2016年9月8日 第37号

 ケベック州セントローレンス川の河口、ガスペ半島にあるグラン・リビエールの老人ホームで、内部に十字架の文様が入ったジャガイモが見つかった。

 老人ホーム、ラ・ミュー・ビブレ・レジドンスで働く調理師アラン・レベキさんは8月22日、いつもは横半分に切っているジャガイモを、なぜかこの時に限って縦方向にカットした。すると半分になったジャガイモの断面中央に、見事な十字架の茶色い文様が浮き出ているのを見つけ、驚いた。

 この老人ホームの住人は熱心なカトリック信者が多く、またジャガイモの保存を長年行ってきていた。この文様を見たレベキさん、これは神の降臨を示すサインに違いないと信じたという。

 このジャガイモは現在、老人ホームの入居者委員会メンバーが乾燥処理を行っており、プロセスには1カ月ほどかかるとみられている。乾燥が進むと同時に、断面は茶色味を帯びてきたが、それでも十字架の文様はくっきりと認識できるという。

 老人ホームでは、この聖なるジャガイモを誰もが見られるよう、乾燥処理が終わったら専用のディスプレーケースに入れ、食堂に展示する予定。きっとみんなが神のご加護を身近に感じることだろうと、入居者委員会会長のエミリエン・モリンさんは取材に話していた。

 

2016年9月1日 第36号

 スティーブン・ハーパー前首相は8月26日、正式に議員を辞職することを発表した。自身のフェイスブックにビデオレターを投稿し、国民に感謝のメッセージを送った。

 ハーパー前首相は保守党党首として2006年に、少数派政権ながら自由党からの政権奪取に成功。2008年総選挙でも少数派政権を維持、2011年には過半数を大幅に上回る圧勝で多数派政権を実現した。しかし昨年10月の総選挙で自由党に政権を奪われ、党首を辞任。国会議員として残ってはいたものの、辞職の意向はすでに示していた。

 「これまでも一緒にいい国づくりに励んできたが、これからもっと良くなっていくと期待する」と国民にメッセージを送り、国内外でカナダの素晴らしさを示してほしいと語った。

 保守党は2004年に、当時のカナダ同盟と進歩保守党が統合して結成され、初代党首としてハーパー前首相が選ばれた。以来、昨年党首を辞任するまで約12年にわたり党首として党を率い、10年間首相としてカナダを導いた。

 今回のハーパー前首相の発表に対し、ジャスティン・トルドー首相は「首相として、その前には党首として国に尽くしたということについては疑いようがない」と記者会見で語り、前首相とその家族に感謝とエールを送った。

 今後については語っていないが、民間企業などから理事として声がかかっていると各メディアは伝えている。

 

2016年9月1日 第36号

 モントリオールで8月29日から行われる予定だったカナダエネルギー委員会(NEB)によるエナジー・イーストパイプライン建設計画の公聴会が30日、中止になることが明らかになった。再開はされるものの、日程は決まっていない。

 トランスカナダ社が建設を予定しているエナジー・イーストパイプラインは、アルバータ州のオイルサンドをカナダ東海岸ニューブランズウィック州セント・ジョンへと運ぶ4500キロメートル、総事業費157億ドルのパイプライン建設計画で、完成すれば一日110万バレルのオイルサンドを運ぶことになる。

 しかし、この建設計画は当初から反対が根強く、特に新たにパイプラインが建設されるケベック州では反対派が環境問題を理由に強く反対している。

 その一人がモントリオール市デニス・コデーレ市長で、これまでにも何度か建設反対を公式に表明し、関係各州や市から非難されている。

 パイプライン建設については賛成反対の両意見を広く聞くためにNEBが関係都市で公聴会を開催。モントリオールでは29日から5日間の予定で実施される予定だったが、初日の29日に反対を訴え抗議するために3人が会場で暴れたため、この日の公聴会は中止。その後、モントリオールでの公聴会を延期することを発表した。

 NEBは延期について、ケベック州ジャン・シャレー前州首相がトランスカナダで働いていた時に、NEB委員2人と接点があったことが明らかになったため、この2人を今回のパネルメンバーから外すかどうか決定するまでモントリオールでの公聴会は延期するとしている。

 関係都市での公聴会は今年12月まで行われ、最終は12月のオンタリオ州キングストン。その後、NEBは2018年3月までに報告書を連邦政府に提出し決定する。

 

2016年9月1日 第36号

 ジャスティン・トルドー首相は8月30日午後(現地時間)北京に到着。中国との2カ国会談、同国杭州での20カ国・地域(G20)首脳会議に臨む。トルドー首相の中国訪問は4回目、首相としては初めて。今回は夫人と長女も同行している。

 到着早々、トルドー首相は中国の起業家で構成されている中国起業家クラブ主催の集まりに出席。司会を務めたアリババ創設者ジャック・マ氏をはじめ、中国の億万長者が顔を揃えた中、カナダと中国の関係強化を訴えた。

 トルドー首相は「中国はカナダとの関係を強化することによって、中国の国際的イメージを改善できる」と語り、中国にはカナダが必要との認識を示した。

 人権問題などから保守党スティーブン・ハーパー首相時代には関係が悪化した中加関係。約40年前、中国が国際社会へ扉を開くきっかけになったのが、ピエール・トルドー元首相の中国訪問だっただけに、新たな中加関係を期待しているとマ氏は語った。

 今回の2国間会談では、中国当局に拘束されているカナダ人ケビン・ガラットさんの解放や、9月1日から中国が検査強化を実施予定のキャノーラ問題、アジアインフラ投資銀行(AIIB)、人権問題などが話し合われるとみられている。

 トルドー首相は30日の晩餐で李克強首相と、31日には習近平国家主席との会談が予定されている。

 カナダ閣僚では、ビル・モルノー財務相、ステファン・ディオン外相、クリスティア・フリーランド国際貿易相が同行している。

 

2016年9月1日 第36号

 バンクーバーで住宅を維持するためにかかる費用が所得の90・3パーセントになることが8月30日分かった。カナダの銀行ロイヤルバンクが報告した。

 この数字は、住宅を維持するためにかかる費用(住宅費用)には、住宅ローン、固定資産税、光熱費が含まれ、世帯の税引き前所得に対し、どのくらいの割合を占めているかを示したもの。対象となっているのは全ての種類の住宅で、全国14都市で調査している。今年が26回目。

 バンクーバーでは、第1四半期に6・6パーセント、第2四半期に6・1パーセント上昇、今年6月30日時点で90・3パーセントに達し、26年間で最も高い数字となった。数字は1戸建てでさらに顕著で126・8パーセント。住宅費用が所得を越える数字となっている。

 他の都市ではトロントで60・2パーセントで1990年以来の高い数字となったが、多くの都市では概ね数字は緩やかに下がっている。カルガリー、セント・ジョン(ニューブランズウィック州)、セント・ジョーンズ(ニューファンドランド&ラブラドール州)では大きく下がっている。

 第2四半期の全国平均は42・8パーセント。第1四半期よりも1・2パーセント上昇、前年同期比で2・9パーセント上昇している。

 

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