2019年5月16日 第20号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーにある中国庭園で昨年11月、侵入したカワウソによる被害を防ぐために池から移された観賞用のコイが、再び戻された。

 この庭園は、同市の観光名所でもあるチャイナタウンそばの中山庭園。カワウソは庭園に侵入してから数日のうちに、池にいた成魚のコイ11匹を食い殺した。それ以上の被害を食い止めるため、残ったコイ(3匹の成魚と344匹の幼魚)が捕獲され、バンクーバー水族館で飼育されていた。

 その後池の安全が確認され、これらのコイを戻す作業が段階的に行われてきた。まず幼魚の半分が3月に池に戻されたのに続き、寄付された成魚のコイのうち5匹が4月に、さらに10匹が先週初めに池に放たれた。そして最後に、もともと池にいた成魚3匹が、寄付された別の2匹の成魚のほか、残りの幼魚とともに先週後半、池に戻された。

 なお成魚のコイを寄付したのは、同市のブリティッシュ・コロンビア大学キャンパス内の新渡戸記念庭園と個人コレクターで、池には合計で20匹の成魚が泳ぐこととなった。

 同庭園のマーケティングおよびコミュニケーション部マネジャーのデビー・チェンさんは、この5カ月間、関係者とともにコイを安全に池に戻すことに注力してきたと取材に語っている。さらにコイを寄付した新渡戸記念庭園に対し感謝の意を表していた。

 

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