2018年2月8日 第6号
ブリティッシュ・コロンビア州で2017年に薬物過剰摂取による死亡者数が過去最高の1422人となったことが分かった。1月31日、BC州検視局が発表した。
報告によると、この数字は試算としながらも、993人だった2016年から43パーセント増加。正確な統計ではさらに増えると予想されている。
薬物過剰摂取による死亡の最大原因はオピオイドの一種フェンタニル。2017年死亡者数の約81パーセントの死亡原因で、それ以外の薬物による死亡者数は約300人で毎年とそれほど変わらないとも報告している。死亡者の約半数は30歳から49歳まで、5人のうち4人が男性という。
BC州政府は2016年4月に薬物過剰摂取死亡者急増を受け緊急事態宣言を発令。州内全域に薬物を安全に摂取できる専用薬物摂取センターを開設している。
BC州保健局長ペリー・ケンダル氏は、引き続き薬物中毒者ケア対策プログラムを拡張していくことが必要と強調している。
2018年2月8日 第6号
ブリティッシュ・コロンビア州で2月3日に自由党党首選挙が実施され、アンドリュー・ウィルキンソン党首が誕生した。
自由党党首選にはウィルキンソン党首を含め6人が立候補。マイク・デヨン元財務大臣、マイケル・リーBC州議員、前バンクーバー市長サム・サリバンBC州議員、トッド・ストーン元BC運輸大臣、そして、元サレー市長で連邦保守党議員だったダイアン・ワッツ氏。
選挙は最終の第5ラウンドまでもつれ、第4ラウンドまでトップを走っていたワッツ氏との一騎打ちは53パーセント対47パーセントでウィルキンソン氏が勝利した。早々と脱落したデヨン氏や自由党議員支援者がウィルキンソン支持に回ったとみられている。
ウィルキンソン党首は2013年にバンクーバー-キルチェナ選挙区から立候補し初当選。技術・革新大臣や司法長官などを歴任した。政界に入る前は医師や弁護士という異色の経歴を持つ。今回党首選が発表されると、すぐに立候補を表明した。
ウィルキンソン党首は就任会見で「議会初日にNDP(新民主党)と対峙するために、これから党が結束していかなければならない」と語った。BC州議会は13日に再開する。新民主党(NDP)ジョン・ホーガン政権初の議会の式辞に全力で対抗する意欲を見せた。
昨年5月のBC州議会議員選挙で、クリスティ・クラーク党首率いる自由党は、最多議席数を獲得したものの、過半数にはわずかに届かず少数派政権となった。そして再開した議会でNDP・グリーン党による不信任が可決され、政権の座を明け渡すことになった。
その後、自由党よりも議席が少ないNDPがグリーン党と政策で協力することを条件に政権を担当することになり、2001年から続いた自由党政権が終了した。これを受けてクラーク党首が8月に辞職。選挙に勝利したにもかかわらず、党首交代という事態で党首選となった。
ウィルキンソン党首誕生を受け、グリーン党アンドリュー・ウィーバー党首は祝辞を贈り、自由党とグリーン党が合意できる政策で協力することを期待していると語った。
BC州では2月14日にクラーク前党首のケローナ・ウエスト選挙区で補欠選挙が実施される。長年自由党が持っていた選挙区だが、ウィルキンソン党首になって初めての選挙となる。
2018年2月8日 第6号
オンタリオ州進歩保守党(PC)党首選への立候補が相次いでいる。2月1日には、クリスティン・エリオット氏が立候補を表明した。
エリオット氏は2006年から2015年までオンタリオ州議員を務め、2015年の党首選に立候補。しかしブラウン氏に敗れ、そのまま政界から引退した。夫は2015年に逝去した元連邦保守党政権ジム・フレアティ元財務大臣。党首選が決まった当初から立候補者として名前が挙がっていた。
また、2月4日には出馬が噂されていたキャロライン・マルルーニー氏が立候補する意向を記者団に語った。
「約15年続く自由党政権からの変化が必要」と語り、州民は嫌気がさしている、新しい政府を欲していると続け、だから自分が「党首選に立候補する意思を固めた」と語った。
マルルーニー氏は政治家としての経験は一度もない。しかし、父はブライアン・マルルーニー元首相で知名度は高く、弁護士やビジネスマンとしてこれまで活躍してきた華やかな履歴も持つ。
今年実施されるオンタリオ州議会議員選挙にも、すでに立候補が決まっていて、党首選にかかわらず政界入りを目指していた。
これで現在までのところ立候補を表明しているのは、ダグ・フォード元トロント市議と合わせて3人になった。
