2019年5月9日 第19号

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州ナナイモ-レディスミス選挙区で6日に実施された連邦補欠選挙は、グリーン党候補ポール・マンリー氏が初当選を果たした。次点は保守党候補のジョン・ハースト氏。それまで議席を確保していた新民主党(NDP)は3位に、7人が立候補した今回の補欠選挙で自由党は4位に終わった。連邦議会でのグリーン党議員はエリザベス・メイ党首に続き2人目。

 今年10月に総選挙が実施されることもあり、今回の補欠選挙は総選挙前最後の補欠選挙で、総選挙を占う選挙としても注目されていた。選挙運動期間中には、自由党候補の応援のためにジャスティン・トルドー首相や、野党第一党保守党アンドリュー・シェア党首が現地入り。各党とも力を入れていた。

 結果的にはグリーン党が勝利したことで、総選挙は混戦模様になるのではと予測されている。グリーン党は最近の選挙で躍進をしている。地方議会ではプリンスエドワード島州で先月、グリーン党が公式野党第一党に躍進するなど大きく議席を伸ばしている。

 マンリー氏は、国民が環境問題を真剣に考えていることを証明している、10月の総選挙ではグリーン党旋風が巻き起こるだろうと語った。

 今回の補欠選挙は、今年1月に実施されたBC州議会の補欠選挙に連邦NDPシーラ・マルコルムソン氏が出馬したため空席になっていた。この選挙区はNDPが比較的強い選挙区のため、グリーン党候補者が勝利したことは驚きをもって受け止められている。

 連邦グリーン党メイ党首は、マンリー氏の勝利は連邦政治の新しい夜明けとなると期待を寄せ、「カナダの真の変化に投票した人々の勇気に感謝したい」と語り、二人で今後も国民の信頼を得続けたいと総選挙への意欲を見せた。

 一方で議席を失ったNDPのジャグミード・シング党首や、トルドー首相が現地入りしたにもかかわらず次点にすらなれなかった自由党にとっては、予想以上に厳しい総選挙になることが予想されている。両党とも環境問題を選挙争点の一つに挙げている。

 

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