2016年9月15日 第38号

 アメリカ・メイン州に住む男性が7日、空気マットレスで国境の川を渡りカナダに入国しようとしたところを見つかり、逮捕された。

 警察によると、ジョン・ベネット容疑者(25歳)は以前に同州キャレーにある国境検問所からカナダ・ニューブランズウィック州への入国を試みていたが、アメリカ国内で損害を与えた罪で告訴されていたため、入国を拒否されたという。

 その後、ベネット容疑者は近所のウォールマートで空気マットレスを購入。これをボート代わりにし、木の板を使って漕いでカナダとの国境を流れるセント・クロワ川を横断、対岸のノバスコシア州セント・ステファンの南東岸に上陸した。

 しかしそこで、靴を手に持ってずぶ濡れのまま町の方に歩いている姿を地元住民が目撃、警察に通報され不法越境の罪で逮捕された。  警察の取調べに対しベネット容疑者は、カナダにいる妊娠中の彼女が元カレから脅されており、彼女の安全が気になったために、なんとか国境を越え会いに行こうとしたと供述している。しかし、この話の信憑性は確認されていない。

 また以前に、この川を泳いで渡った人物について聞いたことがあるが、それに比べれば空気マットレスを使う方法は斬新だとも語っている。

 

2016年9月15日 第38号

ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市は、一般家庭から出されるリサイクルごみの収集サービスを変更すると発表した。

 10月3日より、同業務はマルチ・マテリアルBC(Multi-Material BC, MMBC)に移管される。なお、これに伴う収集日などの変更は最小限にとどめられる、と市は説明している。

 一戸建て住宅の道路わきでのごみ収集については、マルチ・マテリアルBCとの契約のもと、スミスライト・ディスポーザル社(Smithrite)が行なう。

 また、集合住宅での収集業務のほとんどは、ウェースト・マネジメント・サービス社(Waste management Services Inc.)が行い、小規模な集合住宅や一部地域ではスミスライト社が担当する。

 マルチ・マテリアルBCは2014年以来、バンクーバー市からの委託を受けて同市内の住宅のリサイクルごみ回収を担当してきたが、今回の変更により同社がリサイクルごみ収集業務の運営管理の主体となる。

・リサイクルごみ収集スケジュールについて
 道路わきでのごみ収集スケジュールは、ほとんどの地域では変更されず、マルチ・マテリアルBCからのリサイクルごみ収集日スケジュール・カレンダーが10月第1週に各戸に配布される予定。
 一部の一戸建て住宅や小規模集合住宅では、収集スケジュールに変更が生じるが、その場合は新しいスケジュール・カレンダーが9月中に配布される。またこのカレンダーは、同社のウェブサイト(Recyclingbc.ca)でも確認することもできる。

・リサイクルごみ用コンテナについて
 新しいコンテナが必要になった場合、10月からはマルチ・マテリアルBCの契約業者から配達されることになるので、市役所などに出向く必要はなくなる。

・ガラス製品回収ボックス、カートについて
 現在は同製品の分別収集が行われていない住宅でも、分別が始まるのに伴い、そのためのボックスやカートが配布される。

・料金について
 今まで公共料金や固定資産税の一部として徴収されていたリサイクリング・サービス料は、2017年より計上されなくなる。

 なお、一般ごみやグリーン・ビンの収集サービスについては、変更なく今までどおり続けられる。

 

2016年9月8日 第37号

後半から途中出場し、2点目を決めたヘイバー(#9:写真中央)。Photo by Preston Yip

 

 FIFAワールドカップ2018ロシア大会の北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)の4次予選が9月6日、各地で行われた。

 グループ1のカナダは、メキシコ、ホンデュラス、エルサルバドルと同組で、この日はバンクーバー市BCプレースでエルサルバドルと対戦。最終予選進出に負けられない一戦となった。

 試合は序盤からエルサルバドルが攻め込む展開。しかし先制したのはカナダ。11分にFWラリン(#21)が中央で押し込み1点。前半を終え1‐0とカナダがリードした。カナダは前半だけでもゴール好機は3回あったが、いずれもゴールネットを揺らすことはできなかった。後半は53分にDFレジャーウッド(#2)がゴール前の混戦から右隅に放ったシュートが決まり2点目。56分にはエルサルバドル主将デルガド(#7)が、この試合2枚目のイエローカードを受け退場処分となりカナダに有利な展開となった。

 しかし、78分には1人少ないながらもエルサルバドルがゴールを決め2‐1。カナダは後半1人有利になった後はほとんどチャンスがなかったが、アディショナルタイムに入り92分MFエドガー(#5)がゴールを決め3‐1として、勝利した。ただ、試合内容はレッド1、イエロー5と大荒れとなった。

