2018年1月1日 第1号
オンタリオ州オタワに住む女性が、勝手に撮影された自分のジョギング中の姿をコマーシャル映像に使われたとして訴えていた裁判で、女性の主張が認められ映像製作会社に賠償を命じる判決が言い渡された。
この女性がジョギングしていたのは、同市ウェストボロー地区のサー・ジョン・A・マクドナルド・パークウェイで、2014年のことだった。彼女はそこでビデオ撮影が行われていることに気づき、顔が写らないように気をつけていた。
しかし2015年、この地区でのコンドミニアム建設計画のプロモーション・ビデオに、自分のジョギング姿が写っているのを発見した。彼女は制作会社ウォーターブリッジ・クリエイティブ・メディアに、自分が写っている部分をコマーシャルから削除するよう、電子メールで求めた。しかし会社側は、公共の場所で撮られた映像や画像を使用するのは、業界標準だと主張して女性の要求には応じなかった。
そのため女性は裁判を起こし、今回の判決に至った。判決文の中で裁判長は、個人には公共の場所で営業目的に撮影されることを拒否する権利があるとした。その上で、彼女のプライバシーを侵害したことへの賠償として4千ドルを女性に支払うよう命じた。さらに、もし製作会社が役者を雇ってジョギング姿を撮影したとしたら、その人物に支払われた報酬を100ドルと算定、これも合わせて女性に払うよう命じた。
この女性の代理を務めた弁護士は、今回の判決がオタワでの個人のプライバシーに関する先例となったと、メディアに語っていた。