2018年2月1日 第5号

 ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンドの、一般にトランポリン・パークと呼ばれる巨大なトランポリンで遊べる施設で1月20日夜、男性が着地時に首の骨を折り死亡した。現場に居合わせた人の間からは、この施設の管理体制に問題があったのではという指摘もあがっている。

 死亡したのは、同州ビクトリアに住むジェイ・グリーンウッドさん(46歳)。3人の子供と共に、リッチモンドのトランポリン施設エクストリーム・エア・パークでトランポリンを楽しんでいたが、トランポリンから脇にある立方体のスポンジで埋められた側溝に飛び込んだ際、首の骨を折り心拍停止の重傷を負った。駆けつけた救急隊員がすぐに病院へ搬送したものの、死亡が確認された。

 当時家族で利用していたチャーリー・ボウザキスさんは、子供たちが凄惨な現場を目の当たりにしてしまったとフェイスブックに書き込み、職員の対応に不備があったのではと指摘している。また現場に居合わせたカーム・レイイーさんも、施設の従業員は、この事態にどう対処したらよいか全く分からない状況で、911番通報もレイイーさんが行ったという。

 メディアが施設に取材を申し込んだものの、誰も応対しなかった。ただ、オースティン・ドレメノーと名乗る人物が、エクストリーム・エア・パークを代表し、従業員は緊急対応マニュアルに従って行動したと主張している。

 それに対しボウザキスさんは、適切な手順が事前に定められていたのか、またこうした事態にも対応できる資格を持ったスタッフが配置されていたのかなど、疑問を投げかけている。事故当時現場には3人の従業員がいたものの、誰もファーストエイドの資格を提示できなかったほか、けが人に付き添うこともなかったと指摘している。これに対し施設側は、このような重傷の場合は、患者をむやみに動かさないのが手順だと説明している。

 同様の事故は1年前、アルバータ州エドモントンにある同様のトランポリン・パークでも発生している。同市郊外にある施設ジャンプ・パーク・トランポリンを友人と利用していた19歳の青年が、やはりトランポリンからスポンジの側溝に前転で飛び込んだところ、その側溝の底のコンクリートに強打、首の骨(第七頸椎)を折り、胸から下が不随となる重傷を負った。青年と家族は、施設は利用者の安全を十分確保する義務を怠ったとして、1700万ドルの補償を求める裁判を起こしている。

 

 

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