 4次予選は、各組4チーム3組に分かれて戦い、各組上位2チームが最終予選に進出することができる。

 カナダはこの日エルサルバドルに勝利し、2勝3敗1分けの勝ち点7としたが、この日2位ホンデュラスが1位メキシコとの対戦で引き分けたため、勝ち点8としたホンデュラスが2位を確定し、カナダは3位で最終予選に進めず2018年W杯予選敗退が決まった。1986年以来のW杯出場の夢は今回もここで潰えた。

 最終予選に進出したのは、メキシコ、ホンデュラス、コスタリカ、パナマ、アメリカ、トリニダード・トバゴの6チーム。ホーム&アウェー方式でリーグ戦を行い、上位3チームが本大会への出場権を得る。4位のチームは大陸間プレーオフに出場し、勝者が本大会へ出場できる。

 

2016年9月8日 第37号

 

 キャノーラ油の原料として知られるキャノーラ種の中国への輸出をめぐって話し合いが行われていた中国・北京で8月31日、ひとまず現行のまま継続するとジャスティン・トルドー首相と中国の李克強首相の共同記者会見で明らかにした。

 1日にはトルドー首相の中国訪問に同行していたクリスティナ・フリーランド国際貿易相もそれを確認。連邦政府は中国との新キャノーラ体制に全力を挙げるとし、それまでは現行法のままの輸出を続けられると語った。

 中国政府は9月1日から穀物などの輸入体制を厳しくする計画を発表し、カナダからのキャノーラ種もその対象になっていたことから、カナダ国内のキャノーラ農家からは輸出量が激減するのではとの不安の声が聞かれていた。中国側は、カナダからのキャノーラ種から派生する根腐り病といわれる病気が、中国のキャノーラに蔓延することを防ぐために必要な措置と主張している。

 今回はトルドー首相と李首相との話し合いで一時的に9月1日の期限は避けられたものの、今後も話し合いは続けられる。フリーランド国際貿易相は「永久合意に至るまで」の期間、現行法が適応されると語っている。

 カナダは世界有数のキャノーラ輸出国で、昨年の中国への輸出額は約20億ドル。カナダのキャノーラ輸出量の約40パーセントを占めている。

 

2016年9月8日 第37号

 保守党の党首選に立候補しているケリー・リーチ議員が9月1日、党内に向け党員の関心事を調査する質問書で、移民問題についてカナダへの移民希望者に「反カナダ人価値観」を査定する必要があると思うかとの問いがあったことが分かり、物議を醸している。

 報道によると、他の項目では法人税削減、マリファナの合法化、選挙改革など一般的な質問も多かった中で、移民に関するこの項目だけが際立っていたという。

 これについて党内では賛否両論というよりは反対派の方が多いとも伝えている。しかし、リーチ議員の意図はこうした移民問題がどれだけ党内での賛同を得られるかを計り、党首選に持ち込みたいとしているのではとみている。

 リーチ議員は5日にも自身の「反カナダ人価値観」査定の提案を、議論する価値のある重要な提案だと主張する声明を発表。改めてこの件を強調した。

 しかし、他の候補者からは反対の声が上がっている。マキシム・ベニエ議員は6日、法の公平性、男女公平、寛容と自由といったカナダ的価値観を守っていくということは大事としながらも、「反カナダ人価値観」を計るとして移民希望者を査定することは意味がないと語った。さらに、こうした査定によってイスラム国支持者のようなテロリストをカナダから排除することはできない、テロリストは移民者だけではなくカナダ生まれのカナダ人にも存在するとして、国内で起きたカナダ人によるテロ行為を指して反論した。マイケル・チョン議員も「最悪の政治的駆け引き」として、この提案を一蹴している。

 また、保守党ローナ・アンブローズ暫定党首も5日、テレビインタビューでリーチ議員の提案は支持できないと語った。さらに個人的にはと前置きしたうえで、「反カナダ人価値観」をどのように査定するのか分からないとし、党の考えとしては、「カナダにとって移民は非常に重要」との認識を示した。

 ある専門家は、アメリカの大統領選で共和党立候補者として注目を集めているドナルド・トランプ氏が国民の安全を理由に移民に対して強硬な姿勢を示して、ある一定の支持者から支持を得ているが、そうした方法がカナダでどれほど通用するのか疑問だとしている。

 党を二分するだけとの批判も党内にはあり、2019年の総選挙で打倒自由党として一丸となって臨む必要があるだけに、リーチ議員には立候補を降りてもらいたいとの声も上がっている。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。