会議での記者会見で、直接本人と話をして帰国前に対応を発表すると語り、スイスを出発直前に大臣辞任を承諾したと発表した。

 トルドー首相は、「どんなハラスメントも許されないし、国民はハラスメントのない環境で生活し、働く権利がある」と語り、「政府として、不適切行為のどんな主張に対しても極めて深刻に対処する」と語った。

 ヘア氏は休職扱いとなるが、アルバータ州カルガリー・センター選挙区選出自由党議員として引き続き党に在籍する。

 政界では性的な不適切行為が相次いで告白され、激震が走っている。29日は国会が再開したばかりで、現在こうした行為に対する連邦議会での対応を法律化する法案の審議が行われている。

 

 

2018年2月1日 第5号

 2019年に日本で開催されるラグビーワールドカップのアメリカ大陸代表もう一枠をかけて、カナダは1月27日ウルグアイと対戦した。ホーム&アウェーでの勝者がアメリカ地区2の代表としてプールDに出場する。

 この日はバンクーバーのBCプレースで行われたカナダにとってはホームゲーム。それにもかかわらず開始早々から0‐7とリードされる展開となった。

 それでも17分に決めたトライで追いつくと、その後逆転に成功。しかし前半最後のプレーで再逆転され、17‐21で前半を折り返した。

 後半は開始早々、またまた逆転に成功し24‐21。このまま勢いづくかに思われたが51分、56分と立て続けにトライを決められ、苦しい展開となった。

 それでも69分にはトライを決め29‐35と6点差。もうワントライで逆転も、というところまでは追いついたが、75分に3点を追加され29‐38とホームで初戦を落とした。

 次は2月3日、アウェーのウルグアイ・モンテビデオで第2戦に臨む。世界ランキングでは、カナダは21位、ウルグアイは18位。これに敗れた場合は、敗者復活戦に回る。

 

 

2018年2月1日 第5号

 オンタリオ州進歩保守党(PC)党首の辞任を受けて実施される党首選に、元トロント市議のダグ・フォード氏が出馬する意向を発表した。

 フォード氏は記者会見を開き、「長年の進歩保守党支持者として現在の、状況を非常に悲しんでいる」と語った。そして現在のこの状況を打開できるのは自分しかいないと主張した。

 フォード氏は2010年から2014年までトロント市議を務め、2014年にはトロント市長選に立候補。現在のジョン・トーリー市長に敗れた。2014年選挙まで市長を務めたロブ・フォード氏は弟で、弟と入れ替わるようにして市長に立候補した。市長選に敗れた後は政界からは身を引いていた。

 これまでに党首選に名乗りを上げているのは、暫定党首に決定したヴィック・フェデリ氏のみ。ただ他にも有力候補の名前が挙がっている。

 

 

2018年2月1日 第5号

 ブリティッシュ・コロンビア州デイビット・イービー司法長官は、同州政府管轄自動車保険会社ICBCの損失額が膨大した件について、ICBCの大幅な改革が必要と1月29日に、記者会見で語った。

 ICBCは28日に今年度末までの収支報告書を発表。それによると、昨年4月1日から12月31日までの損失額は9億3500万ドルにのぼり、このままのペースでいくと年度末までには損失は13億ドルまで膨れ上がると報告した。

 損失がここまで膨れ上がった要因は、損害賠償請求数の増加と請求額の増大で、裁判が長引くケースが増え、その分賠償額が増加していると説明している。

 しかし昨年、自由党が発表した今年度の損失額は1100万ドル。それが突然13億ドルにも増加したことにイービー司法長官は、自由党前政権の政策を批判した。

 昨年9月の時点ではイービー司法長官は、平均的な保険加入者への保険料引き上げは年間8パーセント引き上げの約130ドルになると語っていた。しかし今回はこれだけの損失を埋めるには、年間400ドルの引き上げが必要になるという。

 ここまでひどい状況になったのは自由党政権のICBCに対する無策が原因と批判を繰り返し、大幅な保険料引き上げを避けるためにもICBCの改革が必要と語った。

 具体的には、軽い負傷に対する賠償額の上限設定や事故発生率の高い運転者に対する保険料の引き上げ、自動車修理会社への規制などをあげた。ただ、詳細は後日発表すると述べた。

 昨年7月に政権交代を実現した新民主党(NDP)は、今年2月に政権交代後初の予算案を発表する。選挙で均衡予算実現を公約としていたが、ICBCの負債額がどのように予算に影響するかについては語らなかった。

 

 

2018年2月1日 第5号

 ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンドの、一般にトランポリン・パークと呼ばれる巨大なトランポリンで遊べる施設で1月20日夜、男性が着地時に首の骨を折り死亡した。現場に居合わせた人の間からは、この施設の管理体制に問題があったのではという指摘もあがっている。

 死亡したのは、同州ビクトリアに住むジェイ・グリーンウッドさん(46歳)。3人の子供と共に、リッチモンドのトランポリン施設エクストリーム・エア・パークでトランポリンを楽しんでいたが、トランポリンから脇にある立方体のスポンジで埋められた側溝に飛び込んだ際、首の骨を折り心拍停止の重傷を負った。駆けつけた救急隊員がすぐに病院へ搬送したものの、死亡が確認された。

 当時家族で利用していたチャーリー・ボウザキスさんは、子供たちが凄惨な現場を目の当たりにしてしまったとフェイスブックに書き込み、職員の対応に不備があったのではと指摘している。また現場に居合わせたカーム・レイイーさんも、施設の従業員は、この事態にどう対処したらよいか全く分からない状況で、911番通報もレイイーさんが行ったという。

 メディアが施設に取材を申し込んだものの、誰も応対しなかった。ただ、オースティン・ドレメノーと名乗る人物が、エクストリーム・エア・パークを代表し、従業員は緊急対応マニュアルに従って行動したと主張している。

 それに対しボウザキスさんは、適切な手順が事前に定められていたのか、またこうした事態にも対応できる資格を持ったスタッフが配置されていたのかなど、疑問を投げかけている。事故当時現場には3人の従業員がいたものの、誰もファーストエイドの資格を提示できなかったほか、けが人に付き添うこともなかったと指摘している。これに対し施設側は、このような重傷の場合は、患者をむやみに動かさないのが手順だと説明している。

 同様の事故は1年前、アルバータ州エドモントンにある同様のトランポリン・パークでも発生している。同市郊外にある施設ジャンプ・パーク・トランポリンを友人と利用していた19歳の青年が、やはりトランポリンからスポンジの側溝に前転で飛び込んだところ、その側溝の底のコンクリートに強打、首の骨(第七頸椎)を折り、胸から下が不随となる重傷を負った。青年と家族は、施設は利用者の安全を十分確保する義務を怠ったとして、1700万ドルの補償を求める裁判を起こしている。

 

 

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