2018年9月20日 第38号

 MLS(メジャーリーグサッカー)バンクーバー・ホワイトキャップスFCは15日、ライバルのシアトル・サウンダーズFCとBCプレースで対戦した。

 この日はツートップでMF/FWメスキーダがFWカマラと組んだ。そのメスキーダが先制の好機をつかんだが惜しくも外れて得点できず、その直後にサウンダーズがゴールを決めて先制した。

 前半に2得点されたホワイトキャップスだったが、前半終了間際にFWカマラがコーナーキックからのボールにうまく合わせて2―1とした。後半は両チームともゴールがなく、ホワイトキャップスが惜敗した。ホワイトキャップスの連続負けなし試合は6で止まった。サウンダーズは9連勝。

 これで11勝10敗7分となった7位のホワイトキャップス。勝ち点は40のままで、勝ち点を44とした6位サウンダーズに引き離された。残りは6試合。ホワイトキャップスのプレーオフ進出に黄信号が灯りはじめた。

 

攻めるホワイトキャップスFWカマラ(#23)のゴール前の攻防。9月15日BCプレース、シアトル・サウンダーズ戦。(Photo by Preston Yip)

 

 

2018年9月20日 第38号

 ブリティッシュ・コロンビア州チリワック市で15日、ゴミ回収コンテナの中にいた女性がそのまま、ゴミと一緒に収集車に放り込まれる事故が発生した。

 40歳前後とみられる女性が入っていたコンテナは、同市にある衣料品店マックス・ワーク・ウェアハウスの外に置かれていた。ゴミ収集車の運転手が異常に気が付いたのは、40キロメートルほど東のアボッツフォード市にある、次の回収場所。午前8時半ごろ、その木材店のオーナーであるスタン・ピラさんは、いつものようにゴミ収集車のエンジン音を聞いたものの、いつまでたってもゴミを回収する気配がみられなかった。

 不審に思ったピラさんが店の裏に出て収集車の運転手に様子を尋ねたところ、収集車の荷箱の中をモニターしているカメラに女性が映っていたため、作業を中断して消防の到着を待っていると説明された。

 到着したアボッツフォード市消防署の隊員が女性を救出したが、骨盤を折る大けがを負っており、病院に搬送された。命に別状はないという。また女性がゴミ回収コンテナの中にいたのは、夜中の雨をしのいで寝られる場所を探していたものとみられている。

 この収集車を運用しているスーパーセーブ・ディスポーザル社は、捜査中であることを理由にメディアの取材には応じていない。しかし救出劇の一部始終を見ていたピラさんは、収集車の運転手の注意深い行動を称賛している。ピラさんの店の回収コンテナは、木材やおが屑などでいっぱいになっており、もしこれが荷箱の中の女性の上に投げ込まれたら、最悪の事態になっていたかも知れなかったからだ。

 

 

2018年9月20日 第38号

 アルバータ州エドモントンに住むベン・ケリールークさんとマリリンさん夫婦は、5月5日に同州レッドディアの南で起こったオートバイ事故で、息子夫婦を失った。この息子夫婦には、3歳になるリアム君と6歳のアリエールちゃんがいたが、事故当時はケリールークさん夫妻のもとに預けられており、難を逃れた。

 以来ケリールーク夫妻は、この2人の孫の世話をしてきたが、再び子育てをするとは思っていなかった老夫婦にとって、予定外の出費が家計を圧迫することとなった。2人の孫は高額な補聴器が必要なほか、リアム君にはスピーチセラピーも必要だった。

 そうした費用をまかなうため、ケリールーク夫妻は息子夫婦が大切に保管していたクラシックカー、1973年型ポンティアック・パリジェンヌを売却することにした。ケリールークさんの息子はこの車を、リアム君が18歳になったら譲るつもりだったという。

 「孫たちは車庫の中で、この車を整備していた父親と長い時間を過ごしていた。孫にとっては多くの思い出がつまった特別な車だった」と、断腸の思いで売却を決意した経緯を取材に語るケリールークさん。

 車は8日、オークションに出された。オークション会社の共同オーナーの一人リンゼイ・ペインさんは、ケリールークさんと孫のリアム君のために、できるだけのことをするつもりでいた。この車のせりが始まる前に、会場ではこの車を手放さなければならなかったケリールークさんの事情が説明された。せりが開始されると、この車は2万9千ドルで落札された。そしてその直後、購入者は車を寄付、再びオークションにかけられた。このあとさらに2回、同じことが繰り返され、合計で10万ドル近い売上がケリールークさんのもとに集まった。さらに、最後の購入者も車を寄付したため、車もケリールークさんのもとに戻ってきた。

 「オークションが始まってからの出来事に、信じられない思いだった」とケリールークさん。オークション会社のペインさんも、この予想外の展開に感動、会場全体がもらい泣きするのを目の当たりにしたと語っている。

 「こんな素晴らしいことを起こした車を、もう売ることなどできない」とケリールークさんは話していた。

 

 

2018年9月20日 第38号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーで7日、かつら専門店から150個以上のかつらが盗まれたが、13日にその一部が警察によって回収された。

 盗難事件が発生したのは、同市ウエスト・ブロードウェイにあるエバかつら店。早朝に何者かが店内に侵入、本物の人の髪から作られたかつらを盗んでいった。そのうちの多くが、BC州小児専門病院のがん患者の子供たち向けだった。

 そんな中、13日夕方になって同市イーストサイドのホテルで大量のかつらが見つかったと、バンクーバー市警察に通報があった。発見者は、その一週間前に起きた盗難事件をニュースで知っており、発見と同時に警察に連絡を入れたという。警察が回収したかつらは66個。同市警察は引き続き残りのかつらと、盗んだ犯人の行方を追っている。

 一方エバかつら店では、子供たちが学校に戻るタイミングまでに間に合うよう、盗まれた分のかつらの再製作に追われている。またこのニュースを知った多くの人から、髪の毛の寄付の申し出が後を絶たないと、同店では話している。なお、これから髪の毛の寄付を考えている人のために、同店ではその際の注意事項をウェブサイトで紹介している(『Eva&Co』、『wigs』、『donation』で検索)。

 

 

2018年9月20日 第38号

 ブリティッシュ・コロンビア州とバンクーバー市が協力してバンクーバーのチャイナタウンをユネスコ世界遺産へ登録する働きかけをすることで17日提携した。

 BC州政府ジョン・ホーガン州首相とバンクーバー市グレゴール・ロバートソン市長は同日、チャイナタウンの中国文化センターで覚書に署名。登録に向けて努力することを約束した。

 ホーガン州首相は声明で「バンクーバーのチャイナタウンは、中国系コミュニティが代々受け継いできた、復活と決断と勇気を示す象徴であり、中国系コミュニティはBC州の発展に貢献してきた」と発表。さらに「将来のBC州民のためにもその遺産を称え、保護するために活動していく」と語った。

 世界遺産登録への価値として、バンクーバーのチャイナタウンは、中国系移民が受けてきた人種差別や直面してきた困難を教訓として現代に思い起こさせる世界遺産となるだろうとBC州政府は説明している。

 BC州では現在2カ所、ハイダグアイにある村スカン・グアイ(文化遺産)とアルバータ州とにまたがるカナディアン・ロッキー山脈自然公園群(自然遺産)が登録されている。

 世界遺産への登録は連邦政府が公式に支援を宣言しなければならない。BC州と市はこれから働きかけをすることになる。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。