2018年9月13日 第37号
来年に迫った連邦総選挙に向け、各党が準備を始めた。自由党は12日からサスカチワン州サスカトゥーンで、新民主党(NDP)は11日からブリティッシュ・コロンビア州サレーでの党大会開催に向け準備をしている。
2015年に大勝した自由党は政権を担って約3年、当時には考えられなかった難題が襲いかかっている。現在アメリカとの交渉が続いている北米自由貿易協定(NAFTA)は、クリスティア・フリーランド外相がワシントンDC入りして合意に向けた話し合いが行われているが、今月末が期限と厳しい状況が続いている。さらに2016年に承認したトランスマウンテン・パイプライン拡張工事については、今月上訴裁判所の判決で政府承認が無効化された。パイプライン承認は環境対策と一対だったため、炭素税の全国一斉導入にも暗雲が立ち込めている。他にもマリファナの合法化、銃規制など、早急な対策が望まれる課題が多いが前に進めていないのが現状。これらをどのように来年の選挙に向け国民に訴えるかが話し合われる見通し。
NDPは昨年就任したジャグミード・シング党首の下で来年の選挙を戦うが、すでにベテラン議員が多く引退を表明し、シング党首自身は選挙区を持たないなど準備する状況すら整っていない。NDPはパイプライン反対などの環境問題、全国的な健康保険制度導入や薬代を含めた保険制度などを提案しているが、これから党として国民にこうした政策をどう訴えていくのか、課題は多い。
シング党首はBC州バーナビーの選挙区で実施される予定の補欠選挙に立候補を表明していて、今後の動きが注目される。