2018年9月13日 第37号
在加アメリカ大使ケリー・クラフト氏が、アメリカで2001年9月11日に起こった同時多発テロの記念式典を、ニューファンドランド・ラブラドール州ガンダーで行った。
クラフト大使は「今日の特別な日に、ここ以外に来たいと思う場所はなかった」とあいさつ。現在カナダとアメリカが北米自由貿易協定(NAFTA)やツイッター攻撃でぎくしゃくしているが、「それはそれで経済交渉として重要だが、ガンダーが米加の関係を最もよく表している」と語った。
クラフト大使がこの地を選んだのには理由がある。テロが起きた日、アメリカのニューヨーク、ワシントンDC、ペンシルベニアの空港を閉鎖したため、これらの空港に乗り入れる大西洋線の多くの飛行機がカナダ東海岸に緊急着陸した。その空港の一つが同州ガンダー。
この緊急事態で多くのアメリカ人が入国できずにこの地に足止めされた時に、全くの他人にもかかわらず、小さな町で宿泊施設も足りない状況で、自宅に招き入れ、滞在させたのがこの土地の人々だった。
その温かな対応は語り草になり、昨年は、この話を基にミュージカルが制作され人気を博した。現在、そのミュージカル「カム・フローム・アウェー」はブロードウェイで上演されている。
ガンダー以外では、ノバスコシア州ハリファックスが最も多く緊急着陸した飛行機を受け入れている。西海岸も同様で、当時太平洋線の多くの飛行機がバンクーバー国際空港に緊急着陸した。