2018年2月1日 第5号
ブリティッシュ・コロンビア州デイビット・イービー司法長官は、同州政府管轄自動車保険会社ICBCの損失額が膨大した件について、ICBCの大幅な改革が必要と1月29日に、記者会見で語った。
ICBCは28日に今年度末までの収支報告書を発表。それによると、昨年4月1日から12月31日までの損失額は9億3500万ドルにのぼり、このままのペースでいくと年度末までには損失は13億ドルまで膨れ上がると報告した。
損失がここまで膨れ上がった要因は、損害賠償請求数の増加と請求額の増大で、裁判が長引くケースが増え、その分賠償額が増加していると説明している。
しかし昨年、自由党が発表した今年度の損失額は1100万ドル。それが突然13億ドルにも増加したことにイービー司法長官は、自由党前政権の政策を批判した。
昨年9月の時点ではイービー司法長官は、平均的な保険加入者への保険料引き上げは年間8パーセント引き上げの約130ドルになると語っていた。しかし今回はこれだけの損失を埋めるには、年間400ドルの引き上げが必要になるという。
ここまでひどい状況になったのは自由党政権のICBCに対する無策が原因と批判を繰り返し、大幅な保険料引き上げを避けるためにもICBCの改革が必要と語った。
具体的には、軽い負傷に対する賠償額の上限設定や事故発生率の高い運転者に対する保険料の引き上げ、自動車修理会社への規制などをあげた。ただ、詳細は後日発表すると述べた。
昨年7月に政権交代を実現した新民主党(NDP)は、今年2月に政権交代後初の予算案を発表する。選挙で均衡予算実現を公約としていたが、ICBCの負債額がどのように予算に影響するかについては語らなかった。