2019年5月9日 第19号

 カナダはスイス・ジュネーブでの世界貿易機関(WTO)総会で、中国がカナダ産キャノーラ製品の輸入を禁止した件について中国側が理由としている害虫被害を証明するよう訴えた。

 中国は先月、カナダから輸入されるキャノーラ製品に害虫が見つかったことを理由に、カナダ大手2社の輸入を禁止した。しかしカナダ政府は、カナダ製品についてそうした苦情は他の国々から起きていないことや、カナダの調査でそうした事実がないことから、中国側に禁止した理由を論理的に証明するよう求めた。

 カナダと中国の関係は、カナダ連邦警察が昨年12月にアメリカの要請で、中国携帯大手ファーウェイの孟晩舟CFO(最高財務責任者)をブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー国際空港で逮捕して以降、中国に滞在していたカナダ人元外交官らを拘束したり、二人のカナダ人被告を死刑判決にしたりと、中国の報復ともいえる対応が続いている。

 その中で、先月カナダ大手2社のキャノーラ製品の輸入禁止、さらに豚肉製品の輸入も禁止している。

 5日には、カナダ政府関係者が、カナダと中国の関係改善をアメリカ政権に求めたことが明らかになったとカナダのメディアが伝えている。

 硬直するカナダ中国関係の中、8日には孟CFOがバンクーバーで2回目の出廷をする予定になっている。

 

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