オンタリオPCは、1月25日にブラウン前党首が突然の辞任を強いられた。前日のニュース番組で2人の女性が、当時連邦保守党議員だったブラウン氏から性的に不適切な行為を受けたと告白。ブラウン氏は緊急記者会見を開き内容を全面否認したが、党内から辞任を迫られた。
そのため、州議会議員選挙が6月7日に迫る中、急きょ党首選が実施されることになった。
党首選立候補締め切りは2月16日、新党首は3月10日に決定する。
2018年2月8日 第6号
アルバータ州政府レイチェル・ノッテリー州首相は2月6日、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州産ワインの購入を停止すると発表した。現在、同州で販売されているワインの撤収などはないという。
これはBC州政府が1月30日に発表したオイルサンド輸送に関する新規制に対する報復措置で、ノッテリー州首相は「アルバータ州の産業を攻撃すると、こうなるという事実を示してBC州政府の目を覚まさせるいい1歩になった」と語った。
アルバータ州はBC州産ワインを年間約1700万本購入、約7千万ドルになる。BC州ワイン産業にとってBC州以外では最大販売先で約10〜15パーセント占める。
2月1日には、アルバータ州が検討しているBC州からの電力購入の契約を白紙に戻すと発表している。ノッテリー州首相によると、この契約白紙でBC州が被る損失額は5億ドルになるという。
BC州のやり方は「違法であり、違憲だ」と批判しているノッテリー州首相は、この時これが第1歩だとし、まだ対抗措置を取る用意があると語っていた。その第2弾としてBC州ワインを攻撃した。数日前にはアルバータ州のレストランがワインの提供を停止するとツイッターで発表した。
これにはBC州はもちろん、アルバータ州からも賛否両論が噴出している。アルバータ州で販売されている国内産ワインの多くがBC州産で、BC州ワイン産業に関わっている人々も多いという。「州民から政府がチョイスを奪うのはいかがなものか」との声も紹介されている。アルバータ州野党の連合保守党ジェイソン・ケニー党首は、ノッテリー州首相の手段に賛同している。
BC州のワイン産業は、パイプライン建設とは全く関係ない。ただBC州ではケローナ-ウエスト選挙区で2月14日に補欠選挙が行われる。この辺りはワイン産地で知られる。今回のアルバータ州政府の措置が選挙にどのように影響するかにも注目が集まっている。
BC州政府は1月30日にオイルサンド輸送に関する環境対策の規制強化を検討していることを公表。これが実行されれば、現在進行中のキンダーモーガン社トランスマウンテン・パイプライン拡張工事計画がさらに遅れることになる。
BC州ジョージ・ヘイマン環境相は31日、現段階ではまだ提案だとしながらも、アルバータ州政府が違法だという主張には同意できない、BC州政府には、環境管理法に基づいて、BC州の海岸線や州内の環境を保護する権限があると反論している。
2018年2月8日 第6号
ブリティッシュ・コロンビア州政府は今年7月のマリファナ合法化に向け、州内での販売方法などの法整備の一部を2月5日に発表した。
BC州政府マイク・ファーンウォース公安大臣はマリファナの販売について、州営店と民営小売店と両方の販売方法を採用すると発表。販売できるのは、マリファナとマリファナ関連商品のみで、食料品やタバコ、宝くじなど他の商品との販売は認めないとしている。ただし販売店舗数が確保できないような地方では例外も認める。
州営店は州のLiquor Distribution Branch(LDB)が新たに専用店舗を展開する。オンライン販売も開始する。リカーストアでの販売はしない。
マリファナ販売を希望する民間小売店への許可については、今春にも申請を受け付ける予定。今夏には1号店をオープンしたい意向を示した。
店舗数や開店場所などについては、各市町村政府が独自の判断をすることができる。開店時間は午前9時から午後11時までの間と定めている。
BC州の使用年齢は19歳から。一人が所持できる量は30グラムまで。19歳未満の未成年は販売店への入店も禁じられている。
その他にも、自動車内でのマリファナ使用禁止、タバコの禁煙場所以外にも公園、海岸、遊び場、その他、子供がよく訪れる場所でのマリファナの使用を禁止する。
またマリファナ栽培については、大人に限り一世帯で4鉢まで。アパートやマンションの場合は管理会社や物件所有者が栽培禁止などの措置を取ることができるなどの項目を発表している。
ファーンウォース公安相は「最大の目的は、子供たちの手にマリファナが渡らないこと。健康への影響や安全性などの周知をこれから徹底し、犯罪者からマリファナを引き離すことが重要」と語った。