2019年5月16日 第20号

 日本人留学生古川夏好さん(30)を殺害したことで昨年11月に14年間仮釈放なしの終身刑を言い渡されていた、ウィリアム・シュナイダー被告が判決の数カ月後に上訴した。

 シュナイダー被告は、古川さんへの第2級殺人について有罪判決を受けている。

 語学留学のため滞在していた古川さんは2016年9月8日から行方がわからなくなり、同月12日に友人が警察に行方不明を報告。バンクーバー市警は、9月8日にシュナイダー被告が古川さんと一緒に歩いている様子が映っていたダウンタウン・ハーバーセンターのセキュリティカメラの映像を公開し、行方を捜していた。そして同年9月28日にBC州バンクーバー市のダウンタウンの空き家で発見された女性の遺体が古川さんと断定したことを同30日に発表した。シュナイダー被告は遺体が発見された同日、BC州バーノンにいるところを逮捕された。

 2018年9月24日から裁判が開始、10月19日に陪審員が評決し、11月2日、刑が確定した。

 

2019年5月16日 第20号

 ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンドのホテル内レストランで先週末、ノロウイルスによる集団食中毒が発生した。ちょうど日曜日の12日が母の日であったことから、多くの人がレストランに予約を入れていたものの、突然のキャンセルの連絡で対応に追われていた。

 バンクーバーコースタル保健局(VCH)から閉鎖命令を受けたのは、同市ウェストミンスターハイウェイ沿いのシェラトンホテル内のハロルド・ビストロ(Harold's Bistro)と、同じ区画内のミノル・ブルバード沿いにあるヒルトンホテル内のケイブ・キッチン(Cavu Kitchen)。

 同保健局によると、シェラトンホテルの調理関係者や清掃スタッフ、さらに滞在者などがノロウイルスによる食中毒症状を11日から訴えていたという。一方ヒルトンホテルの支配人サンジート・サダナさんは、同ホテルの滞在者には食中毒は発生していないと取材に答えている。

 しかし同保健局は、ヒルトンホテルでも11日に調理場スタッフが体調を崩し早退していることを指摘。また同じ人物はその前日、シェラトンホテルに勤務していた。

 両レストランとも週末は営業を中止、13日も閉鎖を続け徹底的な清掃を行ったほか、VCHの職員が現場の立ち入り検査を行った。

 母の日のブランチのためにレストランを予約していたリック・ビッグスさんによると、レストランからは2〜3日営業停止するため予約はキャンセルになるという連絡だけだったという。また近所のホテル内レストランも同様に営業停止になっていると言われたが、その理由を問いただしても電話口の女性は答えられないの一点張りだったと付け加えている。これについてビッグスさんは、公共のレストランの利用者は、健康に関する危険性について知らされるべきだと指摘、事実を隠そうとしたホテル側の対応を非難している。

 ノロウイルスは胃腸炎を引き起こすウイルスの一種。感染後1〜2日で胃のむかつきや吐き気を催すほか、下痢を伴うこともある。そのほかけいれんや悪寒、発熱することもある。症状は突然始まり2〜3日続くが、通常はその後回復に向かう。

 ノロウイルスによる食中毒で嘔吐している人のそばにいた場合、空気中を舞う嘔吐物の飛沫を吸い込むことで、感染する危険性がある。そのほか流しなどの水回りに付着したウイルスはかなりの期間生きながらえるため、こうした場所の清掃が適切に行われていないことから感染するケースもある。

 

2019年5月16日 第20号

 アルバータ州エドモントン市近郊で12日未明、産気づいて総合病院に向かっていた妊婦が、移動中の車の中で出産した。

 その日の午前2時20分頃に産気づいたローリー・シュワルツさんは、支度を整え夫が運転する車でエドモントン総合病院に向かった。しかしその途中の午前3時24分、車中で男の子を出産した。次男となったネイサンくんの体重は3090グラムで、健康な状態だった。

 病院に到着したシュワルツさんらを見たスタッフは、最初どう対処したらいいかわからず戸惑っていたようだと、シュワルツさんは取材に話している。その後当直医が母子を診断、すべて良好ということがわかった。

 思わぬ母の日のプレゼントを受け取ったシュワルツ家だが、奇しくも夫のコーリーさん自身も約38年前、病院に向かう車の中で生まれていた。

 母の日を病院で過ごした一家は、翌日そろって帰途についた。

 

2019年5月16日 第20号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーにある中国庭園で昨年11月、侵入したカワウソによる被害を防ぐために池から移された観賞用のコイが、再び戻された。

 この庭園は、同市の観光名所でもあるチャイナタウンそばの中山庭園。カワウソは庭園に侵入してから数日のうちに、池にいた成魚のコイ11匹を食い殺した。それ以上の被害を食い止めるため、残ったコイ(3匹の成魚と344匹の幼魚)が捕獲され、バンクーバー水族館で飼育されていた。

 その後池の安全が確認され、これらのコイを戻す作業が段階的に行われてきた。まず幼魚の半分が3月に池に戻されたのに続き、寄付された成魚のコイのうち5匹が4月に、さらに10匹が先週初めに池に放たれた。そして最後に、もともと池にいた成魚3匹が、寄付された別の2匹の成魚のほか、残りの幼魚とともに先週後半、池に戻された。

 なお成魚のコイを寄付したのは、同市のブリティッシュ・コロンビア大学キャンパス内の新渡戸記念庭園と個人コレクターで、池には合計で20匹の成魚が泳ぐこととなった。

 同庭園のマーケティングおよびコミュニケーション部マネジャーのデビー・チェンさんは、この5カ月間、関係者とともにコイを安全に池に戻すことに注力してきたと取材に語っている。さらにコイを寄付した新渡戸記念庭園に対し感謝の意を表していた。

 

2019年5月9日 第19号

 戦前のブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーで活躍した日系人野球チーム、バンクーバー朝日の活躍を記念して今年4月25日にカナダポストが発行した朝日チームをデザインした記念切手発行を、5月2日BC州議会でアン・カン州議員が紹介した。

 議会では、今年が朝日の初優勝から100年という記念の年となること、それを記念して今年4月24日には切手発行を祝う記念式典が開催されたことが紹介された。記念式典には、元朝日選手だった上西ケイ氏(97)が参加したこと、ハリウッド俳優の日系アメリカ人3世ジョージ・タケイ氏が参加したことなども紹介された。

 また、朝日が活躍した時代には日系人への差別が激しかったことにも触れ、日系人強制収容の事実にも言及した。

 そして最後に初優勝100周年への祝辞を述べ、カン州議員は「ありがとうございます」と日本語で締めくくった。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。